モノのインターネット(Internet of Things)とは?どう生活が変わるのか?

デジタルマーケティング

近年、注目を集めている「モノのインターネット(Internet of Things、略称IoT)」。

情報をつなぐ従来の役割から、あらゆるモノをつなげる役割へと、インターネットは進化している。

この新しいテクノロジーによって、私たちのこれからの生活はどうなるのだろう?

モノのインターネット(Internet of Things)によって生み出される価値とは?

「Internet of Things(IoT)」という言葉は、1999年にケビン・アシュトン(Kevin Ashton)が初めて使った用語である。

「IoT」とは、パソコンやサーバなどのIT関連機器に加えて、これら以外のモノ(things)がインターネットにつながることを指す。

米調査会社のガートナーによれば、2009年時点でインターネットにつながっていたモノの数は約25億個。多くはPCやスマートフォン、タブレット端末といったコンピューターだ。これが、2020年には300億個以上にふくれ上がると言われている。

つまり、これからは計測器やセンサー、家電などがインターネットにつながる。それだけでなく、薬品や食品など、今まではネットワークに直接つながるとは考えられなかったモノも、ICタグの活用により、ネットワークで識別できるようになる。

モノとインターネットの融合が進むと、そこから生活に密着した膨大なデータが生成され、このビッグデータを活用することで、生産性の向上や新しい製品、サービスが生みだされる。

モノ同士が連絡を取りあって、お知らせしてくれる?

つまり「IoT」とは、あらゆるモノ(現時点では、家電製品・車・スマホなど)がインターネットに接続されて情報をやり取りすることで、新しい価値が生まれるということだ。

例えば、米ラスベガスで1月に開催された家電見本市「国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(International Consumer Electronics Show、略称CES)」では、「インターネット接続型歯ブラシ」が公開された。フランスのKolibree社の商品で、電動歯ブラシからブラッシングの情報がスマホに送られ、磨き残しや磨き癖を管理できる。

また、同見本市では、「マザー」と呼ばれるワイヤレス接続機能を持つ電子機器が発表された。この電子機器が、家庭にあるあらゆるモノを「スマート」に変化させるという。例えば、玄関前での不審な行動の感知や植物の水やりの管理、さらには薬を飲み忘れたり、歯磨きを忘れたりしないよう、家族みんなに教えてくれるといった感じだ。

デジタルマーケティングはIoTでどのように変化する?

現時点では、「モノのインターネット」はテクノロジーそのものに注目が集まっている。では、マーケティングにこの「モノのインターネット」はどんな影響を与えるのだろう?

そのヒントが、「Leading Question: How Will the Internet of Things Change Digital Marketing as We Know It(モノのインターネットはデジタルマーケティングをどう変化させるか)」という記事にある。

この記事では、業界に精通したデジタルマーケティング担当者に、「IoT」がもたらすであろうデジタルマーケティングの変化と重要性についてインタビューしている。一部、抜粋してご紹介しよう。

米フルーイド(Flui)社のエイミー・ラニガン(Amy Lanigan)氏によれば、モノのインターネットにおけるマーケティングで重要な点は、

1)シームレスであること
2)摩擦や矛盾がないこと
3)明らかに価値があること

と述べている。

つまり、インターネットでつながることで、企業側は詳細な顧客情報を得ることが可能になる。

それらの情報を活用して、消費者が「欲しい」と思った情報や商品を、適切なタイミングで適切なメッセージとともに送ることが重要だとしている。

重要なのは技術ではなく消費者にとって価値のあること

また、米JWT社のアン・マック(Ann Mack)氏によれば、「テクノロジーがスマートなだけでは、消費者にとっては意味がない。生活が便利になり、利用が簡単で、費用対効果が高く、しかも楽しいという、今までの商品・サービスにない価値があってこそ、新しいテクノロジーを活用する意味がある」と述べている。

顧客情報を基に、自社のブランドがいかに消費者にとって価値あるものかを伝え、パーソナライズされたブランドエクスペリエンスを提供する。

それが「IoT」時代には、ますます重要視されるようになるだろう。

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