ビジュアル的にわかりやすくしたはずなのに……グラフやチャートで失敗するのはなぜか?

経営・ビジネスハック

わかりやすいグラフやチャートを作っていますか?

グラフやチャートを使い、ビジュアル的にわかりやすく表現すれば、文章で説明するより、はるかに理解しやすくなる。

情報やデータを視覚的に表現した、インフォグラフィックス(インフォメーションとグラフィックスをかけあわせた造語)が注目されていることからもわかるように、情報をすばやく簡単にわかりやすくするために、ビジュアライズすることは重要だ。

その背景には、スマートフォンの普及も関係している。場所を問わずインターネットにアクセスできるようになり、欲しい情報が簡単に手に入るようになった。しかし、その半面、コンテンツを理解するために集中する時間は短くなったと言えるだろう。

インフォグラフィックスで情報を視覚化することで、わかりにくい数値や伝わりづらい専門的な情報もわかりやすく表現することができる。ビジュアルが持つ特性として、言語の壁を越え、情報を伝えることができるのだ。

しかし、データをビジュアライズする上での落とし穴は、見た目や奇抜さを優先させ、本来のグラフやチャートとしての見やすさを見落としていないかということだ。

そこで、色、配列、使うグラフやチャートなど、正しいデータを伝えるために何が適しているのかという原点に立ち返り、ロス・クルックス氏の記事「Why Most People's Charts & Graphs Look Like Crap」などを参考に、わかりやすいグラフやチャートの作り方を解説する。

1.円グラフは大きい順に並べる

円グラフは、グラフの中でも比較的使いやすく、視覚から直感的に理解するのに有効だ。しかし、要素が細かすぎるデータには向かない。かえってグラフが見づらくなる。要素数は、最大5個までとするのが良い。

データの配列は、12時を起点に時計回りに最大の要素を配置し、12時から反時計回りに次の最大要素を持ってくるのがわかりやすい(オプション1)。または、12時を起点に時計回りに単純に大きい順に配列するのが良いだろう(オプション2)。

円グラフには、複数の要素を複合させないほうが良い。伝えたいポイントが不明瞭になり、分析しにくくなる。

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出典:Why Most People's Charts & Graphs Look Like Crap
<キャプション> 以下も画像出典はすべて同じ

2.折れ線グラフには実線を使う

折れ線グラフで点線を使うと、逆にグラフがわかりづらくなる。折れ線グラフでは、実線を使い、見分けやすい色使いを心がけよう。

3.データはルールに基づいて配列する

グラフ上のデータの配列は、論理的かつ直感的に行うのが良い。

例えば、カテゴリー別や、あいうえお順やナンバー順といったソート順、または数値の大きさ順といった一定のルールに基づいて配列するとわかりやすい。

4.全てのデータを見やすく配置する。

データが重なりあうときなど、背面にあるデータを隠さないよう半透明にするなど全てのデータがクリアに見えるように工夫する。

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5.補助線などを使い、わかりやすいグラフにする

例えば散布図など、グラフを読み取るための努力が必要な場合、わかりやすくするために補助線を入れると良い。あくまでも、グラフは直感的にわかるように作るのがポイントだ。

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6.グラフは正確にビジュアライズする。

グラフ化するデータの数値と、実際にグラフ化されたイメージとの差があってはいけない。それは、結果のミスリードにもつながる。数値のバリューは、ビジュアライズの際に正確に伝えよう。

7.ヒートマップは同系色でまとめる

ヒートマップでは、バラエティに富んだ色を使うより、同系色のグラデーションなどでまとめるのが良い。色によっては、目立ちすぎるものがあるので、不必要なウェイトづけしてしまう恐れがあり、また、いろいろな色を使っていると逆にヒートマップが見づらくなる。

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8.棒グラフの棒は、適切な幅にする

棒グラフの棒の幅は、太すぎても細すぎても見づらいものだ。棒と棒との間の空間は、棒の半分の幅にすると見やすくなる。

9.ビジュアル的に比較しやすいグラフを選ぶ

グラフ同士を比較するような場合、数値がひと目で比較できるグラフを選ぶのが良い。例えば、2つのグラフを比較する場合、円グラフなど、数値の差が見づらいグラフは向いていない。帯グラフなどにすると比較しやすくなる。

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10.3Dグラフより2Dグラフを使う

見た目にこだわって、3Dグラフ(立体グラフ)を使うとかえって見づらくなる。グラフの意味をわかりやすくするためにも、グラフは2D(平面グラフ)のほうが良い。

まとめ

多くの情報をわかりやすくビジュアライズするインフォグラフィックスと、わかりやすいグラフとは違う。

情報をシンプルかつ正確に伝えることが大事だ。ユーザーに伝えたい、隠された情報やメッセージが正確に伝わるグラフ作りを心がけよう。

参考:
Why Most People's Charts & Graphs Look Like Crap
Three visualization mistakes to avoid
Data Visualization Mistakes

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