顧客タイプ別のクレーム対応の基本を学ぼう!SNS編

コンテンツマーケティング
ビジネスがソーシャルメディア上での活動を行う上で最も心配なのが、悪評が広がることではないだろうか?
店頭や電話でのクレームは1対1で行われることが多いが、ソーシャルメディアはそうはいかない。1つの投稿を目にする人口は数人から数百人、多いときは数万人にも上る可能性がある。
となると、「やっぱり、ソーシャルメディア上でマーケティングを行うのはリスクが高すぎるのではないか?」ということになる。
だが、実はそのクレームにうまく対応することによって、ロイヤリティや新規顧客の獲得、会社の評判の向上につなげていくことができるのである。
そこで今回は、人々はなぜソーシャルメディア上でクレームを述べるのか、その理由と興味深い統計を紹介しながら、顧客を5つのタイプに分類して、それぞれへの対処法を紹介したい。
なぜ人はクレーム表明の場にソーシャルメディアを選ぶのか
ソーシャルメディアを対象とした調査、The Social Habitによると、Twitterでサービスや商品に関するクレームをつける人にその理由を尋ねたところ、79%は純粋に、「友達に見てもらえるから」とのことだった。
「(そのサービス・商品の提供元の)会社に見てほしいから」と答えた人は52%、「会社に対応してもらいたいから」と答えた人はわずか36%、という結果になった。
つまり、多くの人は事態の解決を求めてソーシャルメディアに投稿を行っているわけではないということだ。
では、ブランド側の対応はどうだろう? 驚くことに、こういった投稿の95%はブランド側から何の返答も対処もなされていない。
投稿を行った人が何の対応も求めていないからといって、この実態はカスタマーサービスとしていかがなものであろうか?
ここできちんとした対応をすれば、他社より一歩リードできることをぜひ念頭においてほしい。
5タイプの顧客
では、ソーシャルメディア上の顧客を大まかに5つに分類してみよう。
おとなし派(割と一般的、対応も簡単、イライラ度低め)
特徴:このタイプの顧客からのクレームはほぼなし。しかし、最後の手段としてソーシャルメディアへの投稿を行う。その場合も、自分の意見をちゃんと聞いてもらえるという確証が欲しいだけ。
対応法:公共の場でシンプルに「申し訳ございません」と返答すれば、企業に対する悪い印象を引きずらない。
攻撃派(少数派、対応が若干難しい、イライラ度高め)
特徴:熱心に、長々とクレームを申し立てる。
対応法:ネットワーク上ではなく、個人メッセージやEメールにて対応。問題を認め、どのように解決するかを伝える。言い訳や攻撃的な返しはNG。
お金持ち派(少数派、対応が若干難しい、イライラ度はそこそこ)
特徴:最上級の対応を求め、それに対する代償もいとわない。「お金持ちでしかも攻撃派」というタイプでない限りは、丁寧に対応すれば理解力は高い。
対応法:クレームの理由や詳細を理解する姿勢を保ち、真摯(しんし)な態度で話を聞いて質疑応答を行う。公共の場で問題を認めた後に、個人メッセージやEメールにて対応しよう。
ご都合主義派(少数派、対応が非常に難しい、イライラ度かなり高め)
特徴:クレームへの満足いく対応が目的ではなく、通常以上の見返りを求める。なんとか解決策を見つけようと企業側が努力しても、「それでは不十分だ」という返答を何度も繰り返す傾向がある。
対応法:データなど、信頼できる情報を裏づけに、あくまで客観性を失わない対応を。「対応が不十分」と最初に言われた時点で、「では、どういった対応が必要ですか?」と早めに聞こう。
慢性派(割と一般的、対応がかなり難しい、イライラ度高め)
特徴:決して満足せず、常に何か問題を抱えている。クレームを述べること自体が目的化している。だが、顧客である以上、無視することはできない。不満も多いが、満足できる対応があった場合、ポジティブな意見を広めてくれることも多い。
対応法:とにかく辛抱強く。ソーシャルチャネル上でのやり取りは絶対に避ける。注意深く話を聞き、自分は決して怒らずに対応すること。
パーフェクトなカスタマーサービスの心得
今までの情報を踏まえた上で、ぜひ実行してほしい項目を挙げよう。
「モニタリング」「迅速な対応」「クレームを述べる場を提供する」「先を見越す」「『お客様は常に正しい』という言葉を忘れない」である。
ソーシャルメディア上でクレームをつぶやく消費者の42%はなんと、「1時間以内に何らかの対応が行われるべきだと考えている」というデータがある。非現実的な理想にも聞こえるが、対応が行われるのを待てば待つほど、不満足度は上がる一方なので、この調査結果は納得がいく。
1時間とは言わないが、せめてその日のうちに何らかのアクションを起こすには、常にソーシャルメディアやブログなどを「モニタリング」する必要がある。そして、問題が見つかったら「迅速」な対応をすべきだ。
また、ソーシャルメディアにクレームが集中しないよう、クレーム対応部署の電話番号やEメールアドレスをサイト内の目立つところに設置し、他に「クレームを述べる場を提供する」のも大切である。
また、同じクレームや質問などが集中している場合は、「先を見越して」FAQにそれに関するコンテンツを追加したり、統計をとって解決策を見つけたりしよう。
最後に、決して忘れてはならないのが、お客様は常に正しいという信念である。謝罪や今後の対応の説明などを丁寧に行い、カスタマーサービスの質の良さをお客様や世間に対してアピールしよう。
逆境を生かして、信頼を築く
誰もが簡単に情報を提供し、それにアクセスすることができるようになって便利な半面、それが原因で起こる問題も大きくなっている。
しかし、基本さえきちんと押さえておけば、そういった問題は最小限に抑えられ、それを糧(かて)にプラスのイメージを与えることも可能なのだ。
顧客のクレームに対して、「あなたの意見を聞いていますよ」「状況や問題を理解していますよ」「解決策を考え中です」という言葉を伝える。そんなささいな努力で消費者のロイヤリティを保持し、新たな信頼への土台を築くことができるのだから、ぜひ実行してほしい。
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