グルーポンが決済サービスを提供ースクエアに深刻な脅威ー

デジタルマーケティング

昨日、グルーポンが決済サービスを準備中という記事を紹介したが、VentureBeatの記者がGrouponの新サービスを使ってみた感想を書いているのでご紹介する。前回の記事にも書いてあるとおり、グルーポンの新サービスは決済手数料が極めて安く相当競争力の高いサービスであるという。以下、VentureBeatの記事を紹介しよう。

グルーポンが決済サービスを提供 -スクエアに深刻な脅威-

長年の読者はご存知のように、私はモバイル決済会社スクエアに対し期待をよせて来た。

その反面、情報サイトのグルーポンについては厳しい見方をしてきた。(情報公開:私はグルーポンの株を空売りしている)

しかしながら、グルーポンの新しい支払い方法はモバイル決済会社スクエアにとって脅威となるだろう。仮に私が正しいのなら、スクエアは用心しなくてはならない。

先日ベイエリア(サンフランシスコ周辺のエリア)のアイスクリームショップでグルーポンの決済サービスを目の当たりにする機会に恵まれた。初期のテストシステムはスクエアが提供しているものほど洗練されていなかったが、基本機能は十分だった。その上、グルーポンの決済サービスは、非常に低コストだ。

スクエアは決済手数料として取引額に対して2.75%をチャージする。グルーポンは、一般のカードの取引に対しては、取引額の1.8%に、1取引当たり15セント加算したもの請求する。AMEXを使用した取引に対しては、取引額の2.7%に、1取引当たり15セント加算したものを請求する。私が話を聞いたアイスクリーム店のオーナーは、グルーポンの試用期間中であるため、現在サービス料なしでシステムを利用していると述べた。

グルーポンはスクエアのビジネスモデルの欠陥を突いている

スクエアの最大の問題点は料金体系だ。現在の料金体系だと、ビジネス規模が大きくなった場合や、取引金額が大きいビジネスを支払いで多額のドルが動く時にスクエアを使用すると高額になりすぎる。

Verifoneのセイルなどの競合サービスも、価格で競争しようとしているが、それほど安価でない。セイルでは、企業が月に9.95ドルを支払うことでレート1.95%まで下げている。グルーポンではそのような制約なしで、かなりの低利率を提供している。もし、私がスクエアの経営陣だったら、グルーポンの料率に対して、対抗策を打たざるを得ないだろう。

もちろん、スクエアの料金体系が魅力的な事業者もいるだろう。例えば、アイスクリーム店のように取引金額が低い店だ。1取引当たり15セントの費用が発生しないので、スクエアの方がコスト削減につながるのだ。ただし、私がアイスクリームを購入した時6ドル払ったような小さな取引では、スクエアにとっての利益もほとんどないだろう。

グルーポンの優位性:営業と顧客サポート

決済ビジネスは、これまでプッシュ型の営業戦略を取ってきた。何百人もの営業が、電話を掛け、クレジットカードの採用を働き掛ける。一方スクエアは、この営業モデルを180度変更し、事業者が直接スクエアに問合せをしてくるか、またはアップルストアやUPSストアのような小売りチャンネルを介して間接的に問合せをするような、プル型の販売戦略を試みている。

グルーポンは常にプッシュ戦略の典型的モデルだ。数十億ドル企業となった唯一の理由は、アグレッシブに小売業者へ営業をかけ、割引クーポンを販売するように説得したためだ。(多くの場合、割引クーポンは、事業者の首を絞める事になるのだが。)アイスクリーム店も、自らモバイル決済会社を探し当てたわけではなく、グルーポンが積極的にアプローチしてきた。

今回のグルーポンの決済サービスは、スクエアよりも圧倒的に安い。私がもしグルーポンの立場だとすると、スクエアと契約している加盟店のリプレースを行うだろう。ターゲットは、取引単価が高く、切換えにより即座にコストが削減できる事業者だ。

売り文句はシンプルだ
グルーポンを使用するとすぐにコスト削減できます。アイスクリームのように取引単価が低い場合は、スクエアを使用し続けて頂いて結構です。

システムの配送や設置も、重要なポイントだ。グルーポンでは決済システムを導入する際、営業が来てシステムの設定をしてくれる。一方、スクエアは個人で設定しなくてはならない。

そして、グルーポンは、経験豊富な大人数の顧客サポートチームをを有している。お金が関わる取引となると、カスタマーサポートは非常に重要となるのはご理解頂けるだろう。

私はかつてグルーポンの顧客サービスと争った事がある。グルーポンのカスタマーサービス出身社の話しを聞くと、グルーポンのカスタマーサービスは、会社が利益重視の姿勢を取り、サービスコストを抑えているため、全般的に質が低下している。しかし、グルーポンの顧客サポートの規模はスクエアと比べはものにならない。

私が遭遇したスクエアのカスタマーサービスはまるで壁に向かって話しているようだった:スクエアは私が不正に携わった疑いがあるとして、アカウントの利用を停止した。これは私がテストとして仕掛けたものでああり、スクエアの不正検知アルゴニズムがうまく効果を発揮する事をしめしてくれた。しかし、残念な事は、スクエアのカスタマーサービスの誰もが私の話を聞いてくれなかったことだ。(スクエアの広報はアカウントの復活を申しでたが)

スクエアは より高い品質の利用体験(エクスペリエンス)をユーザーにもたらそうというコンセプトがある。私は頻繁に言うように、スクエアは、ヴァージンアメリカや、アメリカンエキスプレス、アップル、音響メーカーのSonosと同様に、利用者に優れた顧客体験を提供することができる。 また、スクエアは Pay With Square という消費者がクレジットカードを財布から取り出す事なく支払いを行えるような斬新な機能を持っています。

しかし、そこまでである。顧客はその優れた体験のためにどこまで対価を支払うのだろうか。あるところで、トレードオフに直面するだろう。スクエアは 優れたサービスの品質を高い決済手数料とセットで提供している。しかし、それらは本来別物である。

例えば、通信業者が、iphoneの通信料金をアンドロイドよりも40%多く請求するとしたらどうだろうか。私はよりよい体験を得る為に200ドルだして新しいiphoneを購入するのは構わないが、iphoneを使用する為に、毎月余計なお金払う事はないだろう。

多くの小売業者は、決済サービスの事だけを考えている。私が訪ねたアイスクリーム店ではレシートをメールで送りますか?と聞く事さえ、しなかった。グルーポンがサポートしているのにである。多くの顧客を惹きつけたのは、スクエアが多くの事業者に決済サービスを提供したからである。しかし、グルーポンの決済が登場し、低価格の価格戦略を仕掛けてきた事で、スクエアの魅力は失われてしまった。

もう一つプレミアム価格で素敵な体験を供給する会社がある:TiVoだ。コアになるDVR機能はComcastの安っぽいDVRに付属しているものよりも無限に優れている。 Hulu PlusやNetflix、Pandorも組み込まれて、そのまま使う事が出来る。TiVoは、流通や価格面では勝利したものの、現在、業界の中で弱小なプレイヤーにとどまっている。

だからといって、グルーポンが勝利を収めるだろうとは言っていない。ただ、グルーポンがスクエアにダメージを与える可能性が極めてたかい。

グルーポンは、ペイメントビジネスを展開するために、外回り担当する営業組織を構築している。(従来は、ほとんどが電話営業だった)これは人件費がかかり高くつく。利益出すために、グルーポンは相当、取引規模を大きくしないといけない。

グルーポンがペイメントのビジネスに参入するのは賢明な策ではであるが、一方、ビジネスモデルを構築するために苦戦している様子も見て取れる。しかし、その苦肉の策として始めた決済サービスが結局はスクエアに致命的なダメージを与えるかもしれない。

出典:Why Square should be worried about Groupon