クレイジーじゃなければ起業家にはなれない

経営・ビジネスハック
Only insane people are entrepreneurs.
クレイジーじゃなければ起業家にはなれない。
カナダ最大の全国紙「ザ・グローブ・アンド・メイル」に、起業家になるための必要条件について語ったインタビューが掲載されている。以下、当該記事の一部を紹介する。
ペネロペ・トランク氏は、世界で最も影響力のあるキャリア・カウンセラーと言えるだろう。世界の主要各紙に配信されるコラムやブログ、および、書籍を通じ、トランク氏は世界の若手エグゼクティブたちを刺激し続けている。ニュー・エコノミーでの成功を望む若い世代にとって、彼女の著作はもはや必読の書だ。
そんなトランク氏は、起業の良い面と悪い面を身をもって知りつくしている。何故なら彼女自身、かつてベンチャーキャピタル(以下、VC)の投資を得て三度起業した経験を持つからだ。 ウェブサイト『インカム・ダイアリー』による“女性IT起業家トップ30”にも選ばれている。トランク氏に、起業家を考えている人々へのアドバイスを求めた。
Q: 起業するか、企業に入社して働くか。迷っている人に対してアドバイスをお願いします。
A: 毎日、「守られている」という安心感の下で働く日々と、苦労の連続ではあるものの一大飛躍を望める日々。そのどちらを選ぶかです。もちろん、企業の一員として働くほうがずっと楽に決まっていますよ。大きなプラス成長もない代わりに、大きなマイナス局面もない。平穏そのものの毎日ですからね。でも、平穏って悪いことではないでしょう?
Q: 起業に対して否定的でいらっしゃるように聞こえますが、ご自身は三度起業されていますよね。起業する方が合っている人もいるのでは?
A: 企業の一員として働く適性が、全くない人。ずばり、それが起業家の素質を持った人です。新しいアイディアがどんどん湧いてきてしまう人も起業家向きですね。
Q: では、そんなあなたの忠告にも関わらず起業を決意した人に向けて、アドバイスをお願いします。
A: 私は大学院で文芸創作を専攻しましたが、最初の授業で、教授にこんなことを言われました。「他の仕事をする能力がある人は、この教室を出てそちらを選ぶべきだ。執筆業は、金にならない上にリスクは高く、批評家の目も厳しい、まさに最悪の職業だからね」と。起業にも同様のことが言えると思います。養うべき家族のいる身でアイディア一つに賭け、全ての貯金と時間を投資するなんて、正気の沙汰ではありません。まともな人には出来ないことです。
Q: 起業家とは、頭がおかしい人たちだということですか?
A: VCがどのような起業家を求めているか、ということについて、「ハーバード・ビジネス・レビュー」に優れた記事が載っていました。彼らは、どこか正気ではない、狂人と紙一重のような人を探すそうです。
Q: 起業の道なんて選ぶべきではないと?
A: 起業家とは、選んでなるものではなく、選ばれてなるものなのです。もちろん、VCから資金提供を受ける起業家と、一般的な個人事業主は区別する必要があります。個人事業主として副業的にお金を稼ぐのは、誰にでも出来ることです。自分の得意分野で数件の顧客をつかむのは難しいことではありませんからね。会社の信用力に頼らず、また、上司からの指示も受けずにお金を稼ぐ人たちが個人事業主ですね。
Q: あなたが興した三つの会社は、いずれもVCが出資しています。エンジェルやVCに投資してもらうには、どうしたらよいのでしょうか?
A: VCから出資を受けた会社の経営は、本当に大変です。リスクは非常に非常に高い。なぜなら、業績自体には一切関心をもたず、エグジット戦略のみを知りたがる人たちのことを常に気にしなければならないのですから。世の中の役に立つビジネスを興しつつ、家族を養うに十分な収入を得る。それは本来、エグジットと無関係なことのはずですが、VCが入るとそうはいかない。一定期間内に投資家のROIを確定させるため、急成長が求められるのです。
Q: となると、VCからの投資は避けるべきですか?
A: 起業に何を求めるかに拠りますね。会社を急速に成長、拡大させたいか、それとも、息の長い経営をしていきたいか。一日15時間働きたいか、働きたくないか。Fortune誌の表紙を飾りたいのか、それよりも我が子のソフトボールの試合を観に行きたいのか。20歳の起業家なら誰もがVCと組みたいと言うでしょうね。45歳なら逆でしょう。
まとめ
どうだろうか?参考になっただろうか?
極端な意見だけれど、僕はかなり的を得ていると思う。その理由はこうだ。
実は、人間の脳みそは、相当リスクに敏感に出来ているという事が分かってきている。行動ファイナンスの分野では、人間は、お金を損するかもしれないという事に対して非常に敏感に反応する。
お金を損する事による精神的な苦痛は、お金を得られる喜びの2倍だと言うのだ。
起業が成功するかどうかは、極めて不確実なのだから、普通の人は、起業に対して2の足を踏むのだ。
こういう研究成果からすると、起業をしたいと思っている人は、頭のネジが少し外れている(失礼!)と言えるかもしれない。
一方で、私の周りを見てみると、3.11の地震をきっかけに人生を見直し、起業に踏み切ったという人が少なからず居る。
僕は、そういう頭のネジの外れた人を応援したい、と思っている。
幸い、海外では、起業の成功確率を上げるノウハウが大分貯まってきている。
特に、米国はもともと雇用が流動化しており、起業を選ぶ人も多いため、様々なノウハウが集まっている。
今後、イノーバ・ブログでそのような起業のノウハウを紹介していくので、お楽しみに!
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