ブランドの印象はキャッチコピーで決まる!秀逸な広告スローガン7例とコピーライティング実践ステップ

デジタルマーケティング

マーケティングにおいて、印象的で効果的な広告スローガンは欠かせない要素のひとつです。今では、「マクドナルド」と「i’m lovin’ it」をセットで記憶している日本人も多いはず。それを考えると、優れたキャッチコピーがどれほど強力であるかわかるでしょう。

しかし、素晴らしいコピーは、そう簡単に生み出せるものではないのが現実です。本記事では、海外企業による秀逸なコピー例を7つ取り上げると同時に、コピーのアイデアをひねり出すコツをご紹介します。

秀逸な広告スローガンの例いろいろ

見た瞬間に、商品やメリットを秀逸な広告スローガン7例とコピーライティング実践ステップメージできて、さらに記憶に残る……それが理想的なキャッチコピーではないでしょうか。優れたキャッチコピーは数多く存在するが、そのうちの7つを挙げてみます。

例1)M&M’S:

「Melts in your mouth, not in your hands」(お口でとろけて、手にとけない)

ご存知のとおり、M&M’Sはカラフルで丸い小粒のチョコレート。手の中で溶けないように、チョコ部分が砂糖菓子でコーティングされているのが特徴です。チョコレートの美味しさと、溶けて手が汚れないというメリットが瞬時に伝わる、秀逸なコピーですね。

例2)スプライト:

「Obey your thirst」(渇きに従え)

つまり、「喉が渇いたら我慢しないで、冷たいものを飲みなよ」ということで、スプライトのイメージと一緒にこのメッセージを出されたら……たぶんスプライトが飲みたくなってしまうでしょう。たったの3単語だが、強力なキャッチコピーです。

例3)ロレアル:

「Because You’re Worth it」
(あなたには価値があるから)

化粧品ブランドのロレアルは、美しくなりたい全ての女性に向けたメッセージを、コピーを使って発信しています。誰にでも認められたい、自信を持ちたいという願望はあるもの。その願望を満たし、ターゲットである女性たちを喜ばせ、見た人にポジティブなイメージを与えるコピーです。

例4)KFC:

「It’s finger lickin’ good」
(指まで舐めちゃう美味しさ)

おなじみのケンタッキーフライドチキンのコピーは、短い一文で美味しさが伝わってきます。食べたことがある人も、ない人も、どれだけ美味しいかを想像できるコピーです。

強力なキャッチコピーでリブランディングに成功した例

曖昧、わかりにくい、長すぎるといった微妙な広告スローガンは、お客さんを混乱させることが多いです。逆に、優れたキャッチコピーはリブランディングにも活躍します。ここでは、コピーを変えることで成功した例を、いくつかご紹介します。

例5)デニーズ:

ファミレスのデニーズ(アメリカ・デニーズ)はかつて、「A Good Place to Sit and Eat(席について食事をするのに良い場所)」というスローガンで勝負したが、うまくいきませんでした。メッセージが弱く、人々の記憶に残りにくかったのでしょう。

そこで新しく打ち出したのが、「America’s diner is always open(アメリカのダイナーはいつでも開いています)」。こちらの方がフレンドリーで、お客さんを歓迎している印象ですね。

例6)エクスペディア:

宿泊や航空券のオンライン予約サイトであるエクスペディアのスローガンは、以前、「Don’t Just Travel. Travel Right(ただ旅をするのでなく、正しく旅しよう)」でした。旅行そのものに焦点を当てていたわけです。

その後、新しく登場したのは「Where You Book Matters(どこで予約するかが大事)」。サービスを使った予約の体験を強調し、より強力なメッセージを伝えることに成功しました。

例7)フォルジャーズ:

アメリカのコーヒーブランド、フォルジャーズが長年使ってきたのが「Mountain Grown, the Richest Kind of Coffee(山で育った、一番リッチなコーヒー)」。このコピーでもコーヒーの味、コク、深さを想像できるので、悪くはないです。

しかし、「The Best Part of Waking Up is Folgers in Your Cup! (目覚めで最高なのは1杯のフォルジャーズ)」にはかなわないでしょう。コーヒーを飲まなければ1日が始まらない、という人は世界中にたくさんいます。「朝一番にフォルジャーズのコーヒーを飲むのが最高のひと時」というメッセージの方がイメージしやすく、コーヒー愛好家の心には響くでしょう。

実践! コピーライティング

では、秀逸な例を見たところで、実際にコピーを作成してみましょう。

コピーを考えるときにまず再確認すべきなのは、次の3つです。

1)ビジネスの説明:商品やサービス、事業内容をどのように表現できるか?
2)ビジネスのメリット:商品やサービスで、どのようなメリットを提供できるか?
3)ビジネスの特徴:商品、サービス、事業内容は、どのような点でユニークか?

以上を確認したら次に、「一文だけで見込み客に売り込まなければならないとしたら?」と自分に問いかけてみましょう。ご紹介してきたコピー例を見ていただければわかると思いますが、短くてシンプルなものの方が人の記憶に残りやすく、強力です。

どうしても長く、説明的になってしまう場合は、時間制限を設けてコピーを考えてみましょう。例えば30秒と決めて、その時間内にアイデアを書けるだけ書き出してみる。こうすれば、短めのコピー案をたくさん出すことができるでしょう。

良いコピーを思いついたら……

「良いコピーが書けた!」と思ったら、最後は同僚、家族、友人、お客さんなどに、どう思うか聞いてみましょう。ただ「すごくいい」とか「全然ダメ」といった短い感想でなく、詳しく意見を述べられる人を選ぶことをおすすめします。より詳しく聞き出すために、以下のような質問をしてみるのもいいです。

  • なぜ好き/嫌いなのか?
  • どのような印象を受けるか?
  • 何か足りないと感じるか?それは何か?
  • 改善した方がいい部分はあるか?どのように?

一人で悶々と考えても何も出ないときは、周りにコピーのアイデアを出してもらうというのもひとつの方法です。または、競合の広告スローガンを研究してインスピレーションを得ることもあるでしょう。

冒頭でも触れたように、優れたコピーはそう簡単に生まれるものではありません。ちょっとしたガイドを読んで、コピー例をいくつか見ただけで素晴らしいコピーが書けるわけでもありません。それでも本記事が、少しでも参考になれば幸いです。

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