新規のEC事業を成功させるために考慮すべき5つの事柄

EC(Eコマース)
今回は、practical ecommerceというEC情報サイトに掲載されたDale Traxler氏による「新規のEC事業を立ち上げるためには」という記事を紹介しよう。
Dale Traxler氏は自身が立ち上げたオンラインのジュエリーショップ事業を売却したのち、あらたにECビジネスのコンサルティング会社をたちあげ、自らもコンサルタントとして活躍している。この記事を読めば、ECビジネスを立ち上げる際に考慮すべき事柄について、有益なヒントを得られるはずだ。
新規のEC事業を成功させるために考慮すべき5つの事柄
目次
1.ターゲットマーケット
新規のECビジネスを立ち上げるための最初のステップは、勝負を仕掛けるマーケットと顧客を決めることだ。まずは、まったく異なる商品を扱うマーケットを複数見てみることをお勧めする。
取扱い商材を選ぶ時のコツ
ある程度、広い対象の顧客にアピールでき、かつ、大型小売店では手広く扱っていないニッチな商品を見つけることが大事だ。そして、同じターゲット層に対して、マーケティング活動を集中できるように、共通のテーマや目的がある数百の商品を見つけるべきだ。
ニッチマーケットの顧客の一例としては、テニスプレイヤーが挙げられるかもしれない。取り扱うべき商品はテニスのラケットやボール、インストラクションビデオ、ゴルフウェア、アクセサリーなどが考えられる。あるいはまったく異なるゴールを設定し、最安値でコモディティ商品を売ることだって考えられる。要は、自分のゴールを何にするかを明確にすることが重要だ。
競合調査のコツ
商品アイディアを固めてから、同じ商品を売っているオンラインショップのトラフィックとWebサイトを調べてみよう。競合他社分析だ。これからも生き残りそうな競合他社が数社存在するマーケットを探そう。競合が多すぎる分野は避けた方が無難だ。
競合サイトは、顧客をどの程度満足させられているのか、商品の品揃えやWebサイトのデザイン、アフターサーポートなど項目を分けて詳細に検証する。
検索キーワード調査のコツ
まず、顧客がどのようなキーワードの組み合わせで検索しているのかを理解しよう。手っ取り早いのは、Google で何度も検索してみるのが良い。Google が表示するキーワードの候補を良くチェックしよう。このステップはマーケットをすばやく、包括的に把握するために、役立つはずだ。
また、商品と関連するトピックを実際にどれくらいの人々が検索サーチで検索しているかを分析するために、Google アドワーズのキーワードツールを利用する。ゴールは実際によく検索されている商品を探すことだ。というのも、それがわかれば、ターゲットを絞ったクリック課金広告を使うことができるからだ。また、マーケティング費用の見積もりがつけられるように、そのキーワードがどれくらい人気があるか、つまりは広告コストがかかるかをも調べる事が出来る。
2.商品調達
在庫型 or ドロップシップ型
勝負を仕掛けるマーケットを定めたら、次に必要なのは商品をどうやって調達するのかという事だ。(サプライチェーンの構築)。あらかじめ商品を仕入れ、在庫管理をするのか、あるいはドロップシッピング(あらかじめ在庫を持たず、注文を受けた段階でメーカーや卸業者にオーダーし、販売する取引形式)を採用したいのか。
商品の品揃え
商品をどれくらいの品数揃えるかも、大事な問題だ。たとえばテニスラケットのような商品を売る場合、何種類かの価格帯とそれぞれの価格帯におけるブランドを数種類ずつそろえる必要があるだろう。以前オンラインのジュエリーショップを運営していたときに、商品カテゴリーごとに3~5種類の品数があるのが理想的であることがわかった。この程度の品揃えがあれば顧客は「好きな商品を選んでいる」と感じることができるが、それ以上あると今度は選ぶのが難しくなるからだ。
数百の品揃えがあるオンラインショップを作り上げるには大変な苦労がかかる。効率的な導線のデザインもぐっと複雑になるし、作り上げるまでのプロセスとコストが膨大に必要となるのはいうまでもないだろう。
また、競合他社のサイトがベストセラー商品を掲載している時には、そのリストを良くチェックしよう。また、取引を検討しているサプライヤーにベストセラーリストを提示してくれるよう頼んでみるのもいいだろう。私自身、実際によく売れている商品がかならずしも自分のスタイルや好みとマッチしないことに驚いてしまうことがよくあるのだ。
商品の発送方法
最後は商品の発送方法だ。たとえば競合他社ががどこも送料無料をかかげていたり、Amazonのようなサイトと競合したり、あるいはAmazonのサイト内に出店して販売を行う場合、やはり自分のショップでも送料無料にするのが賢いだろう。ここでは、商品の仕入費用と送料の両方をカバーする十分な収益を確保できるかどうかを検討する必要がある。
3.商品の仕入先
良い商品の仕入れ先を見つける事は、EC事業がうまくいくかどうかの生命線である。ECサイトに商品を登録したり、商品を宣伝するには一定のコストが必要になる。簡単に再入荷できる商品を選ぶことは大変重要なのだ。
欲を言えば、二社以上のサプライヤーを確保しておくのが理想だ。配送と返送の両方の手数料と送料を注意して見ておくこと。他社との相違点、ブランド、価格システムにも配慮すること。
ドロップシッピングか仕入れ販売、もしくはその両方を併用するのかどうかは、とても重要な判断となる。この決定によってかかる手数料、インフラ、ビジネスを始めるために必要となる元金が大幅に変わってくるからだ。ドロップシッピングを採用すれば販売することができる商品数の上限は限られてくるだろうし、価格設定の柔軟性にも大きく影響する。その反面、在庫管理コストや配送料、在庫補充の心配をする必要はなくなる。
4.集客方法
顧客はどうやってあなたのオンラインショップを見つけ、商品を買ってくれるようになるのか?検索エンジンの上位にあがるようどんなに工夫しても、オープンから間もなければ思うような結果を出すのは難しいだろう。
自前のオンラインショップだけで商品を売るか、もしくはアマゾンやebayなどの知名度が高いオンラインショッピングモールにも出店するのか?後者を選択した場合、自力で潜在顧客を見つけだすよりも、多くのひとたちに商品を見てもらうことができる。もちろん売り上げの一部を手数料として支払う必要があるが、その費用を補うことができれば、収益を増やす手早い方法かもしれない。
もっとも利用しやすいマーケティングチャネルとしては、リスティング広告、価格比較サイト、バナー広告、ソーシャルメディア、メルマガへの広告出稿、アフィリエイトなどがある。検索サーチエンジンやフェイスブックを通じて顧客があなたのオンラインショップにたどりつけるようにするために、あるい程度の投資は覚悟しなければいけない。
5.インフラ
インフラとは商品の販売と配達に必要なすべてのものだ。ここでは、検討すべき項目のリストを掲載するだけにしておく。
このリストを見て、準備を進めるのが良いだろう。
銀行口座の登録
商標の登録
WebサイトのURL、ホスティング会社の選定、Eメールアカウントの取得
ペイパルアカウントの取得
クレジットカードの決済処理代行サービスの選定
ショッピングカートのシステム選定
受注処理システム
在庫管理システム
Google アカウント( アナリティクス、アドワーズ、ウェブマスターツールを利用するために必要)
メールマーケティングのサービス選定
パソコン、インターネット、その他ソフトウェア
Webサイトのデザイン、システム開発の外注先の選定
もちろんこのリストをすべて揃えないといけないというわけではないが、特に、ショッピングカートを選ぶ際には、どの程度のビジネス規模なのか(成長見込みを含めて)を慎重に考慮することが必要だ。ショッピングカートは沢山あるので、必要な機能を網羅し、御社のビジネス規模をカバーのに十分な性能がでるかどうか、慎重に選択する必要がある。
まとめ
どうだろう?参考になっただろうか?
私の周りでもECを始めたいという人が増えて来ていて、第二次ECブームが来つつあると実感している。大企業のEC参入が続いているのは、ニュースをチェックしていれば明らかだ。
EC事業の計画を立てる際は、検討する項目が多い。しかし、最初にしっかりと必要な項目のリストアップを行い、十分な情報収集、競合分析を行っておく事が、EC事業成功のカギだと言えるだろう。特に周りを見ていて感じるのは、4番の集客面に関して十分な計画を立てずにEC事業を開始して、失敗するパターンが多いという事だ。
今回の記事を参考に、ECの事業計画を立てて頂ければ幸いだ。
人気記事