キューレーションモデルとコンテストモデル ユーザー参加型マーケティングの2つの成功モデル

デジタルマーケティング

今、ユーザー参加型マーケティングが注目を集めつつある。

これは、キャンペーンや商品開発にユーザーを参加させることによって、バズマーケティング効果から新しい商品アイディアまでを創出することのできる画期的なマーケティング手法である。

また、このマーケティング手法は、大きく分けて以下の3つのモデルに分類することができる。 それらは、1.キューレーションモデル、2.コンテストモデル、3.スタートアップモデルの3つである。

スタートアップモデルはこちらの記事を参照していただくとして、今回はキューレーションモデルとコンテストモデルの2つをご紹介したいと思う。

共同体験を創出する、キューレーションモデル

前回のブログでも紹介したように、近年、画像や動画などのビジュアルコンテンツの活用に注目が集まっている。手軽に楽しめるフォーマットなので、ソーシャルメディア上で拡散されやすいのである。

では、ユーザーから集めたコンテンツを編集して1つの動画に仕上げたキューレーションモデルの事例を2つ見てみよう。

初めはこの動画から。

http://www.youtube.com/watch?feature=player_profilepage&v=5triW1_sKKc

これは、「世界で最も長い、リンゴの落下」というゼネラル・エレクトリック(以下、GE)のコンテンツである。「引力の日」を祝してこの動画を制作するにあたり、同社は世界中から「リンゴを落下させる」Vine動画を募集し、1,000人以上のユーザーがこれに応募した。

動画であれば、コミカルな演出などもしやすいので、お堅いイメージがあるGEのような企業でも、いつもと違ったフレッシュな面などを見せることができる。

次は、この動画を見てみよう。

http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=DgmQV7hGQXM

これは、2014 Lexus ISをフィーチャーした動画である。200人以上のユーザーが現場に集まって、その姿をInstagram に収めていき、最後にこの動画に編集している。

ユーザーから集めた映像が次々と現れ、Lexusにふさわしい疾走感溢れるコンテンツとなっている。この疾走感も、動画コンテンツでしか表現しえないものだろう。

成功要因は?

さて、このキューレーションモデルの成功要因とは何だろうか?

それは、ユーザーの「思い入れ」を喚起することにある。誰しも自分の関わった作品には、思い入れを抱くものだ。自分が携わったイベントや映画などは、たとえエキストラであったとしても、友人に「あっ、これ私が携わっていたやつだよ!」とアピールしたくなるものではないだろうか? 

映像の一部を使ったり、クレジットとして載せたり、ユーザーをそのコンテンツの共同制作者としての地位を与えることで、この「思い入れ」を喚起することが、このモデルの成功要因だろう。

思い入れを芽生えさせる事ができれば、彼らはオンライン・オフライン問わず、クチコミでこのキャンペーンを広めていってくれるのだ。 

ユーザーの「熱量」を活用する、コンテストモデル

Instagramなどを利用して、コンテストを開催している企業も多い。

例えば、H&Mは、「アメリカ50州のファッション・コンテスト」を実施し、一般ユーザーがコーディネートを競えるようにしている。

curation-contest-user_2.png

出典:H&M 50 States of Fashion

他にも、Levis、Top Shopなど多くのアパレルブランドがこのようなコンテストを実施しているが、このようにユーザー同士が「競う」ことによって、「もっとオシャレになりたい!」というファッション熱が高まる効果がある。

また、動画のコンテストも行われている。

例えばGEでは、「6秒間の科学」というタイトルの動画コンテストを実施している。6秒以内で科学的な事象を捉えたビデオを制作して応募するという内容だ。ジャガイモやコインを用いて豆電球を点けてみるなど、面白い内容のものが集まっている。

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=iNdBHmZAOr4

成功要因は?

では、このコンテストモデルの成功要因とは何だろうか?

それはズバリ、ユーザーの「競争心」を刺激することにある。

競争心を刺激することにより、私の方が優れているという承認欲求を喚起し、コンテスト参加というアクションを促すことができる。例えば、H&Mのケースでいえば、自分のオシャレさをアピールしたい、という承認欲求、競争心を駆り立てる仕組みが功を奏したと言えるだろう。

また、コンテストに参加したユーザーは、勝利のために積極的に友人に投票を仰ぐので、ソーシャルでの拡散も期待できるだろう。

彼らの競争心を刺激し、「熱量」のあるコンテストを生み出すこと、これがこのモデルの成功要因である。

まとめ

いかがだっただろうか。 ユーザー参加型マーケティングの“躍動感”を感じて頂けただろうか?

このユーザー参加型マーケティングの本質は「体験」を通じて消費者と企業を繋げることにある。

今までは広告などの情報提供で繋がっていた企業と消費者を、躍動感のある有機的な体験を通じて繋げるのである。

するとどうだろう? 消費者は、企業に対し愛着を抱くようになる。さながら一緒に遊んだ友人のように、一緒に働いた同僚のように、言い知れぬ「絆」で結ばれているような気がしてくるのだ。この絆こそが、ブランディングの目指すエンゲージメントやロイヤリティーの正体であり、企業の競争の源泉になりえるのだ。

この大きな可能性を秘めたマーケティング手法を、ぜひみなさんも試してみてはいかがだろうか?

参照元:Inspire Powerful Content From Your Brand Fans: 5 Examples and Ideas Photo: Some rights reserved by Some rights reserved by firepile, flickr