レディ・ガガから学ぶ「成功するインフルエンサー・マーケティング」3×3のポイント!

コンテンツマーケティング

口コミを積極的に誘発し、消費活動を活発にするということで、インフルエンサー・マーケティングを積極的に活用する企業が多い。そのような企業のほとんどが、ブログ、Facebook、Twitterなどのソーシャルメディアを使い、口コミの拡大・増幅をしようと、ネット上のインフルエンサーを使って情報発信をしている。

インフルエンサーの多くは、業界に影響力を持つと思われるブロガーや、多くのフォロワーを持つアフィリエイター、スポーツ選手、芸能人などだ。

しかし、ブロガー、アフィリエイター、芸能人を使って、ネット上で情報を拡散することに対し、多くの消費者が「下心を感じる」「利益誘導がミエミエ」などと、反発する声が出てきた。

特に、「有名人や芸能人に依頼してブログやTwitterで商品をつぶやいてもらえば、絶対に大きな反響があるはず」という単純な考えで、インフルエンサー・マーケティングに安易に手をつける企業が一時期増えた。そのせいで、「インフルエンサー・マーケティング=有名人にSNSで商品を紹介してもらう手法」という認識が、一部で生まれてしまった。

本来のインフルエンサー・マーケティングは、単純な商品の訴求ではなく、商品が生み出す世界観までを提示し、その世界観のファンをつくることである。

それをしっかりと行い、世界中にその世界観のファンをつくったインフルエンサー・マーケターがいる。

レディ・ガガ(Lady Gaga)だ。

彼女が行った、成功するインフルエンサー・マーケティングのための「3つの戦略」と「3つのサプライズ」を紹介したい。さらに、そこから明日からできるインフルエンサー・マーケティングの具体的な方法を学んでいく。

レディ・ガガが行う「インフルエンサーをつくる」3つのマーケティング戦略

ソーシャルメディアを活用し、インフルエンサー・マーケティングを成功させた世界一の成功事例と称されるレディ・ガガは、Facebookページの「いいね!」は6700万件を超え、Twitterでは4100万人以上のフォロワーを持っている(2014年7月現在)。

もちろん、最初からこのような驚くべき「いいね!」数、フォロワー数を誇っていたわけではない。積極的なインフルエンサー・マーケティングの結果だ。そして、結果としてついてきたこのフォロワーたちが、また新しいフォロワーを呼びこむ「口コミ」の元になっている。

戦略その1:「魔法を消さない」

ガガは、決して私生活を公表しない。他のアーティストやミュージシャンが、オフショットとしてラフな私生活の姿を見せているのに対し、ガガのオフショットはほとんど公にされていない。彼女の生活のすべては、「レディ・ガガ」としてのイメージを作り上げる魔法のために費やされているのである。

あなたが学べること1:「魔法をかけ続ける」

あなたの会社は、顧客に魔法をかけ続けているだろうか? 「この製品やサービスを利用すれば、問題点は解決する、利益になる」という魔法をかけ続けなければいけない。その魔法を作り出すために最良の方法は、SNSで日々新しいコンテンツを更新、発信し続けることだ。魔法にかかった顧客は、自らがインフルエンサーになっていくだろう。

戦略その2:「タイミングがすべて」

ガガの毎日は、大げさに言えば、すべてマーケティングのためにある。多くのアーティストやミュージシャンが行っているような、アルバムの発売やツアーの直前だけのマーケティングではなく、レディ・ガガとしての毎日がマーケティングになっているのである。

その結果、どのタイミングでどの話題を公開すればいいのか、日数単位で決定される。レディ・ガガの話題は、綿密に練られたスケジュールで管理され、発信されていくのだ。

学べること2:「期間限定のサービスで飢餓感をつくる」

あなたの会社が持っている情報やサービス、製品は、適切なタイミングで発信されているだろうか? 例えば、インターネットで開催するセミナーの「ウェビナー」。いつでも受けられるという状態にするのではなく、まず期待を盛り上げ、適切な時期に一気に公開する。

さらに、期間を限定することで、顧客の飢餓感を煽る(あおる)ことができる。飢餓感は期待に変わり、その期待から口コミが生まれていくだろう。

戦略その3:「フォロワーへの感謝と謙遜の気持ち」

ガガはスーパースターになった後も、謙虚さと他者を思いやる行動を忘れない。記憶に新しいのは、東日本大震災の直後に来日したレディ・ガガだ。自ら被災地に足を運び、世界のメディアに向けて状況を発信した。この行動が、さらに熱狂的なガガのコミュニティをつくる要因のひとつとなった。

学べること3:「サービスを与え続ける」

あなたの会社は、顧客に、何か「特別なもの」を提供し続けているだろうか? 例えば、無料版の提供や無料アップグレードなどの特典。あるいは、サイトやSNSを訪れる人に向けての「得になる情報」。

「こんなに無料でサービスしてもらえるの?」と、驚くほどの何かをユーザーに提供し続けることで、必ずファンが増えていく。そしてそのファンが、自らインフルエンサーになっていくのだ。

1000人のファンから10人のインフルエンサーをつくる3つのサプライズ

レディ・ガガが、インフルエンサー・マーケターとして優れているのは、自らが世界に影響を与えるインフルエンサーでありながら、彼女のファンをインフルエンサーにする仕掛けをつくっているところにある。

その仕掛けは、この一言で表現できる。

「1%の熱狂的なファン(ワンパーセンター)とのエンゲージメントを築くこと」

ワンパーセンターが、ガガの忠実なインフルエンサーとなり、彼女の情報を拡散し続けるのだ。レディ・ガガは、ワンパーセンターをつくるために、次のような3つの方法を取っている。あなたがいますぐに実行できることばかりだ。

サプライズその1:「ワンパーセンターにアイデンティティを与える」

レディ・ガガは、自分のファッションやライフスタイルを真似するワンパーセンターに、「リトル・モンスター」という愛称をつけている。

リトル・モンスターと呼ばれたワンパーセンターは、自分が特別な存在だというアイデンティティを持つことになり、そのことを誇らしげに自ら積極的にSNSを通じて発信する。すると、自分もリトル・モンスターと呼ばれたいというファンが生まれ、やがて新しいリトル・モンスターに育っていく。

学べること1:「“会員”に代わる呼称やキャラクターをつくる」

多くの企業では、Web上で顧客(有料、無料問わず)を「会員」と呼び、IDを与えている。例えば、あなたの企業で「会員」に変わる呼び名をつけてみるのはどうだろう?

呼び名だけでなく、その呼び名に相応しい(ふさわしい)キャラクターも同時に展開してみる。そして、その名称とキャラクターを、自社のSNSを通じて発信していくのだ。

サプライズ2:「ワンパーセンターにシンボルを与える」

シンボルとは、それを知っている人だけに通じる「レディ・ガガの暗号」のようなものだ。例えば、モンスターの手をマネたジェスチャーや、ポニーテール姿の骸骨のイラストなど、ガガのワンパーセンター以外の人が見ると意味のわからないシンボルを、ガガは提供している。

彼女のファンは、自分もガガとの暗号を共有したいと願い、自らワンパーセンターへと進んでいく。

学べること2:「会員だけの特典と情報を発信する」

会員だけが受け取れる、特別な特典と情報を定期的に発信してみよう。会員になっていないユーザーが、あなたのサイトやSNSに訪れたとき、「話題についていけないけど、自分も話題についていきたい」と思える会員限定のサービスを考えてみるのも面白いかもしれない。

サプライズ3:「ワンパーセンターをスターにする」

レディ・ガガは、常にワンパーセンターに向けてのサプライズを用意している。例えば、コンサートに一番乗りしたファン(ワンパーセンターでなくても)に対して、ガガから特別なプレゼントが贈られることもある。あるいは、コンサートの楽屋にモニターを置き、開演前の会場内をガガ自身がモニターでチェック。リトル・モンスターを見つけたら、係員を向かわせて楽屋に招くということも行っている。

このように、特定のワンパーセンターを、仲間内のスターにするサプライズを行うことで、「私もワンパーセンターの仲間入りをしたい!」と、多くのファンに思わせるのだ。

学べること3:「特別な会員をつくる」

ユーザーの中から特別な会員を作り、特別なサプライズを用意することで、選ばれたユーザーはあなたのインフルエンサーになり、選ばれなかったユーザーは自らインフルエンサーになりたいと願うようになるだろう。どんなサプライズが必要かは、個々の企業が提供するサービスによって変わるが、ひとつだけ注意しておきたいのは、「特別ではあるが手の届かない特別さではない」ものを用意することである。

例えば、「会員の中から限定で1名様に世界一周旅行券をプレゼント」のようなサービスは、瞬間的なユーザーは増えるかもしれないが、あなたの企業のファンになるまでには至らない。商品ではなく資格、もしくは開発中の製品にモニターなどの方が望ましいだろう。

あなた流のインフルエンサー・マーケティングは?

インフルエンサー・マーケティングを考える上で、従来どおりのオーソドックスな方法も大切だが、より成功した事例を見つけ、自社でできることを抽出しながらアレンジしていく方法論も試す価値がある。

今回は、「世界一のインフルエンサー・マーケター」と呼ばれているレディ・ガガの手法を紹介したが、その中身を見てみると、決して突飛な手法を取っていないことがわかるだろう。

オーソドックスな手法を、ガガ流のエンターテインメントで味つけすることで、「レディ・ガガのインフルエンサー・マーケティング」が出来上がったのである。

ぜひあなたも、「あなた流のインフルエンサー・マーケティング」を考えてみてほしい。ひょっとしたらそれが、新しい手法になるかもしれない。

参考記事:
A 5-Step Action Plan for Influencer Marketing & 9 Expert Tips to Get You Started
5 Lessons On Influencer Marketing And Brand Transparency
Marketing Lessons From Lady Gaga

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