ECサイト運営に有効!使えるKPIのつくりかた

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ECサイトの運営で重要なのが、最初にKPIを設定し、運用中は常にその達成状況を把握しておくことです。KPI設定の重要性は実店舗があるビジネスと同じですが、 ECサイトの場合には流入数やCVRなど多くの数値データが得られるメリットがある反面、数値に振り回されやすいともいえます。本記事ではECサイト運営で利用されるKPIを説明するとともに、どのようなKPIがビジネス目標達成につながるのかについて見ていきましょう。

KPIとは?

ECサイトだけに限らずさまざまなビジネスにおいて重要とされているのが、適切なKGI・KPIの設定と運用です。KGIはKey Goal Indicator(重要目標達成指標)の略で、これは重要な目標を定量的に示したもの。そして、Key Performance Indicator(重要業績指標)の略であるKPIとは、KGIを達成するために必要な施策を定量的に表したものです。

ECサイトにおける目標としては「売上」がよく挙げられます。これをKGIとするには、より定量的な形で「売上を前期比150%アップ」のように示すことになるでしょう。このように目標が定量化目標が定量化されていると、それだけで十分なようにも見えますが、この目標を達成するためには複数の施策が必要です。例のようにECサイトでの売上アップを狙うのであれば、訪問者数や客単価を改善することが考えられます。こうした複数の施策を数値化したものがKPIです。KPIを適切に設定することによって、目標達成にはどのような施策を成功させる必要があるか分析でき、達成までの道のりが明らかになります。また、対比させるべき指標が明らかであれば、アクセス解析によって得られたデータがどのような意味を持つのか、すぐに検証できます。つまり、実施したアクションの結果によってさらなる改善につなげていく、といったPDCAサイクルをスピーディに回すツールとしてもKPIは活躍するのです。

KPIの具体例

ここで、ECサイトにおける代表的なKGIである「売上増」を例に、具体的なKPIについて見ていきましょう。ECサイトの売上は大まかに分けると訪問者数、CVR、客単価の3つの要素で構成されているといわれます。

訪問者数

訪問者数はそのままKPIになりますが、ほかにもどれぐらいページが開かれたかというPV(ページビュー)数や、それを訪問者数で割った平均PV数もサイト回遊率を考えるうえで役立つため、KPIとして重要でしょう。回遊率とは、サイト内でユーザがどれぐらいのページを見たかという指標で、サイトの多くのページを見てもらった方が商品の購入には有利なので、売上アップ施策の1つとして考えられます。具体的には、何がどこにあるかわかりやすいサイトデザインへの変更(目的のページがわからなければユーザはすぐにサイトを離れてしまいます)やスマートフォンでの閲覧対応のようなアクションで回遊率を上げることが可能でしょう。また、広告やメルマガなどの施策で流入数を増やすというのも訪問者数を上げるためには有効です。

CVR

CVRとはコンバージョンレートのことで、カート完了数を訪問者数で割ることで求められます。これは、ECビジネス以外の分野では成約率といわれるような指標で、サイトを訪問した中からどの程度の割合のユーザが最終的な成果(コンバージョン、多くの場合は商品の購入となるでしょう)に結びついたかを示すものです。先に回遊率について述べましたが、この反対にランディングページだけを閲覧しサイトを離れてしまうユーザの割合を直帰率といいます。CVRを改善する施策の1つとしては、この直帰率を下げることが考えられるでしょう。回遊率と直帰率は反対の概念でもあるので、アクションとしては同じようなものになります。ほかにも、CVR改善のためには、滞在時間やページ別の離脱率をKPIに設定するのも有効です。

客単価(購入単価)

売上を売上件数で割ることで、顧客1人あたりどれぐらいの買い物をしたのかが求められます。言うまでもなく、売上を上げるためには、より多くの商品やより高額な商品を買ってもらうことが必要です。このための施策としては、ECビジネスに限らず、クロスセルやアップセルといった手法が知られています。クロスセルはユーザが購入するものと関連する商品を勧めて買ってもらうこと。また、アップセルは購入を検討しているものよりもワンランク上の商品を買ってもらうことです。サイト分析によってこうしたデータも得られるので、クロスセル率・アップセル率をKPIにすると客単価増に効果的です。

ECサイトでのKPI設定での注意点

仮説を立てる

ECサイトにおけるKPI設定においては、注意しておきたい点もあります。1つは、KGIからKPIへのブレイクダウンにおいてしっかりした仮説を立てることです。先の具体例で見たようにKGIを「売上xx%アップ」としている場合、目標の売上を上げるための方程式「訪問者数×CVR×客単価」にそれぞれ代入できる数字は何通りもあります。特に運営側のリソースが限られている場合には、3点すべてにおける施策をたくさん打つよりもどれかに集中した方が良いかもしれません。そうした視点で考えると、「広告からの流入は十分だけど安い商品しか売れていない」や「CVRは高いがそもそも訪問者数が絶対的に足りていない」といった問題の真因に迫るような仮説は非常に重要だといえるでしょう。

このような仮説があれば、重要でありながらも貢献が小さいKPIを避けることもできます。これはKPIを設定する際の「SMART」と呼ばれるキーワードの「Related(KGIと関連した)」にあたるものです。SMARTには、ほかにも具体的で達成・計測可能なものであること、期限を区切ることといったキーポイントがまとめられているので、KPI設定時にはぜひ参照しておくと良いでしょう。

また、仮説づくりはKPIの効果であるPDCAサイクルにおいても非常に重要です。KPIが明らかになっていれば、必要ないデータを取り込むこともないので、アクセス解析も効率的に行えます。その結果からKPIごとに「直帰率が目標値以上になったのは、ランディングページでの情報量が多すぎて目的のページが即座にわからないのではないか」といった仮説を立てることが可能なのです。この仮説から具体的な対策、すなわちアクションにつなげていくことがECサイト改善の基本的なステップとなります。

売上だけではなく経費もKPIに

売上をKGIにしているECサイトも多いでしょうが、売上が上がってもそれ以上に経費が膨らんでしまっては利益が減ってしまいます。そうした利益に着目すると、経費についてもKPI管理が効果的なことに気づくでしょう。

とりわけ流入数を上げるために広告や外部委託によるキャンペーンを行っているような場合には、獲得数によって支払う金額も上がるかもしれません。こうした変動費はKPI化して管理しておく方が、先の「経費増によって増収減益」といった逆転を防ぐためにも安心です。

人件費のような固定費はなかなか変わらず、かつ改善もそれほど容易ではありませんが、数値化して売上に占める割合を可視化するだけで問題が浮かび上がってくることもあります。たとえば、売上に対してサイト維持費用が高いと気づいた場合には、契約するITサービスプロバイダを変えたり契約を見直したりするアクションにつながることもあるのです。

ECサイトを大いに助けるKPI

ECは実店舗に比べてビジネスのサイクルが速いため、より即時性のある分析、施策改善を行う必要があります。アクセス解析の精度や使い勝手は進歩しており、そうしたデータをより適切に活用していくためにも、正しいKPI設定が重要だといえるでしょう。

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