「開封率ほぼ100%」の秘策はキャラクターにあり!AKB48が教えてくれるメールマーケティング

コンテンツマーケティング

企業からのメールで多いのが、「新商品情報」や「ディスカウント情報」、「会員限定特典付きセール情報」のような、顧客に向けた情報提供のメールである。

もちろん、メールマーケティングの手法としては、オーソドックスで失敗のない内容だろう。

だが、オーソドックスであるがゆえに、そのようなメールを使った販促は、どの企業でも行っている。試しに、あなたのメールボックスをのぞいてみるといい。毎日さまざまな企業からのメールが届いているはずだ。

これでは自社と他社の差別化ができない。自社の渾身(こんしん)のとっておきメールも発見してもらえず、メールボックスの中で埋もれてしまう。

そこで、ひと味違うメール(マーケティング)のアイデアを3つご提案したい。

これから行う提案は、イギリスのマーケティング・コンサルタントであるShell Robshaw-Bryan氏が、「7 Email Marketing Ideas You Can Use Right Now!」の中で紹介しているアイデアを基に、日本のユーザー向けにアレンジさせてもらったものである。

メールで顧客をロイヤル顧客(ファン)にするための3つの演出

1.メールで誘導する:さらにフォロワーにする仕掛け作り

読みたくなるようなブログ最新記事の要約文をメールで顧客に送り、ブログに誘導する。ここまでは、すでに多くの企業が実践している。

それをもう一歩進めて、ソーシャルメディアを顧客にフォローしてもらう仕掛けを作ってみる。たとえば、メールの続きはフォロワーしか読めないようにする、無料会員登録すればより深い内容の情報が得られるようにするなど、次のステップを促す仕掛けを作るのだ。

メールのたった数行で、そのしかけに乗りたくなるような「魅力的な文章力と演出力」が必要となるが、世の中にはそれを得意分野とする人がいるので、そういう人材を探せばよい。

2.メールでアフターケアをする:顧客を企業のファンにする演出

Webで商品やサービスを購入した顧客や、問い合わせのあった顧客に対して、「注文受け付けメール」や「回答メール」を送るのは当たり前のこと。ここでは、さらにその先の、顧客がファンになっていく方法を提案したい。

その方法とは、購入した数日後に、「提供した商品やサービスの具合はどうか、不便はないか」というお伺いメールや、「より便利な使い方の情報」を提供するメールを自動的に送ることだ。

問い合わせしてきた顧客には、「問題は解決しましたか?」というメールを送る。メールの自動送信機能を、アフターサービスにもフル活用するわけだ。言ってみれば、街の電器屋さんといった御用聞きのようなきめ細かさを、メールを使って演出するのである。

筆者の知る小さな電器店は、かゆい所に手の届くような徹底したアフターサービスが功を奏し、周囲3キロ圏内に6店舗の大型家電量販店がある激戦区の中で、年商13億円を稼ぎ出している。

徹底したアフターサービスは、顧客をファンに変えるのだ。

3.ユーザーレビューをメールで送信:顧客の声が最良のセールストーク

メールで送る情報として、商品やサービスの紹介だけではもはや物足りない。

実際に使ったユーザーのレビューこそ、情報として届けるべきものである。顧客の生の声は最良のセールストークだ。常に自社商品のレビュー欄には目を光らせ、商品やサービスの魅力が伝わる良いレビューは、メールですぐに配信していきたい。

単なる商品紹介のメールよりもはるかにスマートで、なおかつ、実際に製品を使うユーザーの生の声が聞けるため、口コミ効果による認知度上昇が期待できる。

ここで大事なのは、「9:1」の法則を上手に活用することだ。

「9:1」の法則とは、「賞賛する意見が9に対し、批判する意見を1入れることで、客観的な意見に見える」という、筆者の個人的な体験から割り出した経験則的な法則である。

人は「100%全面的な賞賛しかない事象」に対して、生理的な嫌悪感を抱くものだ。嫌悪感ほどではなくても、深層心理の中で懐疑的になってしまうという社会心理学的な意見もある。

つまり、顧客のレビューを送る際、賛辞の意見ばかりでなく、批判的な意見もあえて混ぜて送ることで、「客観的な評価をする企業」だという印象を、多くの人に与えられる。これが、後々の企業のブランディングに効いてくるのだ。

メールは開封してもらわなくては意味がない!

しかし、どんなに工夫を凝らしても、開封してもらえなくては効果がない。では、どのようにすればメールを開封してもらえるのだろうか?

海外のマーケティングに関する記事「For Emails, Name Recognition Drives Opens(eMarketer)」によると、企業からのプロモーション系のメールを開封する一番の要因は「差出人の名前の親しみやすさ」だという。ちなみに、2位は件名だ。

この結果は正直、意外だった。件名が一番大事だと思っていたのである。

メールマーケティング,キャラクター,開封率, AKB48出典:For Emails, Name Recognition Drives Opens(eMarketer)

ここで注目すべきは、「差出人の親しみやすさ」の“親しみやすさ”の部分だ。親しみやすさを感じる名前とは何か? それは、こういうものだ。

  • 家族、友人、知人
  • よく知っている名前
  • 一度でも購入経験のある企業名やサイト名
  • 問い合わせした企業、サイト

この「差出人の親しみやすさ」は効果絶大だ。個人的な経験だが、実際にメール開封率100%となった例を紹介しよう。

「アイドルから届くメール」と「PRメール」

昨今、アイドルグループが花盛りである。現在のアイドルグループの頂点といえば、やはりAKB48グループであろう。

その、AKB48グループに所属するアイドルたちからメールが届くというサービスを体験した。「AKB48 Mail」というプライベートメールサービスで、登録したメンバーから直接、そのアイドルの名前でメールが自分宛てに届く仕組みだ。

面白そうなので何人かのメンバーを登録してみたところ、いやあ、アイドルから直接メールが届くこと届くこと!

で、その合間に、AKB48の運営側から「CDやDVD、ライブ、グッズの紹介メール」が絶妙なタイミングで届く。この間合いの素晴らしさときたら!

……開封しますよ、これは。100%開封します。そして、メンバーからの個別のメールだけではなく、サービスや商品の案内メールでも、どんな情報があるのか気になってしまい、やっぱり開封してしまうのである。

実に巧妙である。メールマーケティングの観点からも、ここまでスマートで巧妙なサービスを筆者は知らない。しかも、これこそが究極の「親しみやすい差出人」からのメールになっていることに気が付くのであった。

同様に、企業を代表する人気のオリジナルキャラクターたちが、ユーザーに直接メールを届けるというシチュエーションを想像してみてほしい。

その内容が、たとえ商品やサービスのPRであったとしても、キャラクターからのメールなら、つい開封して中身を確認してしまわないだろうか? ここで紹介している「AKB48メンバーからのメール」と「運営からのメール」は、つまりはこういうことなのである。

これからのメールマーケティングは、「キャラクター」の使い方が、その成否を握っているのかもしれない。

古い葡萄酒を新しい革袋に入れるメールマーケティング

「メールマーケティングは使い古された手法で、新規性がない」という声もある。だが、どれほど使い古された手法であろうと、そこに新しい概念やアイデアを盛り込むことで、「新しい手法」になる。

その一番の方法は、「古い葡萄酒を新しい革袋に入れる」ことだ。

今回紹介したアイデアと事例は、まさに「使い古されたと思われているメールマーケティングの手法(古い葡萄酒)を、別の価値やアイデアを盛り込むことで新しい商品にする(新しい革袋)」事例である。

あなたなら、どんな新しい概念やアイデアを盛り込むだろうか?

参考元: 7 Email Marketing Ideas You Can Use Right Now!(Business 2 Community) For Emails, Name Recognition Drives Opens(eMarketer)

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