イタリアのEコマース王が率いる「Banzaiグループ」のレシピサイト「GialloZafferano」って?

EC(Eコマース)

イタリアのWeb業界をけん引する「Banzaiグループ」が運営するレシピサイト「GialloZafferano」。

このサイトは、今やWebだけでなく、書籍からTV番組まで展開するコンテンツに成長した。

料理好きだけでなく、料理が苦手な人にもやさしいレシピサイトである「GialloZafferano」。その人気の秘密を探ってみよう。

見やすく検索がラクなレシピサイト

「GialloZafferano」は、“レシピ”、“ビデオレシピ”、“料理教室”、“スペシャル”、“ブログ”、“フォーラム”、“私のレシピ”、“利用者向けサービス”という8つのカテゴリーから成り立っている。

“料理教室”には、ホワイトソースの作り方や肉の出汁の取り方など、初心者向けの基本レシピが集められている。“スペシャル”には、季節料理やイベント料理がまとまっていて、検索に便利だ。

そして“フォーラム”以降のカテゴリーは、「GialloZafferano Club」に登録することで利用可能なページで、利用者同士が交流を図ったり、サイト上で見つけたレシピをマイページに集めたりできる。筆者はこれまでレシピを見るだけだったので、この機会に登録してみた。

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巧みな誘導でショッピングサイトへ

名前、生年月日、居住エリアなどの個人情報を登録すれば、だれでもこのクラブのメンバーになれる。

そして、サイト上にオリジナルレシピブログを作ることができるようになり、それは「GialloZafferano」のブログカテゴリーにリンクされ、PVに応じてランキングされる。

さらに、このメンバーになると、「SaldiPrivati」という会員制Webショッピングのサイトへ誘導される。

ここでの買い物やブログ投稿で、GZポイントが貯まる仕組みだ。

GZポイントは、サイトのオリジナルグッズと交換できる。エコバッグやキッチングッズなど、ほかでは買うことのできないものだ。

愛されるサイトとは利用されるサイト

先日、あるイタリア女性と話をしていたら、このサイトの話題が出た。どうしても作りたかったお菓子のレシピを、「GialloZafferano」で探して試したというのだ。

前置きはなく、ただ「GialloZafferano」というだけで、誰もがレシピを連想できると踏まえての発言で、いかにイタリアで認知度が高いかがわかる。

2014年6月4日現在、レシピ総数は6374。お菓子だけで1000を超える。これにプラスして読者ブログによるレシピもあるので、その数は無限に増えていく仕組みだ。

作ってみたい料理、みんなに教えてあげたいレシピ、それらがひとつのテーブルに乗って、好きなようにチョイスして見ることができる。

「GialloZafferano」は、イタリアのお茶の間に確実に浸透している。

5年で急成長を見せるBanzaiグループ

2006年に始まった「GialloZafferano」、2014年3月の月間ユニークユーザーは430万である。

現在、この人気のサイトを運営するのはBanzaiグループで、今やイタリアの「Eコマース王」とも呼ばれるPaolo Ainio氏が、2008年に設立した会社だ。

ネット業界のコンテンツ分野をリードするだけでなく、「MisterPrice」「ePlaza」「Bow」「Terashop」(いずれもイタリアのEコマースを代表するサイト)を買収するなど、Eコマース分野でも快進撃を続けている。

2008年に20人で始まった会社は、2013年現在、約400人。

不況にあえぐイタリアにおいて、売上高も前年比37%プラスの急成長を遂げている。Banzaiグループの運営するサイトは、女性向けポータルサイト「PianetaDonna」、15歳~24歳をターゲットとした「Studenti.it」のほか、旅行、経済、テクノロジーなど他分野にわたり、トータルすると、毎月約1300万のユニークユーザーを獲得しているという。

レシピブックとTV番組にも

Banzaiグループでは、「GialloZafferano」のコンテンツを再利用する書籍化や映像化にも積極的に取り組んでいる。

レシピブックは2012年と2013年に1冊ずつ出版され、電子書籍にもなった。

FOXテレビでは2013年より、「In cucina con Giallo Zafferano」が始まった。もちろんWeb上でもレシピ動画を見ることができる。

料理にこだわりをもつイタリア人は多い。レシピブックや料理番組は男女を問わず人気だ。

特にレシピブックは、プレゼント用に人気が高いため、本屋でもかなりのスペースが割かれている。

書籍やテレビから発信することで、Web上には存在しない多様なユーザーにアプローチすることが可能になるのだ。

新旧メディアミックスでWebを活性化させる

「GialloZafferano」に代表されるように、Banzaiグループでは既存サイトを巧みに運用し成功へと導いている。

Web、書籍、テレビと新旧メディアを連動させることで、さまざまな層にいるユーザーを巻き込み、Webはさらに活気づく。コンテンツの有効活用が、Webの世界を活性化させるのだ。

イタリアの「Eコマース王」の取り組みから、今後も目が離せない。

参考元: Giallo Zafferano Banzai La Stampa Altervista

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