Googleのプロダクトマネージャーに学ぶ6つの仕事術

経営・ビジネスハック

プロダクトマネージャーという役職を知っているだろうか?

プロダクトマネージャーとは、製品/サービス/アプリなどを、開発・製造、マーケティング、アフターサポート、社内外へのレポート業務まで、製品のライフサイクルの全てに渡って、責務を担うマネジャーを指す。担当している製品に関わるすべて意思決定に関与し、開発、マーケ、営業、財務など、関連する全ての人々をまとめていく仕事である。

(特にIT業界では)マーケティングの花形のキャリアと言えるだろう。

Googleのプロダクトマネージャーがどのような仕事をしているのか、Quoraで興味深い記事があったので、紹介したい。
(以下の記事は、 グーグルの元エンジニアEdward Ho氏がQuoraに書き込んでいた内容を要約したものです。)

私が、グーグル時代に他に例を見ないほど優秀なプロダクトマネージャーたちと働いた経験から、この話をしてみよう。もっとも、私自身はプロダクトマネージャーではないのだが、グーグルでも特に優秀なプロダクトマネージャーたちを観察して気づいたことを話そうと思う。

1. プロダクトに関するすべてのことに全責任を持つこと

これは本当に幅広い仕事を含んでいる。例えば、他の誰よりも早くその製品のバグを見つけ、ユーザーとコミュニケーションをとり、正しい方向に向かっているのか常に気を配る事。

プロダクトマネージャーとしての仕事やチームの運営などをこなしつつ、いつでも、誰よりも早く、率先して、さまざまな課題に取り組んでいく。議事録をとり、顧客にメールを送り、顧客の要望を聞き、サイトに反映し、製品のバグに応急処置を施す、そういうことすべてだ。

つねに「他の誰かのせいではなく、自分の責任だ」と考えること。これができるようになれば、次のことはずっとやさしく感じるだろう。

2.プロダクトマネージャーとして圧倒的な説得力を持つこと

ある課題を解決したいのだけれど、自分自身はそれをやれる立場にいない。しかも、チームの誰一人としてあなたの部下ではないので、あなたの言っている事を聞く義務は全くない。命令しても誰も動いてくれないので、なぜその仕事をする必要があるのか、相手を説得する必要があるのだ。

1番目のことをすでに実行できているとしたら、相手を説得しやすくなるだろう。万が一トラブルが起こったような場合、プロダクトマネージャーがメンバーと一緒になって必死にピンチを切り抜けようとすることを、メンバー全員が知っているだろうから。

3. エンジニアのように考え、行動する事

実際に製品のコーディングをするという意味ではない。どうやって製品が作り上げられるかに、エンジニアと同じように好奇心を持つということだ。

ある機能の開発をするのに、どのくらいの開発工数が必要で、どうしてそれだけコストがかかるのかに、関心を持つこと。その機能にはどういうアルゴリズムが使われているのか?どうしてこのページがこんなに重いのか?どういうデータを使い、蓄積しているのか。

どんなエンジニアでも、担当する製品に関連するアーキテクチャーレベルでの意思決定にはとても注意を払っているので、プロダクトマネージャーもそうでなくてはいけない。

たまたま創業者がやってきて、製品の設計がどうしてこうなっているのか?という質問をしてくる事もある。そのような意思決定にいたった検討経緯や、他の選択肢と比べた時の技術面でのトレードオフについて、説明できること。

グーグルのもっとも優れたプロダクトマネージャーたちは、いつでも、かぎりなくエンジニアに近い立場で仕事をすることを楽しんでいる。

4.プロダクトマネージャーとして常にポジティブであること

チームにはかならずといっていいほどシニカルなタイプのエンジニアがいるものだ。とてつもなくポジティブなプロダクトマネージャーだけが、チームの雰囲気を変えることができる。いつでもポジティブでいることが疲れる事もあるだろうが、かならずそのポジティブさはチームに影響を与え、メンバーがやる気を出す源となっているはずだ。

リードエンジニアと話しをしていると、多くの問題や情報を伝えてきて、頭を抱えたくなるだろうけれど、チームの他のメンバーにはそのことを気づかせてはならない。プロダクトマネージャーの仕事は、メンバーを自分の心配事に付き合わせることなく、メンバーがよりよい仕事をできるよう、手助けをすることだ。

プロダクトマネージャーは、会社全体に対する連絡窓口であり、広報窓口なのだから。プロダクトマネージャーがネガティブだと、チームのメンバーは会社全体が自分たちの仕事に対してネガティブであるように感じてしまうだろう。

5.プロダクトマネージャーは自分を宣伝しないこと

プロダクトマネージャーがほんの少しでもでしゃばろうとしようものなら、すぐ他人の目につくし、チームの雰囲気が瞬時にして悪くなってしまう。

あなたは、すでにチームを代表する窓口になっているのだから、これ以上、自分を宣伝する必要はない。もしプロダクトマネージャーが他人の功労をひっぱりだし、自分の手柄にしようとするようであれば、それは間違った行為で、成功できない。

優れたプロダクトマネージャーは周囲を巻きこむのが上手だ。ブログの記事であれ、ビデオの投稿であれ、もっとも優れたプロダクトマネージャーはメンバーの顔を常に立てる。

Googleの優れた製品のブログを見てみるといい。いつも同じプロダクトマネージャーではなく、多岐にわたる個人がブログの記事を書いていることがわかるだろう。プロダクトマネージャーたちは積極的にメンバーたちの顔を立てようとしているからだ。

6.プロダクトマネージャーが遠慮をしないこと

もっとも優れたプロダクトマネージャーたちは、チームのエンジニアやデザイナーに話しかけるのと同じように、創立者たちにも話しかけるだろう。幹部たちが製品に懐疑的であるようなときに、反論して相手を説得できないようでは成功することはできない。チームのアイディアを守らなくてはいけないときには、恐れずに堂々と明快な答えを返すこと。

まとめ

どうだろうか?参考になっただろうか?

僕自身、この記事には大変共感する所がある。そして、僕が大事だと思うのは1番目だ。自分の担当している製品に対して全責任を負うという事である。英語ではこれをオーナーシップと呼ぶが、英語で外国人とビジネスをすると、繰り返し出てくるキーワードだ。

オーナーシップとは、日本語でいう『当事者意識』と訳される時が多いが、これでは言葉の重みが伝わっていないと思う。僕は、オーナーシップとは、『覚悟』なのだと思う。何か問題があった時には、全て自分の責任として受け止める。他人のせいにはしない。そういう覚悟こそが、オーナーシップなのだと思う。

プロダクト・マネージャーのように、他の人を動かす仕事をしているとなおさらそうである。本文中にあるとおり、プロダクトマネージャー自身には、部下がいる訳でもなんでもないから、結局誰かを説得して動いてもらわないといけない。

そして、他人を動かそうと思った時には、自分自身の覚悟が問われてくるのだ。自分が腹をくくって全責任を負う、という覚悟を示せれば、相手は動いてくれるのである。この腹をくくる事というのは、仕事にかかわらず、人生のあらゆる局面で重要ではないかと思っている。

かつて、富士通で新規事業の立上げをしていた際には、製品に関わる全ての事に顔を突っ込み、関連する部署の人に面倒な仕事をお願いする仕事をしていた。仕事の半分は、嫌がる人を無理矢理説得して、動いてもらう仕事だったと言っても過言ではない。当時の自分は、まだまだオーナーシップが足りなかったと思うけれど、それでも、オーナーシップの重要性を身をもって感じる事が出来た。

Zyngaの創業者であるマーク・ピンカスによれば、プロダクトマネージャーという仕事は、まるでCEOの仕事を疑似体験するようであると言う。自らを社長の立場に置き、製品に関わる全ての意思決定に関わり、組織を動かすからだからだろう。実際、彼がWebベンチャー企業を立ち上げて、世界最大のソーシャルゲーム会社を作り上げる上で、もっとも役に立ったのが、若い頃にプロダクトマネージャーの仕事を経験した事であるという。(彼の動画インタビューはこちら

これまで、プロダクトマネージャーという仕事を知らなかった人は、これを機会に是非興味を持って頂けたらと思う。

記事執筆:(株)イノーバ。イノーバでは、コンテンツマーケティングのノウハウを詰め込んだ無料のebookや事例集をご提供しています。ダウンロードはこちらからどうぞ→https://innova-jp.com/library/