ディープリンクでは何ができる?かんたんに実装する方法とは

デジタルマーケティング
ディープリンクという言葉を知らなくても、使ったことがある人は多いでしょう。スマートフォンを使っていれば、よく見かけるものだからです。ディープリンクはユーザーにとっては非常に便利で、広告提供側にも大きなメリットがあるので、業種や業界を問わずよく利用されています。
しかし、実際に自社の広告やアプリにディープリンクを実装したいと思っても、どうしたらよいのかわからない人も存在するのではないでしょうか。実は、ディープリンクは意外とかんたんに実装できます。
ここではディープリンクの概要とその機能やメリット、さらにかんたんに実装する方法を紹介します。
目次
ディープリンクとは
ディープリンク(deep link)とは、1クリック(1タップ)でアプリの内部に直接遷移できるリンクのこと。Webサイトやスマートフォンアプリでリンクをタップすると、別なスマートフォンアプリを起動し、そのなかで指定したコンテンツに直接遷移できます。
ディープリンクがない場合、気になるコンテンツがあってもホーム画面に戻って自分で別なアプリやブラウザを起動し、該当するコンテンツにまでたどらなくてはなりません。場合によっては、アプリを配信するためのアプリを起動し、必要なアプリをインストールしなければならないでしょう。
しかしディープリンクがあればこのような手間をかけず、すぐ目的のコンテンツにたどり着けるのです。
ディープリンクはもともと
ディープリンクはもともと、WebサイトからほかWebサイト内部のコンテンツに直接遷移するリンクでした。しかしスマートフォンが普及してさまざまな企業がアプリを提供するようになった結果、おもにスマートフォンのアプリに関して使われる言葉になったのです。
なぜディープリンクが重要視されるようになったのか
ディープリンクが重要視されるようになった理由は、スマートフォンとスマートフォンアプリの普及にあります。
多くのスマートフォンアプリが提供されるに伴い、業務や消費活動などさまざまな事柄をスマートフォンで行うようになりました。同時に、スマートフォンアプリの単機能化・シンプル化も進んできたのです。
さまざまなアプリが提供されているものの、1つのジャンルや機能に特化したものも多くあります。結果、1人が利用するアプリの数が増え、複数のアプリを使い分けたり、併用したりするのが一般的になりました。
そこでアプリの利用率やWebサイトへの訪問を増やすため、より効率的にアプリやコンテンツにアクセスできる手段が求められています。そのための手段として、ディープリンクが非常に有効なため、さまざまなところで使われているのです。
ディープリンクの種類と機能、貼る場所と遷移先
ここからはディープリンクの種類と機能、貼る場所と遷移先を説明します。
ディープリンクの種類
ディープリンクには3種類あります。
- ディープリンク:
通常のディープリンク、デフォルトのディープリンクです。アプリ内の指定したコンテンツに遷移します。
- ディファードディープリンク(deferred deep link)
遷移先のアプリをインストールしていない場合はアプリのインストールページに遷移し、アプリをインストールしたら、アプリ内で指定された遷移先に遷移するもの。アプリをインストールしている場合、デフォルトのディープリンク同様に動作します。
- コンテクスチュアルディープリンク(contextual deep link)
指定の遷移先に移動するだけでなく、リンクにパラメーターを追加すれば、文脈にあったメッセージやおすすめコンテンツを表示できます。
ディープリンクの機能
ディープリンクの機能は、下記のとおりです。
- アプリ間のシームレスな遷移
- Webサイトや検索結果からアプリへの遷移
- アプリのトップページではなく、深い層のコンテンツへダイレクトに遷移
- アプリのインストールページへの遷移(ディファードディープリンクの場合)
- リンク元の特性に合わせた特別なコンテンツの表示(コンテクスチュアルディープリンクの場合)
ディープリンクを貼る場所と遷移先
ディープリンクは、次のようにさまざまなところに貼れるのです。
- Webサイト、Web広告
- Googleの検索結果
- SNSの投稿
- スマートフォンアプリのコンテンツ
しかしほとんどの場合、遷移先はアプリ内のコンテンツです。そのほか、指定するWebサイトのコンテンツに遷移するのも可能となっています。
ディープリンクのメリット
ディープリンクを利用すると、次のようなメリットを得られます。
- UXの向上
ディープリンクを利用すると、一回タップするだけで目的のコンテンツにたどり着きます。わざわざホーム画面に戻って別なアプリやブラウザを起動し、目的の場所まで移動する必要がありません。それによってユーザーのストレスが軽減されるため、UX(ユーザーエクスペリエンス)の向上にもつながります。
- CVRの向上
ECサイトやショップのアプリでは、1回のタップで直接商品ページに遷移できます。別なアプリを起動する手間がかからないので、離脱する見込み客を減らせるのす。それによってCVR(コンバージョンレート、商品・サービスの購入・申込みをどのくらい達成したか、を表す率)を向上できるでしょう。
- アプリのインストール促進
ディファードディープリンクの場合、リンク先のアプリがインストールされていなければインストールページに遷移し、アプリのインストールを促します。これによって、アプリのダウンロード数を増加させるのも可能です。
- アプリの再訪率の上昇
長らく使っていなかったいわゆる休眠ユーザーに、ディープリンクからアプリの起動を促せば、アプリの再訪率や継続率の改善につながります。
ディープリンクを実装するには
ディープリンクをゼロから作成するのは大変です。しかしプラットフォームのディープリンクサービスを利用すれば手軽に実装できます。ここからはディープリンクを実装できるプラットフォームを見ていきましょう。
AppIndexingという機能を提供しています。これはGoogleの検索結果や広告、YouTube内の広告からディープリンクを作成できるものです。
- Apple
Universal LinksというAppleデバイス用のディープリンク作成機能を提供しています。ディファードディープリンクの機能を持っているものです。
App Linksというディープリンク作成機能を提供しています。これは、Facebookへの投稿に指定したアプリへのディープリンクを作成できるものです。ただし、利用できるアプリには条件があります。
Twitter Cardsというディープリンクサービスを提供しています。これは、ツイート内に貼られたURLのサムネイルや概要を表示でき、指定したWebサイトのコンテンツに遷移するもの。
Webサイトだけでなくアプリの情報をリンクし、遷移するのも可能です。この場合、ディファードディープリンクとして、アプリのインストールを促せます。
- Amazon
「Fire TV OS」により、Fire TV上のコンテンツにリンクを作成できます。コンテクスチュアルディープリンクとして動作し、キャンペーンやおすすめコンテンツも表示可能です。
これらのサービスを目的や遷移先によって使いわければ、さまざまなディープリンクを作成・提供できるでしょう。
ディープリンクによりスマートフォンアプリがより便利になる
ディープリンクを実装すれば、ユーザーの手間が大きく省け、利便性も向上します。これはUXの向上や顧客へのサービスにつながるものです。さらにディープリンクは、コンバージョン向上や休眠ユーザーの掘り起こし、新規ユーザーの獲得など企業にも大きなメリットをもたらします。
このようにディープリンクは、ユーザーと企業、双方にメリットのある施策といえるのです。
プラットフォームを利用すれば実装も手間がかかりません。自社に合ったプラットフォームを選び、ディープリンクを導入してみましょう。
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