Google Glassのフレームもデザイン!ITトレンドに敏感なDiane von Furstenberg(DVF)のコンテンツマーケティングをチェック

コンテンツマーケティング
消費者に注目されて話題となるブランドには、一体どのような特徴があるのだろうか?
商品へのこだわり、技術力の高さやサービス内容の充実度、カスタマーサービスの良さなど、さまざまな要素が考えられるが、トレンディーであることも重要な要素のひとつである。
そこで今回は、モバイル戦略やUGC(User Generated Content)を活用したエキシビションなど、ITトレンドに敏感なファッションブランドであるDVF(Diane von Furstenberg)の動向に注目したい。その事例を追いながら、ブランドの魅力をトレンディーな要素を交えて顧客に届けていく方法を学んでみよう。
目次
事例1:Google Glass
ウェアラブルテクノロジーの先駆けとしてデビューしたGoogle Glass。ベーシックモデルの後に、スポーティーなモデルをRay Ban や Oakleyと組んで制作したが、次に手を組んだのが、今回取り上げるファッションブランド、DVFなのだ。DVFはファッション界のトレンドセッターとして、多くの女性たちを魅了してきた。
「デザインとテクノロジーが初めて出会った瞬間であり、真っ向からぶつかり合った時でもある」
世界的に注目を浴びるファションイベントであるFashion Weekで、DVFが同社のGoogle Glassを発表した際、デザイナーはこう語った。
もともと人気の分野であるテクノロジーとファッション。お互いの顧客に今までと違った分野でのアピールができるという意味で、このコラボレーションの成功の行方は興味深いものである。
事例2:モバイル戦略
コンテンツのモバイル最適化の重要性は、マーケターならば承知の事実。だが、DVFではそこからさらに一歩踏み込んで、スマートフォンとタブレットのコンテンツに違いを持たせている。
なぜなら、それぞれの端末で主な使用目的が異なるからである。スマーフォンをメインに使う消費者は「コミュニケーションや便利さ」を優先し、タブレットをメインに使う消費者は「メディアやコンテンツへのアクセス」「情報の閲覧や検索」を優先することが多い。この違いに合わせてコンテンツを最適化するのが得策というわけだ。
DVFでは、それぞれの端末の機能的な特徴を生かすことも忘れていない。同社のタブレット用コンテンツでは、スワイプひとつでそのサイト上の動画がプレイできるようになっている。また、スマートフォン用コンテンツでは、オプションをクリック選択していくことで、適切なeコマースサイトにたどり着けるようになっている。ユーザーにとっての使いやすさを意識したモバイル戦略を展開しているのだ。
事例3:UGC(User Generated Content)
今年(2014年)、DVFは誕生40周年を記念し、消費者と共に作り上げるコンテンツであるUGCを使って、あるキャンペーンを打ち出した。それは、ブランドアイコンでもあるラップドレスを中心に据えたものだった。
ラップドレスは、ブランド設立者のダイアンにとっても思い入れの強い商品だ。
「私がラップドレスを生み出したのは26歳の時。このドレスで収めた成功が、自分のなりたかった女性像に近い人間へと私を成長させてくれました」
こうウェブサイトに載せれば、なぜこの商品がブランドにとって大切なものなのかを顧客に訴えることができる。
そして、このUGCキャンペーンに当たっては、次のような語りかけを行い、ユーザーの参加を上手く促していることにも注目したい。
「ギフトショップを訪れて、世界中の女性の『ラップドレス物語』を読んでみましょう。初めてのデート、初めての仕事、スペシャル・モーメント、そしてその間に起こったすべての出来事のなかで彼女たちが経験した、ラップドレスに関するストーリーの数々です。もちろん、あなたの物語も送ってくださいね」
この、「もちろん、あなたの物語も送ってくださいね」のメッセージに背中をおされて、多くのユーザーが自身のラップドレスにまつわるストーリーを投稿したことは想像に難くない。
事例4:テレビ番組の動画を配信
出典:House of DVF
2014年11月現在、DVFのサイトでは、アメリカのテレビ局で放映中の番組「House of DVF」に関するショートビデオの配信が始まっており、番組の予告編やハイライトとなるシーンなどが閲覧可能となっている。
「House of DVF」はシリーズ物で、ファンションに強い関心を持つ女性たち(初回は10人)に毎週課題を与え、彼女たちのなかから最終的に1人のグローバル・ブランド・アンバサダーを選び出すという企画である。
これは、アメリカでのリアリティー番組の人気を受けての制作だと思われるが、DVFの商品がさまざまな女性のキャリアや生活にどのようなインパクトを与えているかを教えてくれる、メッセージ性の強いコンテンツとなっている。
トレンドをコンテンツマーケティングに上手く取り入れるには……
幅広い分野のトレンドを取り入れながら、人々に上手く自社ブランドを印象付けているDVF。なぜそれがマーケティングの成功へとつながっているのかわかるだろうか?
秘訣はやはり、それぞれの戦略に対して、ターゲット顧客や、コンテンツによって伝えたいことを、的確かつ明確に設定しているからに間違いない。
コンテンツマーケティングを行っていくうえで、なんとなく、あれもこれもとりあえず手を出してみようかな……とフラフラしてしまうこともあるだろう。しかし、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」ではブランドしてのロングランの成長につなげていくのは難しい。
目の前にある多くのオプションに目を向ける精神は素晴らしい。しかし、そこから一歩踏み込んで、自社に合ったコンテンツはどんなものがあるか、自社の顧客ターゲットにとって効果的なのはいったどれかを吟味していけば、トレンドとブランドの魅力を最大限に活かせる最高のコンテンツマーケティングを生み出していけるのだ。
参考元:?Diane von Furstenberg boosts mobile ad engagement with video content?Diane von Furstenberg Exhibition Uses Content Marketing, with Instagram Overlay?Diane Von Furstenberg Introduces High Fashion Frames For Google Glass?House of DVF
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