大胆予測:5年後のマーケティングのあるべき姿とは?

デジタルマーケティング

ここ2-3年で企業のマーケティングが劇的に変化した。消費者のデジタル化が進み、ソーシャルメディアが登場、ビックデータやO2Oなど次々に新しいキーワードが登場した。P&Gはデジタルマーケティングの強化を打ち出し、コカコーラはコンテンツマーケティングへの注力を宣言している。

企業はこのような変化の時代にどのように対応していくべきなのか?消費者の行動が変化し、マーケティングが複雑化していく中で、企業はどうしたらいいのか?

僕の答えは、ずばり企業がクリエイティブを内製化する事だ。

クリエイティブとは、コピーライティング、グラフィックデザイン、CMの映像制作などを指す。これらは、現在、広告代理店や制作会社に外注するのが当たり前だ。しかし、本当にそれでいいだろうか?僕は、他社と差別化したい企業はクリエイティブを内製化するべきだと考えて居る。最大の理由はマーケティングが、「リアルタイム化」した事だ。

マーケティングのリアルタイム化とは何か?

従来、マーケティングと言えば、宣伝が中心だった。日本のマーケティング予算の大半を握っているのは、宣伝部だ。半年~1年かけてキャンペーンを企画しCMを作る。CMは、億単位の予算を使うし、やり直しがきかないので、入念なプランニングとコミュニケーション設計が必要となる。

しかし、デジタルの世界ではもっと身動きの軽さが求められる。少額の予算で動画を作り、自社サイトとYoutubeにアップする。ソーシャルメディアに投稿して、動画を見てもらう。今までよりも早いスピードと頻度が要求される。従来のように1億円かけてCMを1本作るのではなく、500万円の動画を20本作る、100万円の動画を100本作る、そういう機動力が必要だ。

100万円の動画を100本作ろうとすると企業のマーケティングも大きく変わって来るだろう。今までのようにプラニングに時間をかける事はできない。マーケターの伝えたいメッセージをクリエイターが瞬時に理解して、コンテンツを作る。頼んだら数日後にはコンテンツが制作される。そして、デジタルメディアがコンテンツを一瞬のうちに広げていく。

ITで起きた変化がマーケティングでも起きる

これって実は、企業のITシステム、特に、ソフトウェア開発のトレンドにすごく似ている。もともと、ソフトウェア開発は巨額の予算が必要で、多くの人が関わって開発するものだった。事前に大がかりで詳細な設計図が書かれ、間違いの無いように開発をする。大勢の人が人海戦術で開発をする。しかし、このようなソフトウェア開発は、もはや時代遅れだ。ソフトウェア開発は、どんどん小型化・高速化が進んでいる。これをアジャイル開発と呼んでいる。

マーケティングがデジタル化すると、システム開発と同じ事が起きるだろう。コンテンツの制作費がどんどん安くなり、マーケティングの高速化が進んでいく。

興味深い事に、海外では、マーケティングの高速化が必要だという議論が起きている。デービット・ミーマン・スコットは、今日のデジタルマーケティングの流れを予見した第一人者であるが、彼の最新の著書は、Real Time Marketing & PRという本だ。このリアルタイム化の流れは、日本にも間違いなく来るトレンドである。

クリエイティブの内製化は自然な流れ

企業がリアルタイムマーケティングを推し進めていくと、自然とクリエイティブの内製化に行き着くだろう。社内のクリエイティブチームで、スピード感を持ってコンテンツの制作をする。PDCAを高速で回す事で、コンテンツの質を上げ、社内にノウハウを蓄積していく。マーケターとクリエイターが一緒に机を並べ、会議室の中で議論しながらも、どんどんコンテンツを生み出していく。これが未来の企業のマーケティングの姿だ。

どうだろう?クリエイティブの内製化というと極端な意見のように思うかもしれない。しかし、実は、この意見に賛同する人は案外多い。例えば、外資企業のブランドマネージャーをやっている友人にこの話をした所、「確かにその方が効率的だね」という答えが返ってきた。最先端でアンテナを貼っている人はうすうす気付いているのだ。

どうだろう?あなたはどう思うだろうか?
そんなバカな事をと思うかもしれないが、少し待って欲しい。

常識を捨て、ゼロベースで考えよう

次の事を考えてみよう。Appleは、iPadというコンピューターとiPhoneという電話を作って売っているメーカーだ。しかし、彼らは工場を持っていない。工場を持たない代わりに、優れたデザインチーム、優れたソフトウェア開発チームにリソースを集中している。そして、工場を持たずに世界一のコンピューター・電話メーカーになった。20年~30年前に、誰がこのような変化を予測できただろうか?

そして、今マーケティングの世界は、すごい勢いで変化が起きていて、今までの常識が通用しなくなっている。このような変化の時代には、ゼロベースで現状を見直しあるべき姿を考える事が重要だ。逆に、旧来の枠組みに捕らわていると生き残れないリスクさえあるだろう。

僕は、過去3年間、日本とアメリカのマーケティングの変化をウォッチして来た。今、ゼロベースで今後のマーケティングのあるべき姿を考えた時に、企業はクリエイティブを内製化すべきだと考えている。

どうだろう?ぜひ、みなさんの意見をお聞きしたい。
Photo Credit:Express Monorail