マーケティングに必要な「内なる変革」とは?企業内マネジメント戦略を考える

デジタルマーケティング

もうすでに昔のことのように感じられるが、2008年のアメリカ大統領選でバラク・オバマは「チェンジ(変化)」というキータームを駆使し、選挙戦を勝ち抜いたのを覚えているだろうか。その後流行語となった「チェンジ」は、旧態依然とする日本社会や企業風土を刷新しようとする人々の合言葉となった。

確かに良い言葉だ。日進月歩のマーケティング業界では、「変化しないこと」は現状維持どころか後退を表す。しかし、「チェンジ」と口に出すだけでは何も変わらない。何を変えるのか?

次は、もっと昔に目を向け、哲学者デカルトの言葉を思い出してほしい。不穏な国際戦争の時代を生きた彼は、最も確かなものとして「エゴ=自己」を挙げ、「運命を変革しようとするよりも、自分を変革しなさい」と言った。

その本質は、「自分と世界、どちらを変えるべきか」という二択ではない。どちらの例も、片方を変えることでもう片方を変えよう、と言っているのだから。

マーケターは、しばしば世界に目を向けすぎて、「自分」、つまり「企業内」のことを忘れていないだろうか。

今回は、その企業内における戦略構築を考えてみたい。

「新しい」ことは根から吸い上げる

まず、インパクトのある数字をご覧にいれよう。

アメリカのコンサルティング会社が携わったコンテンツマーケティング案件のうち、実に90%において、施策に最も貢献したのは、決定権を持つ人物「ではなかった」という。

コンテンツマーケティングは、植物の根からアイデアを出し決定権のある管理職が吸い上げる、「ボトムアップ」と相性がよいことが、このことからわかるだろう。つまり、主役であり実質的な責任者は、マーケターの一人ひとりということになる。

企業の統合力は、タテとヨコのつながり!

マーケターのJoe Pulizziは、コンテンツマーケティングにおいて、企業内で統一したイメージを持って戦略構築に取り組むことが重要だという。そしてそのようなプロジェクトは、「必ず組織のあらゆる層を巻き込む必要がある」と指摘する。

先ほど見たように、コンテンツマーケティングにおいて鍵を握るのは現場のマーケター一人ひとりなのだ。彼らの意見が、まるで血液のように企業の体内に染み渡るシステムが構築されていなければ、それは「不健康」ということだろう。血液が詰まると、人も企業も新鮮な栄養を失って壊死してしまう。だからといって即、「組織の変革! チェンジ!」でよいのだろうか?

組織変革が陥る罠と、その対策とは?

そう考えるのは少し待ってほしい。組織にはそれぞれ長い時間をかけて作られた文化があり、変化はそう簡単ではない。

例えば、アメリカの大学ではビジネスマンが学長となって学校経営を行うという、「異文化交流」のケースが多いのだが、シンシナティ大学の学長を務めたBennis博士は、「長い時間をかけて組織の文化を理解しなければ、文化の変革は成功しない」と言い、この理解を「背景的知性(Contextual Intelligence)」と呼んでいる。

ビジネスの世界と象牙の塔、異なる2つの世界を渡ったプロの発言からも、変化が一朝一夕で済まないことがわかるだろう。自社の文化を、そしてその背景を理解することが重要なのだ。

チェンジは、まず己を知るところから

急激な変革は必ず組織に弊害をもたらす。

コンテンツマーケティングは、ストーリー性を持って消費者との長期にわたる信頼関係を築くことが重要なのだから、まずは、組織が長期的に活性化する戦略を取ることが最重要である。

アイデアだけを振り回すのではなく、むしろ、マーケターはまず所属する組織の風土をマーケターの視点で「観察」し、その背景を探る知性を養う必要がある。ゆっくりと常に、まず自分たちから。これが、一流のマーケターたちの「チェンジ」ではないだろうか。

参考元: 3 Strategies for Changing Your Company Culture To Support Content Marketing 6 Steps to Managing Internal Change for Content Marketing Getting internal buy-in for a content marketing strategy – part 1

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