参加者数14万人!Salesforce主催「Dreamforce」から学んだ 「魅力あるイベント運営」で大事な3つの考え方 ー Dreamforce 2014レポート(後編)

BtoBマーケティング
2014年10月13日~15日の日程で、セールスフォースが年1回開催するビジネスカンファレンスのDreamforceに参加してきました。今回のイベント参加の目的は大きく2つでした。
・米国流のイベントマーケティングを学ぶ
・展示会に出展している企業のサービスやソリューションを勉強し、イノーバの将来のサービス開発に活かしていく
レポート後編ではDreamforce全体を通じて学んだイベント運営で大事な考え方をシェアします。
>>ヒラリー・クリントン、マーク・ベニオフCEOも登壇した基調講演の模様は前編でお伝えしています<<
目次
安宿が高級ホテル並みの料金に高騰 !
サンフランシスコに14万人が参加する大規模ビジネスイベントDreamforce
まず、Dreamforceについて紹介します。実は今回初参加だったのですが、今年は史上最高の14万人が参加登録との事で、ビジネスカンファレンスとしては異例の大規模イベントとなっています。
当然、会場となったサンフランシスコの町中のホテルは売り切れ続出。普段は1万円未満のぼろい安宿でさえも高級ホテル並の料金で販売するというDreamforceプチバブルが起きています。日本からの来場者も、サンフランシスコ市内にはホテルを取らず、空港近くにホテルを取る人も多いとか。
ダイナミックなアメリカのビジネスカンファレンス
僕は、4-5年前から米国のマーケティング系のカンファレンスに時々参加しておりますが、毎回、本当に勉強になります。やはり、アメリカの方が、ベンチャーがどんどん生まれますし、企業も新しい技術を取り入れるのに積極的ですしね。毎回ダイナミックさを肌で感じます。
今後のイベント運営などの参考にしたい素晴らしい発表や展示を多数見ました。その中で感じた大事なことをまとめると、次の3つです。
1. 顧客を主役に据えている
とにかくDreamforceの全体を通じて感じるのは、顧客が主役であるという事です。具体的には…
- 「Customer Success」という言葉が随所に使われています。
- 会場のディスプレイにも、顧客の大きな顔写真と言葉が表示されています。
- 会場の一角の大きなスペースを確保して、顧客のための展示ブースが設けられています。
- ドイツのコカコーラからわざわざ社長を呼んで講演してもらったり、顧客がITを使って、どう事業を変えていっているのか、という取組みが徹底的にフィーチャーされています。
日本の展示会やカンファレンスは、やはりまだ製品やサービス紹介の側面が強いですが、このように顧客を前面に押し出す事で、「参加者に提供する学び」の価値を最大化することにフォーカスしているのは、やはり上手ですね。
2. 未来がテーマになっている
講演の中で、ベニオフ氏が繰り返し使うのは、”Vision”とか、”Change”というキーワードです。変化の激しいビジネス環境において、どのようにビジネスを変革していくのか? 今回発表された、WAVEやLightingのようなテクノロジーを使いこなす事で、企業の未来がどう変わるのか? 顧客と企業とのつながりをどう構築していくのか? 将来の企業のあり方について、非常に考えさせられ、インスピレーションを与えるような内容となっています。
3. 競争の枠組みが「スペック」から「UI/UX」へ変わってきている
これは以前から感じていた事なのですが、今回より強く実感した事です。クラウドによる仮想化がどんどん進むことで、ソフトウェアレイヤーがある意味コモディティ化しつつあると感じています。AmazonのAWSで、ハードウェアレイヤーがクラウド化され、Salesforceの商品群が業務アプリケーションをクラウド化していく中で、企業は競争優位の源泉が大きく移っているように感じます。
今回のWaveやLightingの発表は非常に衝撃的でした。Ruby on Railsをご存じの方は解りやすいと思うのですが、プログラミング言語のモジュール化、フレームワーク化はどんどん進んでいます。そして、モバイルアプリが簡単にできる時代になってきている。競争の場所が、完全にUI/UXに移ってきているのだなという印象を受けました。企業は、どのテクノロジーを採用し、顧客にどのようなUXを提供していくのか、これが今後のビジネスの成功を決める決定要素となっていきそうです。
まとめ
最後に感じた事を一つ。やはり、アメリカのイベント、演出が大変上手ですね。
WAVEの発表では、あのビーチボーイズが登場し、サーフィンUSAを歌ったり、コカコーラがLightningで構築したアプリを紹介する場面では、アプリ上でDreamforce用にカスタマイズされた特注のコーラを発注すると、なんと、ドローンが登場して実物を配達してくれます。ちょっとしたアーティストのライブ並に演出されています。お金はもちろんかかるのでしょうが、アメリカのスケールを大きさを改めて実感したイベントでした。
>>ヒラリー・クリントン、マーク・ベニオフCEOも登壇した基調講演の模様は前編でお伝えしています<<
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