アイデアとインパクトで6秒間勝負!海外企業から学ぶVine動画のつくり方

デジタルマーケティング

いきなりだが、筆者は初め、Vine動画の良さがあまりよくわからなかった。同じ映像が、せわしなく繰り返されるのを見て、正直、うっとうしいとさえ思ったこともある。

しかし、あれから、考えは180度変わった。効果的で、説得力のある作品を目にするようになったからである。

本記事では、海外の企業が作成した、クリエイティブでインパクトの強いVine動画を複数ご紹介しようと思う。

Vine動画の例その1:ヒューレット・パッカード

ヒューレット・パッカードのPavilionは、ディスプレイが360度回転するのが特長。それを6秒で説明しているのが、こちらのVine動画だ。

Robby Ayala:Hewlett-Packard Pavilion x360

Pavilionなら、ディスプレイを回転させることで、ノートPCからタブレットに早変わり。普通のノートPCで同じことをすれば、もちろん壊れてしまう。商品の特長を抜き出して、従来の製品と比べただけの、とてもシンプルな作品だ。

Vine動画の例その2:アディダス

アディダスのVine動画は、ワールドカップで使用された歴代のサッカーボールを紹介している。開催国と都市が記された床の上を、ボールが、デザインを変えながら転がっていくというものだ。

メキシコで開催された1970年の大会から、先日のブラジル大会まで、全てを6秒で伝えているアイデアが素晴らしい。

adidas UKによるVine動画

Vine動画の例その3:フォルクスワーゲン

フォルクスワーゲンは、1955年式ビートルが世界を三度旅している姿を、たったの6秒で表している。古い白黒写真のコラージュというスタイルも、味があって良い。

さらに、中心にあるビートルに注目しながら見ていただきたい。車が1回転しているのがわかるだろうか?

Volkswagen CanadaによるVine動画

Vine動画の例その4:オレオ

以前、オレオクッキーのアレンジレシピを紹介している動画シリーズ「Oreo Snack Hacks」をご紹介した(1枚の写真からユニークなソーシャルコンテンツを生み出す巧みな技:オレオの事例)。

実はこのシリーズ、YouTube版だけでなく、Vine版も提供されている。その1つが、こちらだ。

Oreo CookieのVine動画

砕いたオレオクッキーと牛乳で、「オレオ氷」をつくるレシピ動画は、6秒間がちょうどぴったりのようだ。

Vine動画の例その5:Rhein-Zeitung

ドイツの新聞社「Rhein-Zeitung」は、新聞が、どのようにつくられるかを6秒で見せている。新聞社へ社会見学に行かなくても、ドキュメンタリー映像を見なくても、このVine動画だけで、つくる過程が伝わるのがすごい。

Rhein ZeitungのVine動画

Vine動画の例その6:QUIT

QUITは、禁煙を促し、サポートする機関。喫煙者は、6秒に1人の割合で、喫煙と関連のある病気により亡くなっているのだそうだ。この、「6秒に1人」というのが、Vine動画の制限と、ちょうどマッチしていた。

QUITのVine動画

鼻と口がアップになった人物が煙草を吸う映像と、「この動画が、もう一度再生されるまでに、喫煙者が、もう1人死ぬ」というメッセージ。これは、かなりインパクトが強く、6秒という長さがメッセージの効果を高めることに貢献している。

Vine動画の例その7:Lowe’s

ホームセンター/生活家電チェーンの「Lowe’s」は、6秒のハウツーガイドを公開している。

そのうちの1本が、こちら。

Lowe’sのVine動画

「庭の植物にトウガラシを振りかけておくと、リスを寄せつけないよ」というものだ。役立つ情報は、6秒間でも、十分に伝えられるということを証明している。

Vine動画の例その8:ASOS.com

「ASOS.com」は、イギリスのファッション通販会社。通販の場合、当たり前だが、購入者は皆、箱に入った商品を受け取ることになる。

この会社は、お客さんに、ハッシュタグ「#ASOSUnbox」を使って、届いた箱を開ける瞬間のVine動画をシェアするよう呼びかけた。

箱を開けて商品を手に取るのは、通販において、一番楽しみな瞬間のはず。ユニークであると同時に、とても強力なキャンペーンだ。

ASOSのVine動画

Vine動画を編集したYouTube動画例(番外編):Airbnb

最後は、宿泊施設の貸し借りマッチングサイト「Airbnb」による、とてもクリエイティブな作品だ。6秒という壁を超えて、4分半の美しい短編映画をつくったのである。

内容は、1枚の紙の物語だ。あるコピー用紙が、紙飛行機や船に姿を変え、ときには、ゴミとして捨てられたりしながら、旅をしていく姿が描かれている。

Airbnbは、ユーザーたちに、旅をする1枚の紙のVine動画をつくるよう呼びかけ、それらを編集して出来上がったのがこちらだ。

Hollywood & Vines: The first short film made entirely of Vines

http://www.youtube.com/watch?v=laCLVzWpS0I

最後に

今、振り返ると、筆者が「Vine動画を良い」と思わなかった理由は、目にした作品が、ただ単純に、6秒間に収めただけのものだったのではないかと思う。そして、6秒間だからこそ、意味のある動画にすれば、これだけ強い印象を与えることが可能であることも、今ではわかる。

今回ご紹介したなかに、ヒントやアイデアを得られるような動画はあっただろうか?

6秒間という、短く限られた時間だからこそ出せるインパクトを意識しながら、創造性に富んだ作品を生み出していただきたい。

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