どうやったら”伝わる”のか?コンテンツマーケティングの成果が出ないときに見直すポイント

コンテンツマーケティング

 日本でも「コンテンツマーケティング」に意識的に取り組む企業も増えてきました。ただ、実際には、結果につながっていないという事例も少なくない……。「成果が出るまでに時間がかかるとは分かっているけど、なんとかならないの?」。そんなみなさんの声にお応えして、イノーバで多数の戦略コンテンツの制作を担当しているコンテンツディレクターの大島に、“改善のポイント”を聞いてみました。

コンテンツの基本は「誰に」「何を」「どうやって」

-そもそもコンテンツマーケティングとは何でしょうか?

コンテンツマーケティングに対し、多くの方は当初「SEOの代替」というイメージを持たれていたかと思います。Googleがアルゴリズムを変更し、SEO対策をしていた各企業は、何をすればいいのか分からなくなった。それで「どうやらコンテンツを作るといいらしい」となったのです。

ただ、SEOの代替という認識なので、単に数を作ることだけが重要だ考えている方も少なくありません。しかし本来であれば、コンテンツに求められるのは“質をともなった数”です 。

無闇に数を求めてしまい、コンテンツを作ったけど成果があがらない、コンバージョンに至らないという課題を抱えている企業は、まだ多くいる印象です。

そもそもコンテンツマーケティングとは、ユーザーとのコミュニケーションなのです。「誰に」「何を」「どうやって伝えるか」という3つが決まっていないとコンテンツは作れません。

やたらと大量に記事を作ると、何を言いたいのかがわからなくなってくる。1記事1記事が単体になってしまい、まとまらないのです。まとまりのあるコンテンツとして生成できないので、ユーザーに届かない。

サイトに来たとしても、「このサイトは何のためのサイトなのか」ということをユーザーが理解できず、必要なときに思い出すという行為にいたらない。ユーザーに伝えたいクリアなメッセージを届けるためには、コンテンツの内容を検討すべきでしょう 

-コンテンツマーケティングはユーザーとのコミュニケーション。

そうです。なので、記事だけがコンテンツではありません。トップページも、そこに配置するお客様事例も、価格表も、画像や動画も、すべてがコンテンツです。その一つ一つが“ユーザーとのコミュニケーションの場”ととらえる。それがコンテンツマーケティングです。

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WEBサイトを立ち上げ、SEOで表示させようとする。それだけでは一方的な発信ですよね。「作ったから見てくれ」「見てもらえれば効果が出る」という発想です。一方でコンテンツマーケティングとは、ユーザーとのコミュニケーションなので、「どうしたら見てもらえるだろうか?」と考える必要があります。

ユーザー視点、顧客視点で考えたときに、コンテンツをどう伝えるべきなのか。今までは一方的に“伝える”というコミュニケーションだったのが、ユーザーに“伝わる”ためには何が必要なのか。それがコンテンツマーケティングを実践する際の基本的な考え方です。

【POINT】

  • コンテンツマーケティングはSEOの代替ではない
  • コンテンツマーケティングはユーザーとのコミュニケーション
  • コンテンツマーケティングの基本は「誰に」「何を」「どうやって」伝えるか
  • コンテンツマーケティングは顧客に“伝える”のではなく“伝わる”を意識するべし

ユーザーに“伝わる”内容になっているかどうかを見直す

-改善するにあたって、何から始めればいいでしょうか?

改善の第一歩は「誰に」「何を」「どうやって」を見直すことです。

「誰に」とは、自社の製品やサービスを欲しいと思うであろう顧客像を定義づけること。「ペルソナを作る」と言います。「顧客の課題」をもとに、「自社の製品・サービスを必要だと思う人」を考えることが重要です。

「何を」とは、コンテンツマーケティングによって集客したい製品やサービスそのものです。SWOT分析などによって、あらかじめ強みや弱みを把握しておく必要があります。「何故その製品・サービスが顧客にとって必要なのか」を考えます。

「どうやって」とは、ペルソナに響く情報を考えること。単なる「お役立ち情報」というだけでなく、ペルソナがその情報を得ることで、より良い未来を描けるようにすることが重要です。そういった、ペルソナが欲しいと思われる情報を適切な媒体で配信します。

「誰に」「何を」「どうやって」を盛り込んでコンテンツを制作し、サイトに配信し、ペルソナにとって有益なサイトであると認識してもらえると思います。有益な情報を発信してくれるサイトであれば、とくに必要のないサイトに比べて、信頼度が高まります。

ですので、改善の流れとしては、まず自社の強みを知り、次にどんなユーザーが欲しがるのかを分析し、手法も含めて適切なコンテンツを配信できているかどうか、と考えてみること。

そのうえで、コンテンツ自体を洗いだします。今までの記事だけではなく、価格表なども含めて、WEBサイト全体を見直します。ポイントはユーザーに届く内容になっているかどうか。

あとは、それぞれの問題を改善するだけです。最終的にはコンバージョンできているかどうかにつながると思いますが、そのためには、サイト全体を見直していく必要があります。

-その他、改善のポイントはありますか?

自社のコンテンツをすべて洗いだしたとき、顧客がその製品を「良い」と思うまで至るには、情報の足りないところが見つかるはずです。そこで、足りない部分を補ってあげる。まずは1本でもいいので、「製品を知らない」ところから、コンバージョンに至るまでの情報の導線を作ってみることです。

この記事で流入し、次にこのコンテンツを見て、さらに動画で商品の必要性を理解してもらい、セミナーで優位性を訴求。最終的に商談でコンバージョンにいたる、というように。

まず、導線を1本作ったうえで、流入を増やしたいのか、コンバージョンを増やしたいのか、ファネル構造で考えてみる。1本でも通っていれば、その1本に結びつくように上程を広げていく。流入を増やしながらも、適切な1本につなげていくことが大事です。

【POINT】

  • コンテンツ改善の第一歩は「誰に」「何を」「どうやって」の見直しから
  • 「誰に」とはペルソナを決めること
  • 「何を」とは商品やサービスを決めること
  • 「どうやって」とは適切媒体と最適なコンテンツを決めること
  • 1本でもいいので、コンバージョンまでの「情報の導線」を作ってみること

コンテンツ制作のポイント

-コンテンツ制作のポイントを教えてください。

ペルソナ一人ひとりに対して、「あなたがこの商品を導入するとどんな良いことがあるのか」「この商品があるおかげであなたの企業、あなたの業界がどのように変化するのか」という未来を見せてあげることが重要です。

解決方法を提示する記事は多いですが、解決策だけ提示されても、必要性を感じられないことが多いのです。その商品を手に入れることによって、今まで届かなかったところに手が届く、今まで想像もできなかった未来が待っている、というのを見せてあげることが大事です。

その際、必要なのが「ペルソナごとに情報を発信すること」です。 

まずは大枠でユーザーをとらえ、ペルソナでわけていく。ペルソナごとに、それぞれの段階も理解しなければなりません。いわゆるファネル構造というものです。 

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そのうえで、自社の商品を導入するまでに、ユーザーの感情がどのように変化するのかを洗い出していく、想定していく、仮定していく。ユーザーの態度変容について仮説を立てるということです。「カスタマージャーニー」と言います。

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ユーザーのフェーズを理解したうえで、サイトに来たお客様が今、どのフェーズにいるのかを把握し、ユーザーを管理する。ただ闇雲にコンテンツを作っただけではコンバージョンにはなかなか至らないでしょう。

【POINT】

  • コンテンツにおいては、ペルソナ一人ひとりに未来を見せる
  • 解決方法を提示するだけでは人は動かない
  • ユーザーごとにコンバージョンにいたるまでの段階を知る(ファネル構造)
  • ユーザーごとにコンバージョンにいたるまでの態度変容を知る(カスタマージャーニー)

まとめ

コンテンツマーケティングの基本は「誰に」「何を」「どうやって」。そのうえで、適切なコンテンツを使って、顧客と正しくコミュニケーションすることを意識するべきなのですね。

これまで「どうやって“伝える”か」をばかり気にしていた方は、ぜひ、「どうやったら“伝わる”か」へと発想を切り替えてみてはいかがでしょうか。