人類の集中力がついに金魚を下回る。情報過多時代の消費者行動とは?

デジタルマーケティング

現代人の「集中力は8秒しか続かず、これは金魚の9秒を下回る」。ちょっと耳を疑うようなこの事実は、カナダでマイクロソフトが実施した研究結果です。それによれば、私たちの「金魚以下の集中持続力」は、ネット社会の産物だといいます。膨大な量のデジタル情報が交錯する時代に生きる消費者は、注意力や関心をあらゆる方向に向けることが得意であり、その結果として集中力の持続力が金魚にも劣るほど低下したというのです。

実は、ここにはデジタルマーケティングを勝ち抜くために、マーケターが理解しなければならない消費者像が隠されているのです。

何もすることが無くなったらスマホに手を伸ばす

この研究によれば、2000年には人の集中力持続時間は12秒あったとか。しかし、この頃から、モーバイル・デバイスの爆発的普及がスタートし、社会は一気にデジタル化の波に飲まれていきます。そして、2013年には8秒しか集中力を持続できなくなったというわけです。

報告では、「デジタル化されたライフスタイルは、1つの物事への集中力を激減させた」とあります。一方で、「短時間の瞬発的集中力」や「マルチタスキング力」はむしろ著しく向上しています。そして、この傾向は、テクノロジーの受容度が高く、ソーシャルメディアのヘビーユーザーであるほど高いことも判明しています。

特に若い世代では、スマホでニュースや情報をチェックしたり、SNSを使用しながらテレビを視聴したりするというスタイルが当たり前となり、「何もすることがなくなったら、まず自分の携帯に手を伸ばす」(18-24歳の77%)という生活環境では、四六時中“情報”に取り囲まれています。そんななかで、どの情報が自分にとって役に立ち、面白いのか、またはシェアに値するのかを瞬時に判断していく高い「情報処理力」をデジタル時代の消費者は、見事に備えつけたと言えるでしょう。

つまり、現代人が集中できなくなったということではなく、情報へのアプローチの仕方がデジタル環境に適応するために変化してきたのです。

情報に"疲れはじめている"消費者

マーケターが見逃せないもうひとつの消費者動向は、彼らがつねに情報過多の状態に“疲れはじめている”ことです。今回の調査では、54%が「テクノロジーが時には生活の邪魔となる」と回答、「自分のデバイスをオフにする時間をつくることが大切」と答えた人も51%にのぼり、2人にひとり以上はデジタル情報から身を守りたいと感じていることがわかります。

さらに、約半数が「正しいタイミングで適切なコンテンツにはもっと注意を払う」(49%)、41%が「広告が個人的な興味や好みにテーラーメイドされているのは良い」と考えています。

つまり、企業が伝えたい情報をいくら演出しても、消費者の琴線に触れなければ、煙たがられる、こっちを向いてもらえない時代にきているのです。

「消費者目線」「コンテンツの質」がますます重要に

デジタル時代の進化に適応しようと、驚くほど急速に変化しているのが今の消費者です。この動きを傍観していると消費者との溝がますます深まるばかり。これまでのデジタルマーケティングは、企業が伝えたいことを書いた自社サイトへいかに多くの顧客を引き込むかに焦点があてられていましたが、これからは、何が求められており、何が受け入れられるのか消費者目線でのコンテンツづくりが急務となっているのです。


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