トップ・グロースハッカーをお手本にしたい!ブランド認知度向上の7つのレッスン

コンテンツマーケティング

「ブランド認知度の向上」。これは、マーケターにとって非常に重要な課題であり、最も苦戦する課題ではないだろうか?

iMedia Connectionによれば、70%ものマーケターが、ブランディングにおいてコンテンツマーケティングが有効であると述べている。ソーシャルメディアが飛躍的に普及し、コンテンツマーケティングの重要性が増すなか、どのように他者のコンテンツと差異化していくのか。そして、それをブランド認知度の向上につなげていくのか。

本記事では、トップ・グロースハッカーをお手本に、ブランド認知向上のカギ7つを、「8 Tips on Building Brand Awareness From Top UK Growth Hackers」などの記事を参考に紹介したい。

なお、「グロースハッカー」とは、マーケティング課題をクリエイティブに解決し、製品やサービスの成長を実現する人々を指す。

2012年のアメリカの大統領選でも使用されたマーケティング手法であり、費用を抑えながら顧客のエンゲージメントを高めることなどで、注目を集めている。また、彼らが実際に成長を実現することは、「グロースハッキング」と呼ばれている。

レッスン1 出版社の視点を持つ

アメリカのInnocent社は、数多くのレシピ本を出版し、ブランド認知度を向上させた。この成功の裏には何があるのか。それは、彼らが自社製品の売り込み以外に目を向けていたことである。

彼らは出版において、「人々に健康的な生活を送ってもらいたい」という社会的責任を大切にしていた。つまり、自社製品の売り込みというマーケティング本来の課題を超え、新しい価値を提供していたのである。

さらに、Innocent社は、自社ブログというコンテンツを活用し、健康的な暮らしの指南を行っている。このように消費者への貢献活動が人々を魅了し、結果的にエンゲージメント率の高さにつながったのである。

この事例が示すように、マーケターは製品を売り込むという本来の使命に加え、出版社の視点、つまり「人々に新しい価値を提供する」という視点を持つことが有効だ。

Innocent社のブログ

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コンテンツを通じて何を発信するのかという点は、アメリカのグロースハッカー会議でも言及がされていた。

Greylock社のJoshElman氏は、グロースハッキング戦略を「目的」「インセプション」「アダプション」の3段階に分けたうえで、「インセプション」の重要性を説いている。インセプション、つまり、自社製品を認知してもらうこと、そしてそれがどのように役立つのかということの発信が、グロースハッキング戦略で最も重要であるというのだ。

レッスン2 適切なトーンで会話を

Innocent社コミュニティマネージャーのJoe McEwan氏は、「わが社の成功のカギは、「自然で、率直で、魅力のある語りかけ(Consistent tone of voice)にある」と述べている。

マーケターは、「人」と対話をしているということを忘れてはいけない。その対話の相手は、ロボットでも企業でもない、「人」なのである。

顧客を継続的に惹きつけるには、相手のゴールをしっかり把握し、それに合った人間味のある対話をする必要がある。

レッスン3 共有したいと思われるコンテンツを作る

ブランド認知度の向上において、コンテンツのシェアは非常に大切である。それは、ソーシャルメディアが飛躍的な普及を遂げている現在、一層重要性を増している。

では、自社のウェブページを閲覧した人や、自社をフォローしている人に、どのようにコンテンツをシェアしてもらうのか。この段階では、自社のネットワークに最適なコンテンツを組み込むこと、そして、それが魅力的であることが大切だ。

シェアしたいと思われるコンテンツか否かの判断は、極めて簡単に行うことができる。それは自問自答だ。

「自分がこのページを閲覧したら、友人に、同僚に、家族に共有したいと思うのか?」答えがノーであるならば、そのコンテンツについて考え直さなければならない。

レッスン4 見出しに工夫を

共有したいと思われるコンテンツへのエンゲージメントを高めるには、見出しの工夫が必要である。

「全てのコンテンツに対してそれぞれ、25個の見出しを考え、そのなかから気に入った4つを選ぶ。そして、最終編集者がさらに気に入った2つの見出しを試す」。

この手法は、Upworthy社のCEOであるEli Pariser氏により提唱されており、彼は「この見出しの違いが、1000人に読まれるか、100万人に読まれるかの違いを引き起こす」と述べている。

このように厳選された見出しは、消費者の注意を引き、コンテンツへのエンゲージメントへ繋がり、そして、ブランド認知度向上に貢献するのである。

レッスン5 既存のアイデアに頼らない

コンテンツマーケティングという手法が流行し、さまざまなところでコンテンツの進化が起こっている。そのなかで、自身のコンテンツが目立ち、ユーザーにシェアされるには、他のコンテンツと似通っているものではいけない。

マーケターは、自社のブランドの特徴を正確にとらえた風変わりなコンテンツを提供する必要がある。

さらにこの点において、ビジュアルコンテンツを採用することをおすすめする。なぜなら、脳へ伝達される情報のうち90%以上はビジュアル情報であり、そのような情報はテキスト情報よりもはるかに速いスピードで処理されるとされるからである。

実際に、Facebook上では、写真の投稿は一般的な文章の投稿に比べて53%と高い確率で「いいね!」を獲得し、104%もの高い確率でコメントを得ることができるのである(出典:Photos on Facebook Generate 53% More Likes Than the Average Post [NEW DATA]

レッスン6 スパム化しない

ソーシャルメディアのなかで、人々に自身のブランドメッセージを伝えることは非常に大切である。しかし、それは製品情報やキャンペーン情報を伝えるといった単純なものではあってはならない。

なぜなら消費者は、日々大量の単純化した情報を受け取っており、それはスパムと認識される可能性を含んでいるからだ。

結局、ブランドメッセージを伝える際には、「消費者との対話」が大切なのだ。自身のユーザーの声に耳を傾け、彼らの懸念事項や質問、そしてコメントに応えること。これこそが、単純化・機械化したメッセージ発信を回避するカギである。

Tagged社のCEOであるGreg Tseng氏がこの点に関し、興味深いことを述べている。「持続的に発展をする企業は、リアル・ユーザー・エンゲージメントに価値を置いている」。

つまり、一時的な数値の向上を目的とし、コンテンツを発信してはいけない。長期的な発展を実現したいのであれば、「対話」を大切にし、リアル・エンゲージメントを獲得する必要があるのだ。

レッスン7 ジャーナリストがコンテンツを作る

ジャーナリストの仕事は、いつも変わらない。それは、人に読まれる面白い記事を書くことだ。

質の良いジャーナリストは、自社についてだけでなく、業界全体に問いを投げかけ、挑戦をしていく。このプロセスこそが、将来人が読みたくなるコンテンツを作るのに大切なのである。

まとめ

いかがだっただろうか?

ソーシャルメディアの普及により、コンテンツマーケティングの重要度が高まってきている。同時に、コンテンツの差異化が非常に難しくなっている。

このような現状においては、マーケターが新たな視点を持つこと、コンテンツ作成において創意工夫を続けること、そしてコンテンツ発信の方法に配慮することが必要だ。

トップ・グロースハッカーをお手本に、より良いコンテンツの作成、そしてブランド認知度の向上につなげてほしい。

参考元:
6 Important lessons from this year’s Growth Hacker Conference
8 Tips on Building Brand Awareness From Top UK Growth Hackers
Photos on Facebook Generate 53% More Likes Than the Average Post [NEW DATA]

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