歌舞伎を身近に!市川海老蔵が成功させたコンテンツマーケティング実例

コンテンツマーケティング

海外でも知名度の高い、日本を代表する言葉の1つ、「KABUKI」。だが、実際に歌舞伎を観たことがある、興味を持っているという日本人はどれくらいいるのだろう。

「伝統芸能と聞くだけで尻込み」
「高齢者が観るもの」

そういったイメージが強いのではないだろうか。

そんな歌舞伎界に、新たな風を送り込むべく立ち上がったのが、歌舞伎役者の市川海老蔵。自らをブランド化したコンテンツマーケティングという、業界では異例のプロモーションを始めた。ブログや、ソーシャルネットワークを駆使し、歌舞伎への興味を新規顧客獲得へとつなげていく、その手腕を見てみよう。

私生活の匂いがしない梨園、というイメージをくつがえす「市川海老蔵ブログ」

どことなく遠い世界。そういった梨園(歌舞伎界)のイメージを、「自分も普通の人です」というアピールで払拭。私生活や、子育て、道端で出会った猫など、ごく普通のテーマで書き上げるのが、彼のブログだ。驚くことに、8000以上あるエントリーのうち、「歌舞伎」そのものがテーマのものはたったの1つである。

「そんな普通のブログには興味がない」という意見が多いかと思いきや、登録読者数はなんと、2万人超え。更新も、多いときは1日20回以上も行われているという。内容が、サッと楽しく読める親しみやすいものだからこそ、読者も楽しみにしているのだろう。

また、芸能人のブログというと、読者がコメントしても一方通行だろうなと思われがちだが、このブログでは、「お? ちゃんとコメントを本人が読んでくれているんだな」と、ファンからの好感度を上げる要所をつかんでいる。

例えば2014年2月22日に、粗大ごみとして出したソファーの記事を掲載。それに対する読者のコメントが、本気で怒っているわけではないが、圧倒的に、「もったいない」「まだ使える」「オークションに出すべき」など否定的なものが多かった。すると、上記の記事掲載のなんと約50分後に、新たな記事を載せ、「反省しながら風呂につかっています」という、コメントへの返答が書かれていた。

こういったインタラクションは、ロイヤリティの向上といった意味でも、コンテンツマーケティングの成功には欠かせない要素ではないだろうか。

自分のブランドとしてのイメージを表す「いのちの森」

こちらも、元のアイデアはブログの読者から寄せられたもの。環境問題に対し、ブログで「自分にできることは何か?」と問いかけたところ、それに対して読者から数々のコメントが寄せられた。その中で、「これだ」と感じたのが「森作り」だった。

ブログやソーシャルメディアで盛んな呼びかけを行い、ABMORIプロジェクトを結成。長野県山ノ内町・志賀高原に、ファンや参加希望者と一緒に1万本の木を植える大がかりなプロジェクトがスタートした。

日本の美しさを後世に伝えたい。その思いは、歌舞伎という伝統芸能の道を選んだことにも共通しており、「市川海老蔵」という「ブランド」の根底となっているに違いない。

時代にあったマーケティング戦法に恐れを抱かない

「歌舞伎役者×ブログ」というだけでも斬新なマーケティング戦法だが、コンテンツマーケティングに欠かせないソーシャルネットワークもきちんと取り入れられている。

調べてみると、市川海老蔵はFacebookやTwitter、さらにはアプリの開発にまで取り組んでいる。SNS上では、ブログとは違い、公演やプロジェクトの様子、およびその結果の報告など、ビジネスのプロモーション的な内容を発信。世界中にいる歌舞伎ファンのために、英語での投稿も行い、英語の字幕つきでの歌舞伎動画をYouTubeに投稿することなども試みている。

古き良き文化を継承していくことの大切さと大変さ。それをきちんと理解しているからこそ、こういった新しい文化やマーケティングをうまく取り込んでいけるのだろう。

自分を見失わなければ、コンテンツマーケティングは成功する

いかがだっただろうか?

「歌舞伎役者」という誰もが知る顔を、あえて脱ぎ捨ててみる。そうした思い切りの良さがあったからこそ、市川海老蔵のコンテンツマーケティングはここまで成功しているのではないだろうか?

自分にとって大切なものは何か。自分とは何か。そのブランドとしての基本さえ揺るがなければ、従来のマーケティングやしきたりにとらわれる必要はない。新しいことにどんどん目を向けること、挑戦することで、新たなロイヤリティの取得、そしてブランドとしてのさらなる成長が可能となる。

今回ご紹介した数々の活動は、それを実証するコンテンツマーケティングの実例と呼んで間違いはないだろう。

参考記事: ABKAI 市川海老蔵ブログ 歌舞伎へ行こう!