ゲーミフィケーションでワクワク感を共有!「タコベル」の新商品プロモーション事例

コンテンツマーケティング

「モノ余りの時代」と言われるように、世の中にはモノや情報が溢れている。次から次へと新しい商品、サービスが売り出され、消費されているが、ロングセラーとなる商品はごくわずかである。例えば、即席めん業界は年間なんと1000種類!以上の新商品が発売されているが、生き残る商品はわずか数%と言われている。

一方、熱狂的なファンを持つサービスや商品、ブランドもある。「ハーレーダビッドソン」や「アップル」「ナイキ」の製品を思い浮かべる人は多いだろう。一説には、新規顧客コストは、既存顧客の約5倍コストがかかると言われており、継続的に自社の商品・サービスを購入してくれるロイヤルティの高い顧客は、時間の経過とともに大きな利益をもたらす可能性が高いのだ。

ロイヤルティ3.0=モチベーション+ビッグデータ+ゲーミフィケーション

Bunchbalの創業者でゲーミフィケーションの言葉の生みの親であるRajat Pahariaは著書『Loyalty 3.0: How to Revolutionize Customer and Employee Engagement with Big Data and Gamification』の中で、「これまでのロイヤルティプログラムでは、もはや消費者をつなぎとめておくことはできない。最新のモチベーションに関する研究とビッグデータを組み合わせて設計されたゲーミフィケーションこそ、真のロイヤルティを引き出すプログラムだ」と述べている。

ゲーミフィケーションとは、遊びや競争など、人を楽しませたり、熱狂させたりするゲームの要素を、ゲームが本来の目的でないサービスやシステムに応用し、ユーザーのモチベーションやロイヤルティの向上につなげる仕組みのことを意味する。

コンテンツマーケティング×ゲーミフィケーション

ゲーミフィケーションには、継続的にユーザーをコミットさせるテクニックとして、次に示す10の手法がある。これらの手法をうまく取り入れて、魅力的なサイト作りを考えてみてはどうだろう。何度も訪れたくなる、思わず友達と共有したくなるわくわく&ドキドキのエモーショナルなコンテンツにしよう。

○フィードバック:ユーザーの活動に対し、迅速なフィードバックやレスポンスを行う ○透明性:他のユーザーがどこにいるのか、簡単にわかる ○ゴール:短期的および長期的なゴールを設定する ○バッジ:達成度合いがわかるようにする ○レベルアップ:コミュニティの中で、ステータスを与える ○オンボーディング:参加しながら学べる ○競争:他者とどれだけうまく競えているかが分かる ○協力:他者と一緒にゴールを目指す ○コミュニティ:コミュニティ全体が何をしているのか見られる(コミュニティ側も皆が何をしているのか見られる)。 ○ポイント:達成に対し、計測可能な証拠を与える

参考にしてみよう!「タコベル」の事例・最新キャンペーン

ゲーミフィケーションの面白い事例を紹介したい。「タコベル」の新商品のプロモーションだ。タコベル(Taco Bell)は、タコス、ブリート、ナチョス、ケサディーヤなど、メキシコ料理を提供するアメリカの大手ファストフードチェーンである。同社は、新しい朝食メニューを告知するため、ロイヤルティの高い顧客と影響力のあるインフルエンサー計1000人にサムスン社製の携帯電話(Samsung T404G)を郵送した。

送付された携帯電話にタコベルから特別なミッションが届く。ミッションをクリアすると、「タコベルの朝食メニュー1年分無料チケット」や、「オリジナルのボタンダウンシャツやパーカー、シーツとパジャマのセット」などがプレゼントされる。なお、具体的なミッションの内容は非公開のため、事前に知ることはできない。

同社、デジタルマーケティングディレクターTressie Liebermanは、「ミッションを伝えるため、我々は毎日電話をしています。彼らは、いつアサインされるか、またどのような内容か、もちろん知りません」とインタビューに答えている。ユーザーのブランドに対するロイヤルティはSNSメディアでの行動を通して確認している。

狙い通り、携帯電話を受け取ったユーザーらは、SNSで様々な投稿を行っている。「いつかかってくるかわからない電話」というのは、持っているだけで気になる存在だろう。そのうえ、ミッションをクリア出来たら、達成感とともに誇らしい気持ちになることは間違いない。さっそく、友人に事の顛末を伝えたくなるだろう。

このように自分の体験として、周囲に話したり、SNSメディアへの投稿、フィードバックにより、ますますエンゲージメントは強化される。これこそがゲーミフィケーションの特徴である。タコベルの事例は、魅力的なコンテンツを考えるうえで、大きなヒントになりそうだ。

参考元: Taco Bell’s Latest Marketing Innovation: Feature Phones Taco Bell 即席めん(中)年間1千種類の新製品:朝日新聞DIGITAL Rajat, P.(2013), Loyalty 3.0: How to Revolutionize Customer and Employee Engagement with Big Data and Gamification, McGraw-Hill.

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