水増しされる「いいね!」

コンテンツマーケティング

あなたは今朝起きてから今までに、何度FacebookやInstagramの”いいね!"ボタンを押しただろうか?5回?10回?

今やその回数は、Facebookだけでも一日45億回にのぼるという。

しかしひょっとすると、その内の何パーセントかは、ユーザーのあずかり知らぬところで、水増しされた「いいね!」かもしれない。ソーシャルメディアの偽フォロワーや「いいね!」の水増しは、いまやクレジットカード番号よりも高値で闇取引されているというのだ。

水増しされる「いいね!」と作られる「流行」

情報管理ソフトウェアを提供する米EMCコーポレーション社のセキュリティ部門であるRSAの調べによると、今ネット上ではInstagram、Facebook、TwitterにYouTubeといったおよそあらゆるソーシャルメディアの偽アカウントや偽造「いいね!」が大量に取引されているという。その価格は、闇取引される盗難クレジットカード番号の3〜5倍も高価--Instagramでの”「いいね!」が1000回で30ドル--とのことだ。

たかが「いいね!」がこれほど高値で取引されていることを不思議に思うむきもあるかもしれないが、マーケティングにおけるソーシャルメディアの重要性がそれほどに増していることの証左でもある。

マーケティングにおける「クチコミ」の持つ影響力の強さはかねてより語られてきたが、今その主戦場はFacebookを初めとするソーシャルメディア上だ。

人々は製品やサービスの購入を決める前にソーシャルメディア上の「いいね!」数や評判を確認する。

「バンドワゴン効果」という現象がある。

ある製品やサービスを消費する人が多ければ多いほど、顧客がその製品やサービスによって得る満足感、安心感が増加し、さらに売れていく、という群集心理における現象のことだが、人々の評価が可視化されやすいソーシャルメディアはまさにこの現象がおこりやすい。

「流行っているものが売れる」のであれば、人工的に即席の「流行」を作ってしまえばいい。

偽アカウントや「いいね!」の水増しにこれほどの「需要」があるのはこの辺りに理由がありそうだ。

「ステマ」は諸刃の剣

「ステマ」(ステルスマーケティング)という言葉が国内で一時期話題となったが、ソーシャルメディアの偽アカウントや「いいね!」数の水増しも、ステルスマーケティングの一種と言える。

消費者に宣伝と気付かれないように宣伝行為をする。時に法律のグレーゾーンを突くようなステルスマーケティング。

手法自体は古くから「サクラ」や「やらせ」と呼ばれ存在してきたが、この手法は世の中に「気付かれた」時点で効果を失うどころか、企業としての信用やブランドにも大きなダメージを負ってしまうことが多い。「顧客を欺く行為」と見られてしまうからだ。

特に国内では昨今の著名人のブログによる「ステマ」騒動で完全にこのマーケティング手法に関する悪印象が定着している。

1000「いいね!」が30ドル。

企業のマーケティング担当者としては、つい手を出したくなる誘惑かもしれない(そして現段階では明確に違法ではない)が、消費者の「信用を買う」とも言えるこの手段は、バレた時点で大きなしっぺ返しをくう諸刃の剣であることも肝に銘じておくべきだろう。

参考元:Hackers Are Creating And Selling Fake 'Likes' On Facebook, Instagram Hackers create fake Facebook likes for cash Photo: Some rights reserved by Owen W Brown, flickr