ペルソナ作成に必要な顧客分析と情報の集め方を解説

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ペルソナ分析とは、ペルソナを作成するために、定量情報や定性情報を収集して自社の顧客を分析する手法です。より実際の顧客に近くリアルなペルソナを設定してマーケティングの効果を高めるには、十分な情報収集とペルソナ分析が欠かせません。
ここでは、ペルソナ分析の概要とどのような情報を集めるか、どうやって情報を集めるかを紹介します。
目次
ペルソナ分析とは
ペルソナ分析とは、ペルソナを設定するため、収集したデータを分析することです。
情報を分析して共通項を抽出すると、より具体的なペルソナを作成できます。効果のあるペルソナを設定するためには、正確なペルソナ分析が重要です。
またこの分析は、その後作成するカスタマージャーニーマップのもとにもなったり、マーケティング戦略全体の基礎になったりします。マーケティングの基礎になる重要なものです。
ペルソナについては、次の記事を参考にしてください。
「ペルソナ」とは?意味・マーケティングでの活用方法と作り方をわかりやすくご紹介
定量情報と定性情報
正確なペルソナ分析を行い、実際の顧客に近い具体的で効果のあるペルソナを設定するためには、十分な情報が必要です。そのためにはできるだけたくさんのデータを収集し、特性を抽出・分析する必要があります。そうすることで、実際の顧客に近いペルソナを作成できるからです。
ここで収集・分析した情報が、ペルソナの構成要素となります。
ペルソナの構成要素については、次の記事を参考にしてください。
ペルソナ分析の対象となる情報は、定量情報と定性情報にわかれます。
定量情報
定量情報とは、年齢や性別、職業や地域などの属性が含まれ、数値や割合で表せる情報のこと。定量データとも呼ばれ、既存の顧客データにも多くの定量情報が含まれています。
比較的低コストで、かつ短時間で収集できる情報です。各項目のボリュームで顧客の傾向を判断し、顧客のセグメント分けに使います。
定性情報
定性情報とは、趣味、嗜好、価値観など、数値では表せない心理や行動についての情報です。定性データとも呼ばれます。顧客が「なぜ」それを好むのか、「どうして」それを購買するのかなど、顧客の具体的なイメージを形成できる情報で、ペルソナの作成には欠かせません。
定性情報を収集するにはインタビューやアンケートなど、対象者と1対1になるような個人的な調査を要するため、時間やコストがかかります。
定量情報から定性情報へ
ペルソナ分析を行うにはまず、定量情報を集めます。定量情報をもとに顧客をセグメント化し、どのセグメントでペルソナを設定するかを決めるためです。
定量情報によってペルソナを設定するセグメントを決定したら、そのセグメントの顧客に対して定性情報を収集し、ペルソナを作成します。先に、定量情報でセグメントを決めて、定性情報を収集するターゲットを絞り込むためです。
それによって効率的に定性情報を収集でき、情報を収集するための時間やコストを削減できます。その結果、より短時間でペルソナを作成できるようになるのです。
ペルソナ分析に使う情報を集める方法
情報を収集する際、さまざまなチャネルをとおしてできるだけたくさんの情報を収集しなければなりません。たとえば次のようなところから、情報を収集していきます。それぞれについて解説しましょう。
- 社内の顧客情報
- 顧客インタビュー
- 顧客アンケート
- 営業担当へのヒアリング
- 口コミ・レビューの分析
- 行動ログの分析
社内の顧客情報
既存の顧客についてのデータベースが社内にある場合、それをまず活用しましょう。そこから企業情報、商談情報、受注理由、これまでのやり取りなどの情報を得られます。またこれまで社内で行った市場調査などの結果を利用するのも可能です。
顧客インタビュー
顧客と面談して話を聞きます。1対1でのインタビューや数人の顧客を対象とした座談会などいくつかの方法があります。顧客から生の声を聞ける重要な手段といえるでしょう。口頭で話をすれば、こちらから質問して双方向のやり取りをしたり、言葉や口調から細かいニュアンスを汲み取ったりするのも可能です。
まずセグメントをさらにいくつかのグループに分け、グループの代表的な顧客にインタビューします。インタビューの対象者はできるだけ多く、グループごとに最低5人以上は確保するとよいでしょう。特に重要な要素を持つ顧客には、必ずインタビューします。
また、できれば自社商品の購入を検討したが購買していない顧客のインタビューも行うとよいでしょう。なぜ購入を検討したのかだけでなく、なぜ購入を止めたのかという理由が聞けるからです。
ただし、インタビューは他の方法よりも次のようなコストがかかります。
- インタビューする相手を募集・選定し、相手に打診する
- インタビューのスキルを持つスタッフを用意する
- インタビューの内容を決める
- インタビューの時間を確保する
- 相手への謝礼を用意し、インタビュー終了後に渡す
- インタビュー終了後にフォローメールを送る
- インタビューの内容をまとめる時間と手間
インタビューは他の方法よりもずっと深く、具体的な顧客インサイトを得られます。よって「手間とコストをかける価値がある方法」といえるでしょう。リソースが許せば必ず取り組んでほしい施策です。
顧客アンケート
「まだ顧客層が定まっていない」「新規事業でまだ顧客がいない」などさまざまな理由で、インタビューが難しい場合もあるでしょう。その場合は、主要顧客と想定できるターゲットへのアンケートで、意見を聞けます。大人数へのアンケートが大変なら、調査会社に外注する方法も考慮してみましょう。
アンケートも、内容を決め、対象者を集めて実施し、内容をまとめるなどの手間やコストのかかる方法です。また外注する場合、そのコストもかかります。
営業担当へのヒアリング
顧客へのインタビュー同様、直接顧客とかかわっている営業から、現場の話を聞きます。顧客とは異なる視点の話を聞けるので、それまで気づかなかった顧客の特性に気づいたり、新たなニーズの発見につながったりする場合もあるからです。
口コミ・レビューの分析
さまざまなサイトに投稿されるレビューや口コミを収集する方法です。レビューや口コミは、主に次のようなサイトに投稿されています。
- 自社の公式サイト
- Q&Aサイト
- レビューサイト(比較サイト)
- ショッピングモールのレビュー
- SNSでの口コミ
メーカーや販売店に気を遣わない意見やターゲット以外の顧客の意見など、幅広いデータが得られます。しかしなかには信用度の低いものもあるので、注意が必要です。
行動ログの分析
Googleアナリティクスのようなアクセス解析ツールを利用し、自社の公式サイトや各ページを訪問するユーザーについて、行動を分析する方法です。インターネット行動ログ分析ともいいます。顧客の居住地域、経由してくるサイト、情報収集の仕方、ユーザーの興味など、ペルソナを肉付けする情報を得られる方法です。
ペルソナ分析を活かしてペルソナ作成をする
ペルソナ分析が一通り終わったら、実際にペルソナを作成していきましょう。上記方法で集めた定量情報・定性情報をまとめ、1人の人物像に仕上げていく作業です。
作成の詳細なステップや、作成例などは下記の記事も参考にしてください。
イノーバでは、BtoB企業向けに「ペルソナ作成ワークブック」をご提供しています。自社でペルソナを作成しようと考えたときには参考にしてください。
緻密なペルソナ分析は効果のあるペルソナ作成のためにとても重要
マーケティングに効果のあるペルソナを設定するには、より自社の顧客像に近いペルソナを設定しなければなりません。そのためには十分なデータをもとにした、緻密で正確なペルソナ分析が必要です。
ペルソナ分析を行うために収集したデータの量や質が足りないと、実像からかけ離れたペルソナができあがってしまいます。また特性や共通点の抽出が不十分だと正確な分析ができません。この場合も、効果を得られないペルソナが作成されてしまうのです。
効果のあるペルソナを作成するためにも定量情報の収集とセグメント化、定性情報の収集、共通点の抽出など、ペルソナ分析の段階を確実に進めていきましょう。
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