「空間」や「雰囲気」をWebサイトで体験させる方法とは?【事例】星のや

デジタルマーケティング
ホテルやレストラン、カフェなどを利用する際、あなたは何を基準に選択するだろうか。
価格や設備だけではなく、「居心地の良さ」も選ぶ際の要素として入れてはいないだろうか。
ただ、全く行ったことがない施設だと、そうした雰囲気を感じ取ることは難しい。雰囲気、空間などは、実際に触れてみて初めてわかるものだからである。
もしも、これをうまくWebで伝えることができたとしたら……?
例えば、ホテルの場合、「のんびり癒されたい」「ゆっくりしたい」と考えているユーザーに、そのような嗜好に合うホテルの雰囲気やコンセプトをうまく伝えることができれば、Webが新規の顧客獲得ツールとして機能してくれることになる。
そこで今回は、「実際に触れないとわからない、空間の心地良さや雰囲気をうまくサイトで伝える」方法を、2つのポイントでご紹介してみたいと思う。
これらの手法を、コンテンツマーケティングにおける「価値の提供」の演出に組み込むことによって、多くの見込み客の興味を喚起したり、見込み度合いのボトムアップを図ったりできると考えているからだ。
とにかくいろいろ伝えたいことを我慢して、雰囲気伝達に徹底する
まず、「星のや」という、星野リゾートが運営するリゾートホテルのサイトをご覧いただきたい。
星のや HOSHINOYA -Luxury Hotels-【公式ホームページ】
このサイトを見ておわかりいただけると思うが、画面をジャックするような形で動画コンテンツが埋め込まれている。
この演出が生み出す効果として、このサイトを見た消費者は、音楽と映像によって「星のや」というホテルの雰囲気を存分に体感することができる。
これは、文字や写真だけでは伝わりきらないものだ。動画が非常に大きく配置されており、サイト内に余計な要素がないことで、雰囲気を伝えるための演出がうまくなされている。
このサイトでは、「ホテルの雰囲気、空気感」を最上位のプライオリティに置き、トップページで伝えるべきものととらえていることが伺える。そのため、サイトをジャックする形での配置や、非常に凝った映像作りなどに、工数を掛けることができたのではないだろうか。
サイトを作る際に、伝えたいことをどんどん盛り込んでしまい、結局、サイトを訪れた人に対して何をしたいサイトなのかわからなくなってしまうパターンも多いが、「星のや」は目的が非常に明確で、わかりやすいサイトとなっている。
また、画像の使い方にも注目をしたい。室内や空間を紹介する際はピクセル数(サイズ)の大きい画像を利用しており、少しでも雰囲気がイメージしやすいようになっている。
ストーリーをきちんと伝える
レストラン、客室、建物のしつらえなどには必ずコンセプトやウリがある。どういう意匠を持ってそれらを作り上げてきたのか。
そうした「こだわり」が語られていれば、写真による視覚的な訴求と合わせて、見る側は、より具体的なイメージを持ちやすくなる。
このように、部屋の広さや席数などの実用的な情報だけではなく、ビジュアルも用いた上で、客室の雰囲気、空間、ストーリーをきちんと伝えることも非常に大切である。
引き算のマーケティング
上記2点、いかがだっただろうか。
ちょっとした演出を組み込むことで、伝えられる幅がグッと広がる。まず「動画」というツールありきではなく、「その現場にいなくてはわからない雰囲気を伝えたい」という目的から引き算した結果が、上記2点の施策になっているとも言える。
コンテンツ作りでは、「まず目的を明確化した上で、手段を選ぶべき」ということも見えてくる。
ぜひ、これらを参考にしていただき、より多くの見込み客を集められるようなサイト作りを実践していただきたい。
参考元: 星のや HOSHINOYA -Luxury Hotels-【公式ホームページ】
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