ホワイトペーパーはコンテンツマーケティングにこう活かす!

コンテンツマーケティング

「これからの時代、やっぱり動画コンテンツだよな」

そんな声があちこちから聞こえてきそうな、今日この頃。マーケターのみなさんも、動画などの活用を真剣に検討し始めているのではないだろうか。あるいは、すでに多くの企業で導入済みといったところだろう。

けれど、オーソドックスなタイプのコンテンツにもまだまだ「使える」ものがあるので、ときには見直してみてほしい。

その一つが「ホワイトペーパー」。ちょっと地味な響きがあるかもしれないが、いまだに現役選手として活躍できる力を持つ、頼りになる存在だ。

今回は、このホワイトペーパーのコンテンツマーケティングにおける活用法を、そのメリットとともに紹介したいと思う。

ホワイトペーパーとは

そもそも「ホワイトペーパー」とは何か? 一言で言うと「白書」のことである。多くの人が思い浮かべるであろう、政府機関が発行する年次報告書などもこれに含まれる(例:「平成○年版厚生労働白書」)。

だが、私企業のマーケティングにおけるホワイトペーパーは、それとは異なるものだ。例えば、自社製品の優位性をまとめたもの、顧客の悩みに対するソリューションを紹介するものなど、あるテーマに沿って編集された小冊子のようなコンテンツを指すことが多い。

通常、商品の良さを裏付けるデータや導入事例などが掲載され、見込み客や顧客に、商品・サービス購入時の判断材料としてもらうのに適している。

▼ホワイトペーパーの基本的な解説についてはこちらの記事から⇒【基本】顧客を引き込むホワイトペーパーの書き方6つのポイント

ホワイトペーパーを使うメリット

それでは、ホワイトペーパーをコンテンツマーケティングに活用することのメリットは何だろうか?

Content Marketing Instituteの「Why White Papers Still Matter: Their Role in Effective Content Marketing」という記事では、ホワイトペーパーには以下の内容を含められるということを、メリットとして挙げている。

1.売り込みではなく教育が目的の、しっかりした根拠に基づいたコンテンツ。
2.革新的な思考を促す、新しいアイデア。
3.問題となっている事柄に対する、タイムリーで適切な見解。
4.統計的に信頼できるデータ。十分なリサーチに基づいた所見。

つまり、実験データや調査結果などの見込み客にとって信用性の高い情報を掲載し、それらを基に自社のアイデアや見解をタイムリーに紹介できるのが利点というわけである。

通常、ブログ形式のコンテンツでは、多くの調査結果を一度に載せることは難しいが、ホワイトペーパーなら必要十分なデータを掲載できる。したがって、より説得力のあるメッセージを届けることが可能だ。

こんな風に活用しよう!

この、説得力が強みの「ホワイトペーパー」。コンテンツマーケティングにおいては、例えば、次のような目的に活用することができる。

1.エディトリアルカレンダーとして活用

顧客に配る前に、まずはコンテンツマーケティングのエディトリアルカレンダーとしてホワイトペーパーを利用してみるのも良いだろう。エディトリアルカレンダーとは「どのコンテンツを、いつ、誰が(ライター、編集者)が担当し、どのメディアに投稿するか(ブログ、メルマガ、etc.)」などを一覧にしたものである。コンテンツ制作のプランが一望できるものだ。

よくまとまったホワイトペーパーならば、各見出しを基に、コンテンツ制作の計画が立てられる。どのトピックが、どのターゲット向けで、どんな形式のコンテンツにすべきかなどといった、プラン作りのベースにすることができる。

そして、そのプランにしたがってコンテンツを制作し、発信していくときに、今度はこのホワイトペーパーを顧客に読んでもらうために、配布していくことになる。

では実際、どのようなときに、どう使えば良いか、次の「2.」~「5.」で見ていこう。

2.ブログのリードジェネレーションを補完

ブログだけではなかなか見込み客(リード)を増やすことができない……というとき、その突破口としてホワイトペーパーを活用してみてはいかかだろう?

現在、多くの企業がブログでリードジェネレーション(見込み客を獲得すること)をねらっている。だが、コンテンツマーケティングの一環として発信するブログ記事では、自社商品の宣伝色を強めないようにすることが多いので、見込み客を増やすのに時間がかかる。

その点、ホワイトペーパーならば、自社製品・サービスの良さを十分に(ときにダイレクトに)伝えられる。また、見込み客を教育し、彼らから信頼を得るのに最適のツールとなるので、ブログのリードジェネレーションを補完していくことが可能だ。

3.古いブログ記事に再注目してもらう

ブログにホワイトペーパーへのリンクを載せるのももちろん効果的だが、その逆のパターンも大いに試してみてほしい。

過去のブログ記事で、いまだにその価値が失われていないエバーグリーンなものがあれば、その記事へのリンクをホワイトペーパーに載せ、再度注目してもらおう。

「コンテンツのリサイクル」の一環として、過去の記事を効率的に再利用できるし、自社の良さを改めて見直してもらうきっかけともなり得る。

4.Facebookページの「いいね!」を増やす

「ソーシャルメディアマーケティングは今の時代に必須」と言われ、実際に始めてみたものの、Facebookページの「いいね!」が思ったように増えない……という悩みを抱えている企業も多いだろう。

そんなときにも、ホワイトペーパーの力を借りてみてはいかがだろう? もちろん、「いいね!」を増やすには、毎回の投稿に工夫を凝らしていくことが必要だが、やはり短い内容の投稿で一気にオーディエンスの信頼を獲得するのは難しい……という場合もある。

そのようなケースでは、まず見込み客が是が非でも読みたいと思える内容のホワイトペーパーを作成してみよう。そして、「いいね!」をしてくれたユーザーにそれを配布することで、ファンを増やしていく……という手法をとってみてはどうだろうか。

5.メールマガジン購読のサインアップ率を上げる

Facebookページのファンを増やすのと同じ方法で、メールマガジンの購読者を増やすこともできる。見込み客のメールアドレスと引き換えに、ホワイトペーパーを配るという手法だ。

すでに、自社が作成したeBookなどをメルマガのサインアップに利用している企業も多いだろう。ぜひ、過去に作成したホワイトペーパーも、再編集するなどして、同じように活用してみてほしい。

コンテンツのバックボーン(屋台骨)に

ホワイトペーパーについては、今回紹介したパターン以外にも、さまざまな活用法が考えられるだろう。

入念な調査や丹念な実験をベースにしたホワイトペーパーは、非常に信頼性が高く、コンテンツ戦略の、あるいは一つひとつのコンテンツのバックボーンとなる。

現在あまり力を入れていない……という企業では、ぜひ、この長所を活かす方法を考えてみてほしい。

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