インスタだけじゃない、インフルエンサーマーケティングで活用したいYouTube

コンテンツマーケティング

影響力のある人物を通じてターゲット層により効果的にアプローチするインフルエンサーマーケティング。「インスタ映え」する写真を使ったインスタグラムでの事例がよく聞かれますが、多くの情報を数分で見てもらえるYouTubeの活用には大きなポテンシャルがあります。具体的なデータと事例からその中身を見ていきましょう。

インフルエンサーマーケティングにおけるYouTube

インフルエンサーマーケティングとは、特定の「インフルエンサー」に報酬を支払い、自社商品やブランドイメージをSNSなどで拡散してもらう手法です。消費者に直接アプローチするのではなく、消費者が自発的にフォローしている人物からの情報発信となるので、より購買喚起につながるとされています。

そうしたインフルエンサーマーケティングでインスタグラムとともに注目されているのがYouTubeです。どちらでも動画は投稿できますが、インスタグラムの場合は60秒までと制限があります(ストーリーの場合は15秒)。YouTubeはその点、かなり長い時間の動画でもアップロードできるため、動画によるマーケティングを考えている企業にはYouTubeが推奨されるでしょう。

動画を使ったマーケティングのメリット

そもそも動画をマーケティングに活用することにはどんな効果があるのでしょうか?

サイバーエージェントによる2016年の統計を参照すると、動画広告市場は2017年の1,374億円から5年で2倍以上の伸びを見せると予測されています。これまでにもスマートフォンの普及や動画の配信・再生のプラットフォームが整備されてきたことで伸びていましたが、市場規模が大きくなった現在ではより多くの企業が積極的に動画マーケティングに参入しているのです。

また、HubSpotによる統計(こちらも2016年のもの)によれば、人々がもっとも注意を払って見るコンテンツとしてはSNSへの投稿やニュース記事をおさえて動画が1位となっています。

そもそも動画は止まっている写真や文字だけと違って直感的に「目を引く」コンテンツであり、視覚と聴覚を使うことで情報伝達効率も非常にいいのです。つまり、「注目されやすく」「情報が大量で複雑であっても理解されやすい」ため、動画はマーケティングツールとして優れているといえます。

YouTubeに関するデータとメリット

このように注目を集める動画ですが、プラットフォームとしてはやはりYouTubeが好まれています。同社自身の発表によれば、全世界でのアクティブユーザ数は10億人以上で、全インターネット人口の約3分の1。毎月の合計再生時間も60億時間以上というので、地球上のすべての人が毎月1時間以上視聴しているという計算になります。もはやインターネットにおける必須インフラの1つといってもいいでしょう。日本だけの統計は発表されていませんが、2013年のデータではPCでのアクティブユーザ数が4,079万、毎月の平均視聴時間は138分/人となっています。調査自体が5年前とやや古いため、現在ではもっと増えているであろうと推定されます。

このように動画プラットフォームとして圧倒的なシェアをもつYouTubeですが、インフルエンサーマーケティングとして重要なことはYouTubeがすでに単なる動画サイトの枠を超えてSNSと同様のプラットフォームになっていることです。コメントやいいね!だけではなく、ネガティブな評価も伝えることができ、さらにURLをチャットアプリや他のSNSで拡散することも容易です。

こうした要素に加えて企業として着目したいのが、コスト。動画での宣伝というと従来からテレビCMがありました。しかし、内容や枠にもよるもののテレビCMの制作には莫大な費用がかかり、特に中小企業にとってはマーケティングツールとして現実的ではありませんでした。その点、YouTubeへの動画投稿は無料から始められ、さらにターゲットをより絞り込んだりURLから自社サイトへの誘導を行ったりできるので、検討に値するツールとなるでしょう。

YouTuberとのタイアップによる効果

YouTubeでのインフルエンサーマーケティングといえば、徐々に認知も広まってきているのがYouTuberとのタイアップ効果です。世代によっては実感がないかもしれませんが、若年層を中心に「テレビよりもYouTubeをよく視聴する」世代が増えている現在、トップのYouTuberのフォロワー数は100万人を超える場合もあります。つまり、マスメディアに露出しているいわゆる芸能人と比較しても遜色ないほどの影響力があるといえるでしょう。こうしたYouTuberとタイアップすることのメリットを、YouTuberマネジメントを手がけるUUUM株式会社が調査しています。同社が複数のタイアップ動画に関して13〜39歳を対象に行ったアンケートによれば、購買意欲は最大で49%、商材の認知度は65%も向上したことがわかりました。

事例① 日本コカ・コーラ

こうしたタイアップ動画の成功事例としては、日本コカ・コーラによるものが知られています。同社は自動販売機検索アプリの「Coke ON」の認知を拡大するため、複数の人気YouTuberとタイアップ。さまざまな動画が企画され、投稿されました。その結果、もっとも再生回数の多かった動画で186万回もの再生数を記録。コメント欄では知らなかった機能を発見したことや、アプリに対応している自動販売機の多さに驚くコメントがたくさん寄せられました。

事例② minimo

同じくアプリの認知拡大のためにYouTuberとタイアップしたのが美容院やネイルサロンのスタッフとユーザをマッチングする「minimo」。このアプリがユニークなのは、正スタイリストではない見習いのスタッフとのマッチングを実現しているところで、ユーザにとってはモデルとして通常よりも安い価格でスタイリングしてもらうことが可能です。このアプリとタイアップを行なった「まいめんちゃんねる」の出演者の1人は、「ユーザが実際に利用した時にメリットを感じるであろう部分を意識して動画を撮影、編集を行った」とコメントしています。インフルエンサー自身がサービスを体験することで感じた「感想」が投稿のベースになっているため、従来型のテレビCMよりもターゲット層にとって「より信頼できる」背景のわかるコメントだといえるでしょう。

事例③ LG

もう1つご紹介したいのは、海外の事例です。韓国の総合電機メーカーLGは、エクストリームスポーツの動画で人気のあるYouTubeコンテンツクリエイターのDevin Super Trampと手を組んだ動画マーケティングを行いました。同社は2016年にHDテレビおよびPCモニターのアメリカでのシェアを拡大することによって売上高を3倍にするという目標を掲げており、このキャンペーンもその一環として行われました。名付けて「Seriously Professional」。内容としてはpogoと呼ばれるホッピングの難易度の高いアクションを鮮明な映像でビデオにするというもの。結果としてこの動画は160万回以上再生され、LGのアメリカでのブランド認知を大きく向上させることに貢献したのです。

失敗事例から学んでYouTubeをうまく活用

このようなインフルエンサーとしてYouTuberとのタイアップには、専門の企業に依頼することが近道です。先にも挙げたUUUMやGENESIS ONEなど、多くのYouTuberが所属している事務所や、マーケティングを行いたい企業とYouTuberとをつなぐマッチングサービスを提供している企業もあります。本記事の最後に、そうしたマッチングサービスを行う企業の1つ、THECOOの執行役員の中山氏の講演から、実施にあたっての注意点を紹介しておきましょう。

同氏によれば、成功例の共通項を探すのは難しいものの、失敗例にはいくつかの共通項があるとのことです。まず、「タイトルにブランド・商品名などを入れる」ことで、宣伝と認識されてユーザから敬遠されてしまうこと。また、インフルエンサーとしてのYouTuberがPRしたいものや企業自体とうまくマッチングしていないケース。人気があるというだけでインフルエンサーを選定してしまうと、どうしてもユーザがリアルに感じられないような投稿になってしまったり、紹介のポイントに違和感を持たれたりすることがあるようです。同じようにフォロワー(チャンネル登録者)数だけで選定してしまうようなケースでも、最近は再生回数が減っている(訪問者が減っている)こともあるので注意が必要なのです。

こうした点に十分留意しながら、ぜひユーザがリアルを感じて次の行動につながるようなインフルエンサーマーケティングをYouTubeで行なっていきたいものですね。

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