神は細部に宿る-スティーブ・ジョブズとAppleストアの失敗

経営・ビジネスハック

「神は細部に宿る」という言葉がある。もともとは建築の言葉であるが、僕はビジネスにも通じる考え方だと思っている。

スティーブ・ジョブズが、Appleで成し遂げた事、それは「神は細部に宿る」という事を実践し、iPhoneやiPadという優れた製品として結実させた事だろう。

今回は、細部にこだわる事の大切さについて、スティーブ・ジョブズのエピソードを紹介しよう。

神は細部に宿るというエピソードーあなたの知らないスティーブ・ジョブズの話

今や、AppleのiPhoneは、世界中で売れ続け、携帯電話の利益のシェアで8割近くを占めるようになっている。なぜ、このような大成功が可能だったのだろうか?大抵の人は次のように答える。

「Steve Jobsが天才だったから」

もしくは、

「Steve Jobsがラッキーだったから」

しかし、Steve Jobsを良く知る人は、これらの答えが間違いである事を知っている。
僕は、Steve Jobsが成功した理由は、彼が細部にこだわり抜き、完璧なデザインの製品を作ったからだと思っている。

アメリカのビジネス雑誌、Forbesのオンライン版にとても面白いエピソードが出ていたので紹介したい。Steve Jobsが、シリコンバレーに店舗面積の狭いアップルストア(ミニApplesストア)をオープンした時のエピソードだ。

ミニAppleストアに残された足跡 −ジョブズの失敗エピソード−

その日、カリフォルニア州パロアルトのスタンフォード・ショッピングセンターには私を含め多くの記者達が駆けつけた。

スティーブ・ジョブズが2004年の膵臓がん手術後初めて公の場に姿を現し、70㎡という小さいAppleストア、「ミニAppleストア」のデザインを発表するからだ。

店舗面積は、通常のAppleストアの約半分。真っ白なの天井が印象的で、天井の裏側からライトアップされている。PowerMac G5のような穴の空いたステンレススチールの壁面、そして、真っ白な床。ジョブズは、この床は、航空機整備場で同じ素材を使っていて、継ぎ目が全く無い、完璧な白なんだ」と自慢していた。

しかし、いよいよ巨大なカーテンを降ろし、新しい店舗を記者にお披露目しようという時間になり、スティーブ・ジョブズは、怒り心頭でミニAppleストアの公開をやめると言い出した。

なぜか?

紙の上では完璧に美しいはずだったストアデザインだが、実際の利用シーンには到底不向きだったからだ。

ミニAppleストアの準備作業を進めている間に、ステンレス製の壁には、手のあとや指紋が沢山つき、床にも、何かを引きずった黒い痕が残っていた。

最終的に、ジョブズはしぶしぶながらカーテンを降ろすことに同意し、記者達の前に姿を現した。

その床面を見た時、私は隣に立っていたジョブズに、「このデザインの全ての行程に関与していたのか」を尋ねた。
「そうだ。」と彼は答えた。

「このストアをデザインした人物は、きっと今まで自分で掃除したことがないんでしょう」と私は言った。

ジョブズは目を細め私を一瞥すると、そのまま店内へと入っていった。

数ヶ月後Apple社幹部から聞いた話によると、ストアがオープンした土曜夜、ジョブズは全てのデザイナーをストアに呼び戻し、夜通しその白い床面の掃除をさせたそうだ。その後、Apple社はストアの床面を現在のタイルに交換した。

細部へのこだわりを実行に移すこと

どうだろう?Steve Jobsのような偉大な人物でも、ミニAppleストアのオープンの時に失敗をしているのである。完璧主義者のスティーブ・ジョブズには、我慢ならない出来事だっただろう。ましてや、外部の記者に嫌みを言われた時は、どのように感じただろうか?想像に余りある。

しかし、その後、「デザイナーに床磨きをさせた」という。これこそが、まさに細部へのこだわりなのではないだろうか?

我々は、ついつい紙の上で、かっこいいプランを描いて満足してしまいがちだ。しかし、本当に重要なのは、プランを実行する事である。その大事さを示したのだと思う。

どうだろう?あなたは細部にこだわっているだろうか?

記事執筆:(株)イノーバ。イノーバでは、コンテンツマーケティングのノウハウを詰め込んだ無料のebookや事例集をご提供しています。ダウンロードはこちらからどうぞ→https://innova-jp.com/library/Untold Story about Steve Jobs