コンピューターが感情を読み取る!AIを利用した最新テクノロジーによるマーケティングとは?

デジタルマーケティング

今や、スマホやタブレットを持つことは当たり前となった。インターネットやクラウドといったサービスもあって、いつでもどこでも情報にアクセスできるようになった。

その先の方向性として普及の兆しが見えているのが、ユーザーが情報にアクセスするのではなく、「ユーザーに合った情報を、コンピューターが選んでくれる」というテクノロジーだ。

今回は、そのなかでも最新の技術、すなわち、“人の感情や表情を読み取る”テクノロジーをご紹介しよう。

1.人の感情を読み取るAI、「EmoSpark」

イギリスのEMOSHAPE社が開発したEmoSparkは、家庭やオフィスに置くキューブ型デバイスで、世界初の“感情を持った”、対話できるAIとして注目を集めている。

ユーザーの表情や、話しかける声のトーンから感情を読み取り、心理状態に合ったビデオクリップや音楽をチョイスし、提案してくれるそうだ。YouTubeやFacebook・Air Playといったプラットフォームとも連携しているので、膨大なデータのなかから、ユーザーの気分に合わせた、または、気分を盛り上げるような情報を与えてくれる。

また、EmoSparkには、Emotional Processing Unit(EPU)と呼ばれる特別なマイクロチップが内蔵されており、学習能力も備わっている。ユーザーとのやりとりを通して、Emotional Profile Graph(EPG)という、そのユーザーの感情を表すグラフを作成し、よりパーソナライズされたデバイスへと成長していく。

EmoSparkの公式動画を紹介しよう。

EmoSPARK | The First Artificial Intelligence Home Console – Official Release

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いかがだろうか。この動画のように、部屋の照明から音楽・キッチン機器に至るまで、あらゆるものが対応していく見通しだそうだ。

2.買い物客の表情を認識するタブレット

ロシアのSynqera社が開発したのは、Simplateと呼ばれるタブレット型の端末。主に、スーパーに設置されるというこの端末は、やってくる客の心情を読み取るデバイスとして注目されている。

たとえば、ある男性が悲しそうな顔でレジにやってきたら、Simplateは、顔認識機能により、表情をスキャンする。年齢や性別・その日の天候といった膨大な情報から、彼が喜ぶであろう商品を割り出して、ディスカウントチケットを提供するといったことが可能になる。

また、客がSimplateに触れることで、これまでの購入履歴からオススメ商品をオファリングしてくれるので、スーパー通いを日課とする主婦層の「買う物を考える」という日々のタスクにも、最適なソリューションを与えている。

このように、Simplateは、ユーザーの心理状態に合わせた商品や、ユーザーの好みに特化した商品を提案してくれるので、従来の大多数向けの広告展開とは違ったプロモーションが期待されている。

実際に、ロシアの化粧品会社で試験運用も始まっているそうだ。

以下の動画で、アメリカのNational Retail Federationに展示されたSimplateの様子が確認できる。

Synqera at NRF

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まとめ:未来のマーケティングにどう影響?

今回紹介した2つのデバイス以外にも、イギリスやロシアをはじめ、各国において、一般消費者向けのAI統合型デバイスが続々開発されているそうだ。

近い将来、AIに関連するテクノロジーがより一般化し、あらゆるコンテンツ・商品をAIが選んでくれる時代がやってくるかもしれない。

あるいは、“検索”ではなく、AIとの“対話”を通して、ユーザーが自分に最適な情報を得られるようになるかもしれない。

そうなった場合、オンライン・オフラインマーケティングに、どういった影響があるのだろうか。人間の考えるマーケティング戦略は、ビッグデータを自在に操る、知能を持ったコンピューターに勝ることができるのだろうか。

SF映画のように「マーケター(人間)VS AI(人工知能)」の戦いが始まる! ……かもしれない。

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