ここまでやるか!というぐらい徹底したコンテンツマーケティング海外事例:コーヒーブランド「Has Bean Coffee」

コンテンツマーケティング
「Has Bean Coffee」はイギリス、スタッフォード発のコーヒーブランド。現在完了形「has been」とコーヒー豆の「bean」をかけたブランド名が、洒落ていて印象的だ。
このブランドを立ち上げたのは、コーヒーをこよなく愛するStephen Leighton氏。「Has Bean Coffee」の成功は、コーヒーに対する彼の半端ない愛情がもたらしたと言ってもいい。
Leighton氏はコーヒーに関するコンテンツを、これでもか! というぐらい提供し、コーヒー界の権威として知られていったのだ。そのバラエティに富んだコンテンツの数々をご紹介するので、ぜひ参考にしていただきたい。
目次
創業ストーリーをコンテンツにする
コンテンツの1つ、「How Has Bean Began」には「Has Bean Coffee」の歴史、Leighton氏のストーリーが描かれている。
Leighton氏は7~8歳の頃から、クリスマスにコーヒーメーカーをねだるほどのコーヒー好きだった。当時、フィルターコーヒーを飲んでいたのは、家族の中で彼だけだったらしい。
Leighton氏はガソリンスタンドで働きながら、自宅のガレージでコーヒーショップをオープンする。コーヒーを愛する人々が、彼のコーヒーを話題にするようになれば成功できる、と彼は信じていた。
実はこのコンテンツ、3600ワード以上あるけっこう長い記事だ。筆者は初め、拾い読みをしようと思っていたが、気づいたらストーリーに引き込まれていて、全文読んでしまった。そのストーリーでは、ビジネスがなかなか軌道に乗らず、けっこうハラハラもするのだ。
ここまで惹きつけられた理由は、ストーリーがリアルで、Leighton氏のコーヒーに対する愛情が本物だからだろう。嘘や誇大のないコンテンツは、やはり強力だ。
動画シリーズ「In My Mug」
「In My Mug」は、毎週更新されているYouTubeの動画シリーズ。現時点(2014年8月)で、約300本が投稿されている。
この動画シリーズでは、毎回1種類のコーヒーが取り上げられている。Leighton氏がそのコーヒーを飲みながら産地を地図で説明し、淹(い)れ方や味のポイントを伝える、というものだ。
見込み客にとっては購入の検討に役立つ情報、顧客にとってはLeighton氏と共にコーヒーを味わえるという楽しみがあるだろう。
また、CEO自らが商品の魅力を伝えているので、説得力もある。フレンドリーでユーモア溢れるLeighton氏のお話を聴いていると、コーヒーへの愛がひしひしと感じられるだろう。
In My Mug Episode 299
公式サイトのリソースページもコンテンツの宝庫
「Has Bean Coffee」公式サイトのリソースページも、コンテンツの宝庫だ。前述のストーリーをはじめとする記事の他にも、以下のようなものがある。
- コーヒーの淹れ方ガイド
- コーヒーの炒り方ガイド
- コーヒー豆の保存方法
- コーヒー豆の製造工程の動画
- エスプレッソを学べる無料eBook
ここまでの情報が揃っていれば、コーヒー初心者でも気軽に挑戦できるだろう。また、どれも古くなっても色あせず、いつまでも役立つエバーグリーンなコンテンツであることにも注目したい。
安心感を高めるコンテンツ
「Has Bean Coffee」のブログ「Has Blog」では、Leighton氏がコーヒー産地を訪れた旅について綴られている。リソースページにある製造工程の動画もそうだが、こういったコンテンツは、商品への安心感を高めるのに役立つことは間違いない。
「Coffee 101」は、10日間の無料メール講座だ。名前とメールアドレスを登録するだけで、コーヒーの歴史や淹れ方、美味しさの秘密などを学ぶことができる。
極めつけは商品ページ!
筆者が一番感心したのは、商品ページでさえコンテンツで溢れていることだ。
もちろん商品ページなので、値段や「Add To Basket」などが目立つように表示されている。しかし、そのすぐ下には、コーヒー豆の詳細・産地や地図・淹れ方メモ・動画などが簡単に見られるようになっている。
ここまで至れり尽くせりであれば、購入者の迷いは極限まで減らせるのではないだろうか。
コンテンツはセールスとカスタマーサービスの両方に貢献
「Has Bean Coffee」が提供しているコンテンツの役割をまとめてみたいと思う。
商品の多様な使い方を説明するガイドや、深くて濃い情報は、ブランドへの信頼を高める。また、自然に商品の良さ、使うメリットも伝わるので、セールスにつながる。さらに、コンテンツを通じて、自動的にお客さんの質問や疑問にも答えることができる。
つまり、コンテンツは、セールスとカスタマーサービスのどちらにも貢献しているということだ。
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最後に
もしかしたら、コンテンツがあまりにも豊富で、圧倒されてしまったかもしれない。
「ここまでやらないと、エキスパートとして認識されないのか……」と考えると、気が遠くなりそうだ。逆に、ここまでやれば成功できる可能性が高くなるのも事実だろう。
今回、「Has Bean Coffee」をご紹介したのは、バラエティ豊かなコンテンツを知っていただきたかったからだ。今後のコンテンツを生み出すヒントになれば幸いである。
参考元:?A tale of two coffee brands: One uses sex to sell coffee beans, the other passion and storytelling?How Has Bean Coffee mastered social media?3 Business Websites Featuring Admirable Content?Content Marketing Show 2012 Round Up 1: The Power of Culture & Influence
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