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イノーバマーケティングチーム2024/03/16 20:08:162 min read

CVRを定期的にチェックし、Webサイトのパフォーマンスを改善しよう

CVR(Conversion Rate)とは、Webサイトに訪れたユーザーのうち、購入や資料請求などの予め設定したコンバージョン(CV)に転換した割合を表す指数のことです。Webマーケティングに取り組む際「Webアクセス数は多いのに、思うような成果につながらない」という悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。CVRを改善することは容易なことではありません。

そこで本記事では、CVRの考え方や計算方法、CVRが低い原因、具体的な改善方法などについて解説します。

なお、イノーバでは「伴走型マーケティング支援サービス」を提供しています。CVRの改善やコンテンツ制作を含め中長期に渡ってWebマーケティングのトータルサポートが可能です。ご興味をお持ちの方はご覧ください。

そもそもCVRとはどのような数値か、知っていますか?

CVRとはコンバージョンレート(Conversion Rate:顧客転換率)の略で、Webサイトへのアクセス数(またはページビュー、ユニークユーザー数など)のうち、コンバージョンに至った割合を指します。一般的には以下の式で計算されます。

CVR(%)=コンバージョン数÷サイト訪問数(セッション数)×100

一例として、1000人のユーザーがサイトを訪れ、そのうち25人がコンバージョンに至った場合、CVRは2.5%となります。

コンバージョンには商品の購入や会員登録、カタログの申し込み、予約の獲得などさまざまなものがあり、サイトの目的や種類、ページによって何を設定すべきかが異なります。そのため、1つのサイトに複数のコンバージョンが設定されていることも少なくありません。その場合はCVRもコンバージョンごと(該当ページごと)に算出し、各目標の達成度合いを計る指標として用いられます。

https://innova-jp.com/3605/
参考記事: コンバージョン(CV)とは? 意味やコンバージョン率(CVR)の上げ方を紹介

良いコンバージョン率とは?

良好なWebサイトのコンバージョン率は、全ての業種で2〜5%の範囲内と言われています。しかし、後でも詳しく解説しますが、コンバージョン率は業種によって、また資料の請求なのか、実際の商品の購入なのかなど何をコンバージョンとして設定しているかによって、大きく変わってきます。

例えば、コンサルティング業界ではコンバージョン率が高く、一方で小売業はコンバージョン率が低い傾向があるため、良いコンバージョン率を具体的な数値で表現することは一概にはいえません。

良いコンバージョン率を評価する際は、自社がどの業種に該当するのか競合他社を参考にしつつ、判断すると良いでしょう。

CVRはサイトのパフォーマンスを計る重要な指標

コンバージョンは製品やサービスの売上につながる重要な指標です。そのため、Webサイトを運営するうえでは定期的にCVRをチェックし、必要に応じて改善を続ける必要があります。

次のような2つのページについて、考えてみましょう。

13_cvr01.png

ページ1ではPV数(セッション数)は獲得できているもののCVRが低く、十分に成果が得られていないことがわかります。このページでは、流入からコンバージョンに至るまでのどこかに、ユーザーが離脱するような原因が生じていると考えられるでしょう。そのため、この状態でPV数を増やすために施策を打ってもあまり効果はなく、まずは離脱する原因を特定し改善することが重要です。

一方で、ページ2はページ1とコンバージョンに至った数は同じですが、CVRは高くページの構造(フォームやCTAボタンのデザインなど)そのものには問題がないことが読み取れます。そのため、このままPVを増やす施策を打てば効率よくコンバージョン数が増えていく(売り上げが上がる)と考えられるでしょう。この場合はCVRを改善する施策ではなく、サイトへの流入数を増やす施策の優先度が高いことになります。

CVRと聞くとサイト全体の成果をイメージする人も多いかもしれませんが、実際にはLPや商品の購入ページ、会員登録ページなどサイト内の特定のページや、メルマガ、広告など特定の施策ごとにも求められる指標です。Webサイトを運営しており、いまいち成果が見えない場合はまずCVRをチェックし、低い場合はページのフォーム改修や打ち出し方など、コンバージョンを生み出すポイントを改善していくことが重要です。

CVRの平均値

一般的なWebサイトのCVRの平均値は、1~3%といわれていますが、これはあくまでも目安にすぎません。CVRは、業種や商材、単価、ユーザーの属性などによって異なります。ここでは、BtoB企業とBtoC企業のWebサイトに分けて、CVRの平均値を紹介しますので見ていきましょう。

BtoBのWebサイト

BotB企業のWebサイトのコンバージョンは、一般的に問い合わせや資料請求、ウェビナーの申込など、購買に至らない段階のアクションが多い傾向です。

MarketingSherpa社の調査によると、各業界のCVRの平均値は次のようになっています。

    • コンサルティング・ファイナンス:10%

    • メディア・出版:10%

    • 教育・医療:8%

    • ソフトウェア・クラウド:7%

    • 技術機器・ハードウェア:4%

この結果をみてわかるように、コンサルティングやファイナンス業界では10%が平均となる一方、製造業では4%となっており、CVR平均値は業種によって異なります。

では次に、BtoCの平均値を見ていきましょう。

BtoCのWebサイト

BtoCのWebサイトでは、商品やサービスの購入が一般的です。金銭が発生することが多いため、BtoBよりもCVRの平均値は低く、目安としては1〜3%ほどです。

業界ごとのCVR平均値は次の通りです。

    • 旅行・サービス業:4%

    • 小売・EC:3%

    • 非営利団体:2%

参考:Marketing Research Chart: Average website conversion rates, by industry|MarketingSherpa

このように、CVRの平均値は、業種やコンバージョンの内容によって大きく異なります。CVRを比較する際は、業界平均や同業他社の数値を参考にしつつ、評価することが重要です。

CVRが低い原因と、具体的な改善方法

Webサイトを運営していて成果が見えない場合、具体的には何を改善するべきなのでしょうか。コンバージョンにつながらない理由にはさまざまなものがありますが、ここではCVRが低いケースを想定して、その理由と具体的な改善点をいくつかご紹介します。

ランディングページに原因がある場合

Webサイト自体には一定の流入があるのにCVRが上がらない場合、まずチェックするべきはランディングページ(CVを促すページ)です。サイトを訪れたユーザーに次のステップに進んでもらうためには「わかりやすさ」と「シンプルさ」を意識することが重要です。

【原因1】登録フォームに問題がある

コンバージョンに至らない原因として意外と多いのが、この登録フォームそのものに問題があるケースです。特に会員登録やアンケートでは的確なターゲティングのために多くの情報を集めようとしがちですが、フォームの登録項目が多すぎるとそれだけ離脱される可能性も高くなります。EFO(入力フォーム最適化)を行い、ユーザーが面倒と感じないシンプルなフォームにすることが大切です。入力フォームを改善することで、離脱率の低下やCVR向上に繋がり、CVの取りこぼしを防ぐ効果に期待できます。

https://innova-jp.com/efo-point/
関連記事: 入力フォームを最適化するEFOがマーケティングに効く理由

【原因2】コンテンツやコピーが目を引かない

コンテンツやコピーに問題があるのもよくあるケースです。ランディングページはユーザーに資料請求や会員登録をしてもらうための最後のひと押しをする役割がありますが、あまり売り込みが強すぎるとユーザーは離脱しやすくなります。「無料で相談できる」「この資料を読むとこんなことがわかる」などのように、アクションを起こすことでどのようなメリットがあるのかを、わかりやすくユーザー目線で打ち出すことが重要です。

サイト内の導線に問題がある場合

一定の流入があり、さらにランディングページにも問題がない場合はサイト内の動線に問題がないかをチェックしてみましょう。

【原因3】ユーザーが必要な情報に辿り着きにくい

サイトの導線に問題があってコンバージョンに至らない場合は、ユーザーが必要な情報を見つけられていないことが考えられます。例えば、コンバージョンするためのCTAがわかりにくい場所にあったり、CTAボタンをクリックしてもユーザーが期待しているページへの遷移ができなかったりといった、必要な情報に辿り着きにくい構造になっていないかをチェックしましょう。Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを活用し、実際のユーザーの行動を可視化することで導線を改善していきます。

集客方法に問題がある場合

ランディングページやサイト内の動線に問題がないのであれば、広告やSEOといった、集客方法に原因があると考えられます。

【原因4】ランディングページのターゲットと、広告のターゲットがずれている

Web広告を活用して集客している場合は、広告のターゲットとランディングページのターゲットにズレがないか、もう一度確認してみましょう。この部分にズレがあると、せっかく広告から流入しても「自分向きではない」と離脱してしまうケースが多くなります。広告のターゲット設定を見直し、それに合わせたランディングページを構築する必要があります。

【原因5】キーワードとコンバージョンの関連性が薄い

ターゲットのズレという観点で言えば、オーガニックで流入を集めているキーワードとコンバージョンに関連性が薄いという問題もよくあるケースです。例えば「SEO とは」などのようにこれからSEOを学ぶ人向けのキーワードに対して、非常に高機能な上級者向けのアクセス解析ソフトの購入を促すランディングページを用意しても効果は薄いでしょう。この場合はキーワードに対するユーザーの検索ニーズを考え直し、それに沿った戦略を変更する必要があります。

CVR改善に成功した企業事例

事例1:株式会社ハウツー

結婚式準備のための情報サイトを運営している株式会社ハウツーでは、A/Bテストを活用して入力フォームを改善し、CVRが7.5%から9.4%に上昇しました。A/Bテストとは、AとBの異なるデザインやテキストを作成し、どちらが良い効果が出せるのか検証する方法です。

参考記事:https://www.gyro-n.com/column/efocase-002/

事例2:山陰合同銀行

山陰合同銀行では、ローン申し込みの一環として、フォームを設置しており、遷移先のページでローンシミュレーションができるようにしていました。しかし、シミュレーションのフォームとランディングページが別々のページに設置されていたため、ランディングページでの離脱率が高くなっていました。ローンシミュレーション機能をランディングページに移動させ、さらに一度離脱してもすでにフォームに入力していた内容は再訪問時に入力されている状態を維持するように改善を行いました。結果として、フォーム申し込み完了率(CVR)が114%上昇しました。

参考記事:https://kaizenplatform.com/contents/importance-of-efo#no5

事例3:株式会社夢真ホールディングス

建築業界で転職支援サービスを提供している株式会社夢真が運営している求人サイト「俺の夢」では、フォームでの離脱が多かったことを改善するために対話型式のチャットボットを導入し、前年比で131%のCV数を達成し、チャットボット経由でのCVRは11%になりました。

参考記事:https://botchan.chat/case/yumeshin

フォームの改善によるコンバージョン率の向上事例は少なくありませんが、どの部分の改善が効果的だったのか特定することが難しい場合もあります。そこで便利なのが、CVR改善に活用できるツールです。

CVR改善に活用できるツール

ここでは、CVR改善に役立つ4つのツールを紹介します。これらのツールを活用することで、効率よくCVRの改善が可能です。それでは、順番に見ていきましょう。

アクセス分析ツール

Webサイトの閲覧数や流入元などを解析するツールです。

アクセス分析ツールを活用することで、次のようなデータ分析ができます。

    • アクセス数、ページビュー数、訪問者数など基本的なアクセス状況がわかる。

    • 流入元のキーワードがわかる。

    • コンバージョン率やセッション時間などユーザーの行動データがわかる。

アクセス分析ツールを使うことで「どこのページで離脱しているのか」や「どこの商品への関心が高いのかなどを分析できます。アクセス分析ツールの代表的なツールは「Googleアナリティクス 」です。

A/Bテストツール

A/Bテストツールは、異なるデザインやテキストを複数作り、ユーザーの反応が最も良いものを特定するツールです。また、A/Bテストでは、過去よりもどのくらい改善したかや、悪化したかも明らかになります。A/Bテストツールを使うことで、CVRの改善施策を効率的に検証することが可能です。

A/Bテストツール代表的なものは、下記があげられます。

https://innova-jp.com/homepage-buildingsoftware/
関連記事: ABテストで活用したいおすすめツール5選!ABテストの概要や実践するメリットも紹介

ヒートマップツール

ヒートマップツールは、Webサイト上でユーザーの行動が視覚的にわかるツールです。ユーザーの行動が色で可視化され、スクロール範囲やクリックした場所などの情報が確認できます。離脱しやすいポイントなどが把握できるため、CVR改善に役立つツールです。リンクではない場所が頻繁にクリックされていることがわかれば、デザインの変更やリンクの追加など最適化できます。

代表的なツールは下記があります。

https://innova-jp.com/heat-map/
関連記事: ホームページの分析に役立つヒートマップ!その具体的内容について解説!

チャットボットツール

ユーザーから問い合わせに対して、チャット形式で自動応答できるツールです。Webサイト上でユーザーごとに個別で接客を実施でき、ユーザーの疑問点を解決します。

チャットボットツールは、Webサイトで訪問客のデータ収集・分析をし、ユーザーにあったおすすめ商品を提示するWeb機能です。結果的にCV(コンバージョン)に誘導しやすく、CVRの改善に貢献できます。例えば、ユニクロのA Iチャットロボットのように、ECサイト上で顧客の好みにあった商品を提案してくれるサービスもあります。

代表的なツールは「sinclo」です。

https://innova-jp.com/what-is-chatbot/
関連記事: 【導入事例あり】チャットボットの特徴や導入方法を徹底解説

 

CVRの改善は売り上げに直結する重要な指標

CVRはWebサイトの運営目的達成度合いを示す重要指標です。集客数や売上を効果的に伸ばすには、流入したユーザーをコンバージョンへと効率よく導くことが肝要。日々の運営においてCVR改善に努め、Webマーケティングの成果を最大化しましょう。

イノーバのBtoBマーケティング伴走型支援サービスでは、CVR改善を含むWebサイト集客やコンバージョン強化のトータルサポートを提供しています。プロのマーケターによる豊富な経験と実績を活かし、御社のマーケティング課題解決に全力で取り組みます。ぜひお気軽にご相談ください。

 

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FAQ

Q. CVRを上げるために最初にチェックすべきポイントは?

A. CVRが低迷している場合、まずはランディングページの課題を洗い出しましょう。登録フォームやコンテンツ、コピーに問題がないか確認が必要です。次にサイト内導線や流入経路にも目を向けましょう。

Q. コンバージョンとは何を指しますか?

A. コンバージョンとはWebサイトの目的達成に繋がるユーザーアクション。商品購入や資料請求、会員登録など、サイトや業種によって設定は様々です。CVRはこれらコンバージョン数の流入数に対する割合を示します。

Q. BtoBとBtoCではCVRにどのような違いがある?

A. 一般的にBtoBサイトのCVRはBtoCより高い傾向。BtoBではコンサル業界で10%程度、BtoCでは小売・EC業界で3%程度が平均的です。ただしコンバージョン内容や業種によって大きく異なるので、同業他社と比較するのが有効です。

Q. CVR改善にはどんなツールが役立つ?

A. アクセス解析によりユーザー行動を可視化する「Googleアナリティクス」、表示内容を変更しより良い案を見極める「A/Bテストツール」、ページ内のクリック状況を色で示す「ヒートマップツール」、自動会話でユーザーを誘導する「チャットボットツール」などが効果的です。

Q. サイト流入数を増やす施策とCVR改善施策、どちらを優先すべき?

A. ケースバイケースですが、CVRが著しく低い場合はまずランディングページ等の問題を改善すべきです。一定のCVRを確保できているなら、流入数を増加させる施策に注力した方が効率的に成果を伸ばせるでしょう。

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イノーバマーケティングチーム

株式会社イノーバの「イノーバマーケティングチーム」は、多様なバックグラウンドを持つメンバーにより編成されています。マーケティングの最前線で蓄積された知識と経験を生かし、読者に価値ある洞察と具体的な戦略を提供します。