メールマーケティングでより効果的なのは……HTML版orテキスト版?

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ニュースレターにはHTML版とテキスト版があるが、一体どちらの方が、効果が高いのだろうか? これは、マーケターたちの間で何年も議論が交わされているトピックだ。

また、読者により好まれるのはどちらだろうか? ニュースレターは、読者のニーズや好みと合わない、魅力に欠けるなどの理由で読まれないようであれば意味がない。また、メールが正しく表示されなかったり、そもそも読者のメールボックスに届かなかったりする場合も問題だ。

それぞれのメリット・デメリットを見るために、2つのバージョンを比較してみよう。

HTML版の方がビジュアル的に魅力的!

HTML版の一番のメリットは、見た目の良さだ。ビジュアルが魅力的であればそれだけ読者の目を惹くので、読んでもらえる可能性も高まる。ソーシャルメディアと同じく、やはり視覚に訴えるコンテンツは強いということだろう。

テキスト版と違い、HTML版では好きなようにデザインしたり、読みやすさの工夫をしたりできる。画像やフレームを使ったり、色やフォントを変えたり、見出しを強調したりなど自由自在だ。

もう1つの大きなメリットは、ブランディングに向いていること。ブランドのロゴや、同じ画像、決まったカラーやフォントなど視覚的イメージを繰り返し読者に見せることで、ブランドを強く印象づけることができる。

HTML版はメールボックスに届きにくい?

次に、HTML版のデメリットを見てみよう。まず、よく言われているのが、メールが正しく表示されないこと。

読者が利用するデバイス、メールソフト、セキュリティソフトによって、画像がブロックされたり、レイアウトが崩れたりすることがあるのだ。また、メールがオフラインモードで開かれた際に、サーバーにある画像が見られない場合もある。

HTML版はテンプレートを作る、HTMLエディタを使うなど、時間も専門知識も必要だ。外注に出せば、それだけ費用がかさんでしまう。そういった理由から、HTML版を敬遠するマーケターもいる。

しかし、HTML版のデメリットで一番有名なのは、迷惑メールフィルターに引っかかりやすいことだろう。つまり、読者の受信ボックスにちゃんと届かないということだ。

メールマーケティングシステムを提供するAWeberによれば、HTML版が届かない理由は2つあるそうだ。1つは、HTMLが壊れている場合。これはフィルターに引っかかる、またはメールが正しく表示されないことから読者の手によってスパム報告されてしまう原因となる。

もう1つは、HTML版と同時にテキスト版を送っていない場合。テキストが少ない画像ばかりの、いかにもスパムっぽいHTML版のみを、信頼が低いと判定されているドメインから送れば、さらに不達率が高くなる可能性がある。

HTML版メールの不達問題を改善するには、コードのミスをなくし、テキスト版も一緒に送るといいそうだ。そういった課題を解決してくれる、ちゃんとしたメール配信サービスを選ぶことも重要ということだろう。

テキスト版は確実に正しく表示される!

では、テキスト版にはどのようなメリットがあるのだろうか? まず挙げられるのは、HTML版と違って、どんなデバイスやメールクライアントでも全て正しく表示されること。画像もなく地味ではあるが、これは大きなポイントだ。

HTML版と比べると、迷惑メールフォルダーに入れられてしまう確率も低い。また、サイズが小さく、読み込みに時間がかからないので、速度の遅いネット回線を使うユーザーをいらつかせることもないだろう。シンプルなので、作成に時間もかからない。

しかし、一番のメリットは、個人宛てに送られたメッセージであるかのように演出できることではないだろうか? 私たちは普段の生活の中で、誰かにHTMLメールを送ることはない。普通のやり取りと同じテキストだけのメール文は、それだけでパーソナルな印象を与えるのだ。

テキスト版はブランディングに向いていない?

テキスト版には、もちろんデメリットもある。HTML版のような装飾はできず、フォント、文字サイズ、色は全て同じなので、見た目はかなり地味だ。画像やデザインによって個性を出すことが不可能なため、ブランディングには向いていないと言えるだろう。

また、長い文章を詰め込みすぎるのは、読む側をうんざりさせるので注意したい。スペースを上手く使って、読みやすくなるよう工夫する必要がある。ダラダラと長く書くのではなく、要点は速めに伝えるといいだろう。

結局どっちを選べばいいの?

HTML版とテキスト版のどちらがより優れているのかは、それぞれにメリット・デメリットがあるので、明確な答えはない。HTML版のニュースレターの方が読者が多い、という調査結果もある。しかし、自分の読者が実際にどちらを好むか、どちらの方が効果的かは、結局テストや調査をしてみないと分からないのだ。

安全なのは、両方のバージョンを用意することだろう。HTML版とテキスト版を同時に送信できるサービスを利用してもいいし、読者に好きな方を選んでもらうという方法もある。予算的に厳しいようであれば、HTML版をWebサイトに置き、テキスト版のメールの中にそのページへのリンクをはるのも1つの手だ。

どちらを選ぶべきかは、ニュースレターの目的によっても変わってくる。ブランディングが第一優先事項であれば、HTML版を選ぶといいだろう。お客さんとの距離を縮めたいのであれば、テキスト版の方が効果を得られるかもしれない。

まずは、ニュースレターを配信することで達成したい目的を明らかにするところから、始めてみてはいかがだろうか?

参考元:
When and Why To Use Plain-Text Email Newsletters
Text vs. HTML Emails
HTML Newsletter vs Newsletter in Plain Text – Which Format should I use?
Plain Text vs HTML Email: What Reaches the Inbox in 2014?

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