実践!クラウドソーシングとクラウドファンディングを併用して小さなプロジェクトを大きく育てる方法

コンテンツマーケティング
「クラウドソーシング」と「クラウドファンディング」は、ともにインターネット上でプロジェクトを立ち上げるときに役立つサービスだ。
さらに、併用することで、小規模なプロジェクトでも実現がしやすくなる。しかし、両者は似たような言葉であるせいか、しばしば意味を取り違えられたり、勘違いされたりしている。
そこで、クラウドソーシングとクラウドファンディングについて改めて解説するとともに、これらを組み合わせたユニークなコンテンツ事業の取り組みを紹介する。
クラウドの用語は2つある
本題に入る前に、IT関連で目にする「クラウド」には、雲を表す「cloud」と、群衆を意味する「crowd」の2つがあることをまず知っておいてほしい。
前者の「cloud」は、インターネット上でデータなどを閲覧・共有するサービスやシステムを例えるときに用いられる。「クラウドストレージ」をはじめ、最近では身近になったサービスであるため、クラウドといえば全てcloudを意味するものと解釈しがちだ。
しかし、これから説明するクラウドソーシングとクラウドファンディングの「クラウド」は、英語で表記すると、どちらも後者の“crowd”である。
クラウドソーシング・クラウドファンディングとも、インターネット上のサービスとして提供しているため、雲のcloudを想像してしまいがちだが、正しくは、「群衆」あるいは「不特定多数」を意味するcrowdの方なので、あらかじめ踏まえておきたい。
インターネット上の人に業務を委託できるクラウドソーシング
クラウドソーシングは、会社や個人事業の一部の業務・作業を、インターネットを介して、他者に請け負ってもらうサービスである。具体的な仕事内容と報酬を提示し、それを見て応募してきた人と、個々に契約して作業を進めていく。
クラウドソーシングでは、技能をもった専門家に委託できるほか、単純作業を多人数に発注し、短期間で仕上げることも可能だ。アメリカでは、クラウドソーシングを使った業務委託が活発で、日本でも近年注目されはじめている。
インターネットで資金を調達できるクラウドファンディング
一方のクラウドファンディングは、インターネットで事業などに必要な資金を調達するためのサービスである。これから行いたい事業や製品・サービス開発の内容を掲示し、それを見て共感した人が資金を援助する仕組みだ。
クラウドファンディングを使えば、自己資金がなくても、自ら実現したい事業やサービスをはじめられる。そのため、小さなアイデアも努力次第で形にできるのだ。
クラウドファンディングを提供するサイトとしては、「Kickstarter」が世界的に有名である。日本の主なサービスとしては、「CAMPFIRE」や「REDYFOR?」などがある。
併用すれば、小さなコンテンツが大きなマーケティング活動に!
前述の通り、クラウドソーシングとクラウドファンディングは似て非なるサービスであるが、とても相性がよい。クラウドファンディングで資金を調達した後、それを元手にクラウドソーシングで作業や業務を委託すれば、小さな事業でも形にすることができるだろう。
クラウドソーシングとクラウドファンディングの併用は、コンテンツを軸にしたマーケティングにも応用できる。その実例として、東京都港区の魅力を国内外にアピールするために起ち上げられた「コレ芝-tokyo-プロジェクト」を紹介しよう。概要は、以下のYouTube動画を見てほしい。
コレ芝-tokyo-プロジェクト 概要
このプロジェクトは、まず、クラウドファンディングなどを使って運営資金を募り、動画配信の字幕作成やブログ記事の執筆、Facebookでの情報発信といった作業をクラウドソーシングで委託している。
プロジェクトの進行状況は、順調のようだ。クラウドソーシングで専属のライターと翻訳担当者を募集して、適任者を確保。現在は、ブログの更新や多言語による情報発信活動をはじめている。さらに、オリジナルのキャラクターも考案し、ブログに起用している。今後は、LINEスタンプを作成してもらい、キャラクターを用いたマーケティング活動にも力を入れていくようだ。
「コレ芝-tokyo-プロジェクト」は、たった2人ではじめたプロジェクトだ。それをクラウドソーシングとクラウドファンディングを有効活用して発展させている点は、ぜひ参考にしていきたい。
このように、クラウドソーシングとクラウドファンディングの組み合わせは、小さなプロジェクトを実現するのに大きな力を発揮する。自前のコンテンツを世界中に広めるだけでなく、キャラクターの制作やブランド化といった、マーケティング活動にも大いに活用できそうだ。
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