エバーノートの社員になる方法

コンテンツマーケティング

仕事と育児に追われて、疲れ果てていた男の人生を変えたのは、自分が愛用していたエバーノートについて書いた一冊の本だった。一ユーザーとして、ユーザー目線で書いたハンドブックは、大ヒットし、その結果彼は、エバーノートに正社員として登用されるまでになったのだ。なぜエバーノートのような有名な企業が、自社のファンを正社員として起用したのか?今回はこのユニークなエピソードを通して、企業のコンテンツマーケティング戦略におけるソートリーダーの重要性を探っていこう!

エバーノートの社員になる方法

仕事と育児に追われる毎日

ブレット・ケリーは仕事と育児に追われる毎日に疲れ果てていた。彼はウェブデベロッパーとして多忙な日々を送っていた。彼は仕事が終わると飛ぶように家に帰り、夜間のパートの仕事に出かける妻に代わって育児や家事をこなしたのだ。子供たちに食事を与え、風呂に入れて寝かしつけたあとに、彼は自分の仕事を深夜まで続けた。仕事が終わると倒れるようにベッドに入り、また朝起きて慌ただしく会社に向かう、そんな毎日を送っていた。

エバーノートとの出会い

エバーノートは今となっては言わずと知れた個人用ドキュメント管理ツールとして全世界に1250万人ものユーザーを有する巨大サービスだ。 彼がエバーノートに初めて出会ったのは、彼の同僚が当時まだベータ版でリリースされていたエバーノートへ招待したことがきっかけだった。写真や音声、気に入ったウェブページなど自分が気に留めたものを何でも保存できて、職場や自宅などのパソコンでネット環境さえあればどこでも同期してデータを利用できるエバーノートの利便性に彼はすぐに魅了された。それ以降彼はエバーノートを愛用し続け、4年間ほど使い続けた今では、1万ページものノートが蓄積されるまでになった。

evernote_2.gifエバーノートは様々な用途で活用することが出来る

エバーノートマニュアルの作成

彼がエバーノートを使い始めて2年ほど経った2010年1月、彼の頭に2つのことがよぎった。 ・エバーノートの可能性をユーザーが十分に生かせるような実用的なマニュアルがどこにも出版されていないということ。 ・エバーノートの一ファンとして自分の経験を生かしたコンテンツを制作できるのではないかということ。

そこで、彼は仕事の休み時間やすきま時間などを生かして、エバーノートハンドブックの制作に取り掛かったのだ。彼は自分の経験を通して得たノウハウや、賢くエバーノートを活用するコツなどを盛り込んでそのマニュアルを一気に完成させたのだ。そして2010年6月ついに彼は電子書籍として「エバーノート・エッセンシャルズ」を公開した。

evernote_3.png彼の作ったマニュアルは多くのユーザーに利用されている。

彼の電子書籍は大ヒットを記録!

公開に先立ち、彼はエバーノート本社へロゴの使用許諾を求めるメールを送信した。 担当者からの返信メールには、彼の作った書籍が素晴らしい内容である事、そして、エバーノートが、公式にそのプロモーションを行いたいとの旨が書かれていたのだ。同社のプロモーションも功を奏し、彼が製作した書籍は、公開直後から飛ぶように売れたのである。1冊29ドルで販売されている彼の書籍はこれまで1万2000部以上のセールスを記録している。

エバーノートの正社員に登用!

彼が作った本の評判は、同社のCEOであるフィル・リービンの耳にも入った。同社のサービスの魅力を最大限に伝える本の内容に感銘を受けた彼は同社のエバンジェリストとしてブレットを正式に採用したのである。さらに、本の売上による収益は全て本人に帰属し、在宅勤務も認めると明言したのだ。これにより彼の疲弊した生活は一変した。生活は本の売上による収入で安定し、奥さんもパートに行かず家で育児に専念することが出来るようになった。仕事と家庭のバランスも改善し、以前より子供たちと過ごす時間も長くなったのだ。自分がファンでずっと愛用してきたサービスをコンテンツにして彼は理想の生活を手にし、憧れの会社に就職する夢まで叶えたのだ。

evernote_4.jpgブレットは憧れの会社で働く夢をつかんだ。

企業にとってのコンテンツの重要性とは?

ではなぜエバーノートはそこまでして自社のサービスの一ファンを正社員として雇ったのか?多くの企業がマーケティング戦略を従来のように多額の広告宣伝費をつぎ込んでPRを行うマスマーケティングから、コンテンツマーケティングへと移行させている。その中で企業の提供するサービスの付加価値をユーザー目線で発信し、お客さんの抱える問題を一緒に解決するコンテンツを提供出来るソートリーダーの必要性が増しているのだ。今回のケースは、企業がいかにマーケティングの中でコンテンツを重視しているかを示す顕著な例であろう。

まとめ

いかがだっただろうか? 企業の提供する商品やサービスの真価はそのお客さんが一番良く知っている。しっかりと自分たちのコンテンツをアピール出来れば今度は、お客さんが自らその価値をユーザー目線で広めてくれるのだ。あなたのお店を常日頃から懇意にしてくれるお客さんはいるだろうか?彼らこそがあなたのサービスの価値を真に代弁してくれる広告塔なのかもしれないのだ。

出典:Then and Now – Creating a Turning Point with Brett Kelly