一方通行からインタラクティブへ!世界一の化粧品ブランド「ロレアル」が取り組むコンテンツマーケティング2例

コンテンツマーケティング

「美容」はいつの時代においてもどの年代の女性にとっても、非常に関心の高いトピックの1つである。「いつまでも美しく若く魅力的でありたい」、そう願う人は多いはずだ。

世界No.1の売上高を誇る化粧品・美容用品ブランド「ロレアル」は、そういった人々を絶えず応援し続けている。そして、同社のマーケティング戦略もまた、時代の変化に沿って進化し続けている。

では、同社は一体どのようなマーケティングを展開しているのだろう。ここでは、同社のマーケティング手法の方向転換とその具体的な表れとして、ユーザーに大人気のメディア構築と画期的なアプリ開発の2例を紹介する。

一方通行からパーソナルでインタラクティブなコミュニケーションへ

今までの「ロレアル」は、他の化粧品ブランド同様、大衆に向けて一方通行的な広告を制作してきた。それは、新商品の告知・商品概要など、一般的な情報を提供するだけの「ありきたり」なものであった。

しかし現在、同社が焦点を置いているのは、商品を目にした消費者の購入に至るまでの「気持ち」である。まず消費者はテレビや雑誌、インターネットで、ロレアルの商品やサービスを知る。その後、特定の商品やモデル・化粧品全般に対して軽い疑問が浮かぶ。

同社はコンテンツマーケティングを利用し、そういった疑問に丁寧に答えるといった方法をとっている。

こうして、以前のマーケティング手法を見直し、よりインタラクティブによりパーソナルへと方向転換中なのである。

Makeup.com(メークアップ・ドットコム)

美しいモデルの化粧品広告を見て最初に思うのは、「このメイク、一体どうやってするの?」「どの商品を使っているの?」ということではないだろうか。そういった情報を入手できる場が、Makeup.comである。

ここでは、美容に関して役立つ情報が満載だ。メイクのアドバイスや商品の解説、ハウツービデオ、最新の美容ニュースなど、痒い所に手が届くコンテンツで埋めつくされている。そして何と、同社が良いと思う商品は、それがたとえ競合他社の商品でも推奨している。

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出典:Makeup.com

Makeup Genius(メークアップ・ジーニアス)

メイク用品を購入する前に、「お店に行かなくても、気軽にネット上で、自分の写真を使って“試し塗り”できないものか?」と思ったことのある人は大勢いるはずだ。

このような顧客の要望に応えるべく、ロレアルは、スマートフォンのフロントカメラ機能を駆使したアプリ、「Makeup Genius」を開発した。

「Makeup Genius」はスマートフォンカメラを「鏡」として活用し、ファンデーション、口紅、アイシャドウ、チークやマスカラといった同社のメイク用品をバーチャルに試すことができる革新的なアプリである。

さらにスゴイところは、商品の色合いが今までのどのメイクアップ・アプリよりも「リアル」であること。そして、メイクを試した後に顔を左右に動かしても、画面のメイクは施されたままの状態を保っているところである。

商品を買うか買わないかは別として、リアルタイムで自分の好きなアイテムを試したり普段しないメイクを施したりして、気軽に楽しむことが可能だ。

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出典:Makeup Genius

まとめ

顧客の立場に立って、彼女たちが「今」何を求めているのかを知ることで、常に充実したコンテンツ作成がきることを「ロレアル」は証明している。

もし、あなたの会社がコンテンツ作成に苦戦しているなら、まず顧客の目線で自社の商品を「観察」してみてはいかがだろうか。出し惜しみせず商品に関連した全ての役立つ情報を洗いざらい提供することで、顧客との距離をグッと縮めることができ、信頼関係も築けるはずだ。

顧客の評価がブランドの価値を高めてくれることを、常に念頭において、有益なコンテンツ作成に取り組んでいただきたい。

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