イノーバの鬼編集長がボツにした原稿とその理由とは?

コンテンツマーケティング
みなさん、ブログ書いてますか?イノーバの宗像です。
さて、今日はわかりやすく、面白い文章をどうやって書くのか?というテーマで書いてみたいと思います。ずばり、イノーバの社員が書いてくれたブログ原稿を題材にしてダメ出しの仕方を学びます。ダメな文章を反面教師として、良い文章を考えるという訳です。
多少長いですが、お付き合い下さい。オリジナル原稿をお見せした後に、コメントを紹介します。
目次
名著「七つの習慣」で成功するオウンドメディア運営
こんにちは、イノーバのxxと申します。私は日々イノーバの営業としてオウンドメディア運営に携わる担当者の方々とお話をさせていただいています。オウンドメディア運営を始めてみたのはいいけれども、多くのご担当者様は「やるべきことが多すぎてプライオリティーがつけられない」、「このメディアはなんのためのメディアだったっけ?」というようなオウンドメディア運営における核を見つけられていない状況が多いのではないかと感じています。 マーケティング理論は企業・人間どちらにも適用できると考えている私が、フランクリン・コヴィーの名著「七つの習慣」がオウンドメディア運営の核になり得るのでは?と思い考察してみました。
第一の習慣 主体的である
→「主体性とは人間として、自分の人生の責任を引き受けることも意味する、現状を自分自身の決定と選択の結果であることを認識する」とコヴィーは言っています。オウンドメディアに置き換えるとPV数、セッション数、滞在時間、離脱率、資料請求、問い合わせ、コンバージョンと様々な指標がありますが全ての現状には理由があるはずです。もしかすると社内で自分の取り組みを理解してくれない上司がいるかもしれません、市況が悪くなっているのかもしれません。しかしながら現状はあなたが齎した状況と真摯に受け止めて、全て自責的に考えてみましょう。自分でコントロールできる範囲というのは自分で責任を持つという覚悟が必要になります。あなたには自分のメディアだ!という覚悟が必要なのです。
第二の習慣 終わりを思い描く
→「自分は何者か、何を目指しているのか、何を信じているのかを明確に意識し、変わらざるものとして内面にあってこそどんな変化にも耐えられる。」とコヴィーは言っています。このメディアは誰の、なんのためのメディアなのか?といういつでも自分が立ち返ることができる出発点をメディアに持たせましょう。分かりやすくいうと、人間でいうところの故郷です。メディアの故郷が決まったら、紙に書いて貼っておきましょう。 思いつきや流行で情報を発信するメディアは魅力的にはなれません。GoogleのZMOTの考えに近いかもしれませんが、コヴィーはすべてのものは二度創られる、と言っています。人生の知的創造とは人生の脚本を作ることですが、あなたはオウンドメディアの脚本を持っていますか?
第三の習慣 最優先事項を優先する
→緊急ではないが、重要なことを優先する。人間でいうところの健康維持・人間関係作り・仕事や勉強の準備がそれにあたります。すぐに結果が出来なくても構いません。メディアにとって重要なことは信じて続けましょう。とはいえ、緊急で重要なことも疎かにしてはいけません。広告とコンテンツマーケティングがどちらも重要なようにバランスよくコスト投下をすることが肝要です。目先の事象ばかり追っているとメディアはいつか死んでしまいます。
第四の習慣 Win-Winを考える
→自分の利益を主張するばかりでは、信頼は得られません。Win-Winの根本は誰もが勝者になれる可能性は十分にあるという前提に立つことです。自分がWinを求めることをユーザーに伝える「勇気」、ユーザーにWinを与える「思いやり」がWin-Win成立の秘訣です。ユーザーは非常に賢く、尊敬にすべき存在なのです。 …あなたは自分だけ勝っていませんか?
第五の習慣 まず理解に徹し、そして理解される
→相手を理解しない人は理解してもらえません。相手が何を言ったかではなく、何を感じたかに耳を傾けましょう。例えば検索クエリですが、検索クエリは何を言ったかであって、何を感じたかを知ることはできません。何を感じてユーザーは検索したのか?ということが重要なのです。 何を感じたか知るため手段は明確にはありませんが、知るための努力と誠意を持ってメディア運営に臨みましょう。そして、導線設計やコンテンツ発信などあなたなりの表現でユーザーの感情に回答していきましょう。
第六の習慣 ・シナジーを創り出す。違いを尊重してもっと素晴らしい第三の案を
→小説家のフィッツジェラルドは「一流の知性とは、 同時にふたつの相反する考えを持ちつつ、さらにその両方を機能させつづける能力である。」と言っています。 シナジー誕生にはコミュニケーションの深さがキーポイントです。互いに違いを尊重し、協力し合えるような関係づくりをしていきましょう。自社メディアの故郷は崩してはいけませんが、固まりすぎてはいけません。ユーザーとメディアのコミュニケーションによって全く思ってもいなかった第三の案が生まれる機会を放棄する必要などないのです。
第七の習慣 刃を研ぐ
→オウンドメディアという刃を研ぐ時間を投資する習慣をつけましょう。オウンドメディアの再新再生(リニューアル)が進むとそれだけユーザーのWinに寄与できる機会が増えていきます。ユーザーのWinに寄与できると、また新たにオウンドメディアの価値に気付くことができます。このシナジーを持続させていくことで継続的な成功が齎されるのです。 一日一歩、改善を積み重ねていくことが秘訣です。 まとめ →人間が素晴らしい人間になることを目指すように、オウンドメディアも素晴らしいメディアになることを目指しましょう。オウンドメディアが自分の子どもだと思えば、どのように成長させていけばいいのか想像がつくと思います。 一日一歩、あなたの子どもを正しく成長させていってください。
宗像の添削コメント
みなさん、この文章読んだ感想どうでしょうか?判るような、判らないような。ちょっとこじつけ感満載かなって感じですよね?
でも、批判するのは簡単です。そもそも、どうしてこういう文章になったのか、原因を探らないと対策は打てないのです。
以下に僕が担当者に行った実際のフィードバックの文章をご紹介しましょう。
執筆ありがとう。積極的で素晴らしいですね。七つの習慣とオウンドメディアというのは、面白い切り口ですね。(宗像:まずは褒める事から入る。批判するのは誰でも出来る。むしろ、良い所を探す事が大事と心得るべし)
切り口はすごく面白いんだけど、もう少しロジックを整理したり、具体的な事例を追加するともっと納得感が出ると面白いです。ぱっと読んだ印象だと、抽象的だなというのと、こじつけてる感じが強くなってしまうなと思います。(宗像:どうしたら具体的に良くなるのかを提案して行きます。)
あとは、「オウンドメディア」と「7つの習慣」の喩えの所がちょっと難しいかもしれませんね。
(宗像:ずばり、課題の核心に切り込みます。)
「何かを喩える」というのは、「判りにくいもの」を「知っている何か」に喩える事で、判りやすくするというのが目的かと思います。
この場合、「判りにくいもの」=オウンドメディアだと思うのですが、「七つの習慣」を読んだ事が無い人が一定数居るという状況で、「七つの習慣の喩え」が判りにくいと思いました。実際、xxさんの文章でも、オウンドメディアの説明もしつつ、七つの習慣の説明もしていて、説明がくどくなっています。
New?X Newの喩えは、ダメなんですよ。理解が追いつかなくなるんです。
例えば、オウンドメディア運営をドラクエに喩えてみたとか、オウンドメディア運営をワンピースに喩えてみた、とかの方がテーマとしては面白いと思います。
以上、参考になればと思います。次回からは、ライトアップする前に、アウトラインレベルで相談してもらった方がいいと思います。(宗像:いきなりライティングする前に、アウトラインで流れを作るのは大変良い方法です)
宗像はこう思う
どうだろう?このままボツ原稿にするのも良いけれど、割と、原稿を直す、良くして行くって、みんなが悩むポイントのような気がしたので、あえて紹介してみる事にした。参考にして頂ければ幸いだ。今後もダメ原稿の特徴を紹介していくので、鬼編集長の添削シリーズを楽しみにしておいて欲しい。
記事執筆:(株)イノーバ。イノーバでは、コンテンツマーケティングのノウハウを詰め込んだ無料のebookや事例集をご提供しています。ダウンロードはこちらからどうぞ→https://corporate.clst01.innova-jp.net/library/
Photo Credit:Norbert Posselt
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