「リアルな怖さ」でメッセージを伝える効果的な手法とは?海外の動画コンテンツ4選

コンテンツマーケティング

海外の広告や CM には日本人の目から見ると過激なものがけっこうある。例えば受動喫煙の危険性を訴える、小さな子供の胸の部分が煙草の吸殻でいっぱいの写真。そんな広告を、子供からお年寄りまでが利用するバス停で見かけたりする。

この「リアルな怖さ」でメッセージを伝える手法は、動画コンテンツマーケティングにも用いられている。しかもバズを起こせる可能性の高いジャンルの1つだ。感傷的でストーリー性のある動画が好まれる傾向にある日本とは対照的である。

では「リアルな怖さ」を使った動画とは具体的にどんなものなのか? 本記事では嫌でもメッセージを実感させられる海外のキャンペーン動画を4本ご紹介する。

途上国の映像を見た有名人のリアクションを見せる、チャリティキャンペーン動画

『END7: How to Shock a Celebrity 』

「セレブにショックを与える方法」というタイトルから何だろう? と思われるかもしれない。実はこれはチャリティーのキャンペーン動画だ。

動画はある映像を見ている6人の有名人達のリアクションから始まる。彼らの表情を見れば嘘偽りのない自然な反応であることが分かるだろう。

その後に続くのが熱帯地域を中心に蔓延している寄生虫や細菌による感染症7種類のリアルな映像だ。正直ショッキングで顔を背けたくなる。

そして有名人達が再び登場し、50セントで子供1人が1年間の治療を受けられると伝える。実際に映像を見た彼らだからこそ、寄付を促すメッセージも重みが増す。

残酷な現実を見せつけるこの種の映像を敬遠する人も多い。そういう人達にも見てもらうために、この効果的な構成に辿り着いたのだそうだ。

この動画は1週間で30万回再生され、視聴者の75%が2分以上再生している。そして1週間以内に6万ポンドの寄付金を集めることに成功した。

喫煙者が煙草を持った子供に火を貸してと言われたら…タイの禁煙キャンペーン動画

『Thai Health Promotion Foundation - Smoking Kid』

次はタイの禁煙キャンペーン動画だ。煙草が身体に悪いことを知っている喫煙者は、子供が煙草を吸っていたらどう感じるだろう? というテーマである。

喫煙中の大人に煙草を持った子供が近づき、火を貸してくれと言う。大人達は皆それを断り、煙草が身体に良くないと子供達に説く。

子供はそれぞれの大人に1枚の紙を渡して去る。そこに書かれたメッセージは「僕の心配はしてくれるのに、どうして自分の心配はしないの?」。禁煙の相談ができる電話番号も記されている。

その紙を受け取ったほとんどが煙草を捨て、紙を捨てた者は1人もいなかった、という内容だ。

メッセージがストレートに伝わってくる秀逸な動画だ。自分が大人側の立場だったら同じことをするだろうことは容易に想像できるのではないだろうか? 低予算で作れる動画でも、効果は絶大である。

グロテスクだけどリアルなグラフィックを使った、禁煙キャンペーン CM

今度はもっと「リアルな怖さ」を感じさせる禁煙キャンペーン動画をご紹介しよう。

『Anti Smoking Campaign: New Ad Targets Addicts』

汚染された血液が身体を巡る様子や脳細胞のダメージをリアルなグラフィックで見せている。広告看板に使われる、煙草からどろどろの汚い血液がしたたるイメージもかなりグロテスクだ。

喫煙者を怖がらせることで煙草をやめさせようというアプローチである。脳卒中などのリスクを高める、というメッセージを視覚的に訴えてくるこの映像は効果を期待できるだろう。

貧困に苦しむ人々が先進国のツイートを読み上げる、チャリティキャンペーン動画

最後は水を必要とする人々にきれいな水を届ける活動をしている NPO によるこちらのキャンペーン動画だ。

『WATER IS LIFE "Hashtag Killer"』

貧困に苦しんでいるハイチの人々が淡々と何かを読み上げていく。「携帯の充電器がベッドまで届かない」「レザーシートが温まっていない」「トイレに行って携帯を忘れたことに気づいた」先進国の人々による他愛無い悩みのツイートだ。

さらにハイチの人々はツイートに対して思いやりの言葉を述べる。「レザーシートが温まっていなくて可愛そう」「あなたにとってもっと良い日になりますように」その不自然さが先進国とハイチの日常のギャップを際立たせている。

この動画はたった4日間で100万回再生された。そしてキャンペーン中に100万日分の水が寄付された。「先進国の悩みは……悩みではない」というメッセージを効果的に伝えることに成功したわけである。

最後に

「リアルな怖さ」を伴った動画の中には、日本人の感覚としては戸惑いを感じるものもあったかもしれない。しかしこの手法のショッキングさ、インパクトの強さは分かっていただけたのではないだろうか。

確かに日本人に受け入れられるかどうかは未知数だ。しかし日本で試してみる価値はあるかもしれない。確実にメッセージは伝わるし、大きな反響を得られる可能性が高い手法だからだ。ぜひコンテンツの切り口として参考にしていただきたいと思う。