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イノーバマーケティングチーム2024/02/02 15:02:561 min read

ペルソナとカスタマージャーニーマップの関係とは? 関連性や重要性を解説

情報過多の現代、ひとりひとりの顧客に寄り添ったマーケティング施策の実施が重視されるようになり、そのなか、顧客重視のマーケティングに欠かせないカスタマージャーニーマップもあらためて注目を浴びています。そして、カスタマージャーニーマップと切っても切り離せないのが、顧客を代表するペルソナの設定です。

ここではカスタマージャーニーマップをよりよいものとするためのペルソナ設定について説明します。

カスタマージャーニーマップとペルソナ

カスタマージャーニーマップとは、「ある顧客によるブランド体験の旅」。顧客がブランドを知り、興味を持ち、購入を検討、そして実際にブランドを体験する――といった一連の流れを、行動、思考、心理状態の段階で表したものです。

一方、ペルソナとは顧客の人物像を具体的にイメージしたもの。年代や性別、職業、居住地といったおおまかな属性情報だけではなく、育った家庭環境や家族構成、学歴、趣味、生活スタイル、考え方や価値観、好み・・・・・・というように、具体的な個人が思い浮かぶレベルまで作り込みます。

ペルソナはカスタマージャーニーマップで主役となる人物です。そのためペルソナの作り込みは、カスタマージャーニーマップづくりに欠かせません。

顧客像を具体的に描きだしたペルソナを設定すると、カスタマージャーニーマップにおける「顧客との接点」「ブランドに対する顧客の感情」「顧客がとる行動」について、仮説を立てやすくなります。そして顧客の好みに応じたマーケティング戦略を成功に導きやすくなるのです。

そうした目的では、カスタマージャーニーマップを作成する前に、ペルソナを設定するのが重要だといえます。

ペルソナについての概要や活用方法は「「ペルソナ」とは?意味・マーケティングでの活用方法と作り方をわかりやすくご紹介」こちらをご参照ください

カスタマージャーニーマップの作り方

次は、カスタマージャーニーマップの作り方を順に見ていきましょう。

ゴールを明確にする

手始めに、今回のテーマとなる商品やサービス、ブランドについてゴールを明確にしましょう。スタート時の顧客はブランドについて何も知らない状態です。顧客はブランドとの旅を経ることで、どういった体験をし、ブランドや商品についてどういった感情や印象を持ってほしいか、決めていきます。

カスタマージャーニーマップを使ったマーケティングの難点としてよく指摘されるのは、「施策の効果が可視化しにくい」「効果が出るまで時間がかかる」などです。よってゴールを設定するときは、商品の購入回数や金額など、数値で測れる目標も設定しましょう。それにより、のちの効果測定を円滑に進められるようになります。

ペルソナを設定する

カスタマージャーニーマップ作りで最も重要なのは、ペルソナの設定といっても過言ではありません。なぜなら、ペルソナはターゲットとなる顧客の代表であり、どういったターゲットに向けたマーケティング施策を実施するのかを明確にするための指針となるからです。

よってペルソナの設定はカスタマージャーニーマップ ? ? の精度に影響するといえます。ペルソナは、年代や性別、職業、居住地といった基本属性のほかに、性格や価値観、職業にライフスタイルや興味や関心といった点まで作り込みます。

ペルソナの行動を整理する

カスタマージャーニーマップを作るうえで、ペルソナの性格や価値観を設定すると「こういう性格の人ならこういう場面でこういう行動をとるだろう」という推測がしやすくなります。

そうした上で「ブランドとの出会い」「リサーチ」「購入」といったフェーズごとにペルソナの行動を整理していくのです。

ペルソナの思考・感情を整理する

ペルソナがそれぞれの行動ステージでどういった感情や思考パターンをもつか、さらにその背景を想像していく段階です。

ゴール段階では、ペルソナがブランドや商品に対してポジティブな感情を抱くことを目指します。ペルソナを丁寧に設定することで、目標達成に向けたペルソナの感情の変化を読みときやすくなるでしょう。

ペルソナとの接点を考える

ペルソナの興味関心を設定すると、どういったところやツールから情報収集するか、どういった場所に行きやすいか、どういった情報に興味をもつか、などが推測しやすくなります。それにより顧客との接点ポイントや情報発信の仕方、内容などがペルソナの興味関心や行動パターンに沿ったものになるでしょう。

対応策を考える

カスタマージャーニーマップが大方できあがったら、全体を俯瞰して課題や改善ポイントを考えます。ここでは、 ? ? マップ上ではじめてペルソナの目線ではなく、ペルソナに対応する企業の目線から施策を検討していくのです。

ペルソナ設定における注意点

ペルソナ設定における注意点として、3つのポイントがあります。これらに注意を払わないと、時間をかけて設定したペルソナやカスタマージャーニーマップがまったく見当違いになる可能性もあります

  1. 都合のよい理想像を作り上げない
  2. 思い込みを捨て、実際のデータを分析する
  3. できれば複数のペルソナを設定する

都合のよい理想像を作り上げない

ペルソナを設定する際にもっとも危険なのは、「思い込み」で人物像を作ってしまうことです。

顧客像にこうあってほしいという理想で構築してしまったり、マーケター独自のバイアスがかかってしまったりすると、ペルソナの信頼性は低くなってしまいます。

信頼性の低いペルソナは、カスタマージャーニーマップを作成する際、思惑に沿って都合良く動いてくれるでしょう。しかしペルソナと実際の購買層が乖離しているため、それをマーケティング施策に落とし込んでも効果が見込みにくくなるのです。

思い込みを捨て、実際のデータを分析する

こうした失敗を防ぐためにも、データを活用しましょう。たとえば既存の商品であれば購買層の分析やアンケートをとったり、新商品であれば市場調査を行ったりするのです。

そこから生きたデータを拾い上げられます。そうして拾い上げたデータをもとにペルソナを設定していくと、リアルな人物像になるでしょう。

加えて、商品開発やマーケティングの現場担当者は、サービスや商品への思い入れからバイアスがかかりやすいものです。こうした思い込みを排除するためにも、ペルソナ目線だけでなく、商品を売る営業サイドなど客観的な立場から、振り返ってみましょう。

できれば複数のペルソナを設定する

BtoBの場合、商品やサービスの情報を探す担当者と、決裁権をもつ担当者、サービスや商品のペルソナがことなるときもあります。このようなときは、それぞれの役割に合わせて複数のペルソナを設定していくとよいでしょう。

カスタマージャーニーマップやペルソナは本当に必要??

ペルソナを使ったカスタマージャーニーマップ作りのデメリットとしてよく挙げられるのが、「作成に時間がかかる」点です。とくにペルソナのパーソナリティーをじっくり深掘りしようとすると、それだけ時間もかかります。はたしてペルソナは本当に必要なのでしょうか?

カスタマージャーニーマップそしてペルソナの順に必要性を見ていきます。

カスタマージャーニーマップの必要性

さまざまな情報があふれる現代、個人の嗜好や考え方、情報収集源、ビジネストレンド、購買行動などは、日々変化するもの。よってプロのマーケターでも、MA(マーケティングオートメーション、マーケティング活動を自動化して効率化するツール)に現れる変化に気付けないかもしれません。

実は今、カスタマージャーニーマップやペルソナを設定する意味合いや効果について、疑問を投げかける声もあります。とはいえ、顧客はなんらかの方法で商品やサービスと接触し、いくつかのプロセスを経てゴールにいたっていくもの。そうした意味ではカスタマージャーニーマップの必要性は不変でしょう。

そして先にご説明した通り、カスタマージャーニーマップ作り ? ? にペルソナの設定は欠かせません。確度の高いマーケティングを進めるには、時間はかかってもペルソナを作り込むことが必須といえるでしょう。

時代に合わせてペルソナを定期的に更新

購入プロセスまたはカスタマージャーニーに焦点を当てる場合、購入プロセスが静的でかつ、好みが変わらないことを前提としています。しかしそもそもわたしたち自身、生活するうえで嗜好や趣味は変わる可能性も高いです。また社会や経済もひんぱんに変化しているのです。

つまり、内的と外的の環境はさまざま移り変わっています。よってペルソナも「変わらない」と思わず、「時代に合わせた更新」が必要なのです。

顧客目線からペルソナを設定し、カスタマージャーニーマップを作成しよう

カスタマージャーニーマップをよりよいものとするためにも、顧客の立場や目線から考えていきましょう。

どうしてもうまくいかない場合は、市場調査を行うためのアナリストを雇ったり、顧客にアンケートを取ったり、社内の他部署からの意見を募るなどして、ペルソナやカスタマージャーニーを見直してみるとよいかもしれません。

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イノーバマーケティングチーム

株式会社イノーバの「イノーバマーケティングチーム」は、多様なバックグラウンドを持つメンバーにより編成されています。マーケティングの最前線で蓄積された知識と経験を生かし、読者に価値ある洞察と具体的な戦略を提供します。