「広告宣伝活動」の再定義が必要な時代に突入!?今の時代のマーケターに求められることは?

デジタルマーケティング

最近、「今の時代の広告宣伝活動って一体何なんだ?」と思っている人も少なくないだろう。

いまだかつて、これほどこの言葉の定義があいまいな時代はなかった。英語で言うところの「Advertising」。今こそ、この言葉の再定義が必要なのではないだろうか?

そして、マーケティングが複雑化したこの時代に生きるマーケターの役割とは何かを、もう一度考え直さなければならないのではないだろうか?

「時代は、会社は、顧客は、一体俺たちに何を求めてるんだ?」という悩めるマーケターたちにこそ、今回のテーマについて一緒に考えてもらいたい。

増え続ける広告宣伝媒体

今から20年くらい前まで、「広告宣伝活動をせよ」と会社に命じられた場合、マーケターがやるべきことは、はっきりと決まっていた。

大まかなセグメントベースでターゲットを定め、ライターやデザイナーと共にコンセプトやコピーを考え、形にできたら、後は媒体に載せるだけである。その媒体も、ほとんどの場合は4マス(テレビ・新聞・ラジオ・雑誌)に限られていた。

そうすれば、後は潜在顧客がそれを見るか見ないかの問題だ。今のように広告をブロックする「AdBlocker」なんてものもなく、「広告宣伝」のプロセスはいたってシンプルだった。少なくとも今に比べれば…。

ところが、今はどうだろう?今、「広告宣伝活動をせよ」と言われたら、一体何をすればいいのか?「広告宣伝活動ってどういう意味で使っていますか?」と思わず相手に聞き返したくなるのではないだろうか。

そもそも媒体数が昔と違いすぎる。まず、テレビ等の4マスが主だった時代の後に、WEBの時代が訪れた。バナーだの、リスティング広告だの、SEOだの、ランディングページ最適化だの…そんな言葉にやっと慣れて、デジタルな考え方も身に付き、「これで、デジタルマーケターとしてやっていける!!」と思っていたら、今度はモバイル時代の到来だ。

アプリだの、ソーシャルメディアだの、アプリ内広告だの、DSPだの、レスポンシブデザインだの…そんなものにもやっと慣れて、「スマホ対策も、タブレット対策もばっちり…!」と思っていたら、今度は、ウェアラブル・コンピューターの登場である。あまりの環境の変化の速さに疲れてしまっているマーケターもいるのではないだろうか?

「広告宣伝活動」に対する認識のズレ

媒体数が変化すると同時に、「広告宣伝活動とは何か」ということの認識についても、人々の間に微妙なズレが生じ始めた。

「今の時代の広告宣伝活動って何だと思う?」と誰かに尋ねた場合、返ってくる答えは何だろうか?ある人は、「『ソーシャル』を活用することだ。」と答えるだろう。また、別のある人は、「『モバイル』の広告こそ今の広告だ」と答えるかもしれない。「『コンテンツマーケティング』こそが次世代の広告だ」と言う人もいるだろう。

このように「広告」を出す媒体も、手法も、その意味自体も多様化して、「何がなんだか分からない!」という状態の中で悶々としている人も多いはずだ。「広告宣伝活動」とは何かを、誰か整理してまとめてほしいと思っているマーケターもいるだろう。その再定義が必要な時代に突入したのだ。いや、もう何年も前から突入していたとも言える。

マーケターに求められるスキルの多様化 - 「デジタル」がキーワード

こうした時代の変化のスピードについていくのは大変だ。例えば、たったのここ2年間でマーケターの仕事の内容はものすごく変化した。それ以前の50年間での変化のスピードより速いくらいだとも言われる。

このような時代のマーケターに求められることは何だろう?昔からの「マーケットのニーズを把握し、効果の高い広告宣伝活動、販売促進活動を実施する」というマーケターの役割は変わっていないはずだ。ところが、上述のように新たな媒体が登場したり、手法が変化してきたりしたので、特に「デジタル対策」に割く時間が格段に増えてきた。

企業によっては専門の「デジタル部門」があるだろう。しかし、それでもマーケターはデジタルメディア等に関する基本的な知識は身につけていなければならない。また、アクセス分析やモニタリングなどのマーケティング手法そのもののデジタルスキルも上げていかなければならない。

これら全てを網羅している教科書などなかなか見つからない。それを作っている間に、載せるべき内容がどんどん変化してしまうからだ。アメリカでも、82%のマーケターが正式なデジタル・トレーニングを受けたことがないという調査結果もある。彼らも日々現場で学んでいるのだ。

「デジタル」はこれからもマーケティングにおけるキーワードとなるだろう。好むと好まざるとに関わらず、それが時代の1つの要請だからだ。

今の時代を生き抜くマーケターになるには

このような広告宣伝手法の劇的な変化にともない、より多くの責任がマーケターの肩にずっしりと重くのしかかるようになった。激務に追われ、「これは本当に効果があるのか?」と思いながらも先へ先へと進まなければならないことも多いだろう。

アメリカでも、ソーシャルメディア対策などに振り回されてしまうマーケターが多いというが、むやみに振り回されることは避けたい。ソーシャル対策や、デジタル対策は大切だが、マーケティングの目的が見失われないようにしたいものだ。

そろそろ、冒頭の「時代は、会社は、顧客は、一体俺たちに何を求めてるんだ?」という問いに対する答えを考えていきたい。

その答えは、いつの時代も究極的にはただ1つ、「顧客が真に求めるものを提供すること」ではなかろうか。

どんなに新たな技術・メディアが登場して手段が変わろうとも、マーケティングの目的が変わることはない。

新たな手段ばかりに目が行きがちな場合が多いと思うが、常にこの真理だけは忘れないようにしていただきたい。

そして、「広告宣伝活動」の定義については、専門家たちの「再定義」を待ちたいところだが、待っている間にもその定義は刻々と変化していきそうである。したがって、「それを再定義をするのは自分」という意気込みで、時代を読み、日々新たな知識を身に付け、マーケティングに臨んでいくべきだろう。

常に市場の最先端に立ち、「『広告宣伝活動』とは何かを自分で再定義できるようになる」くらいになることが、マーケターとしての1つの成功へのステップなのではないだろうか。

古典化されたようなマーケティングを学び、実践しているようでは、時代の変化の速さには到底ついていけないだろう。

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