コンテンツマーケティング企画を上司に通すための方法

コンテンツマーケティング

「ウチもコンテンツマーケティングを取り入れませんか…!」と上司に提案する時、想定される反応があるだろう。

「なんだそれ?初めて聞いたんだけど」

「もうすでに他のキャンペーンをやってるから、必要ないだろ」

等々と返されてしまう場合が多いのではないだろうか?

やっとの思いでコンテンツマーケティングの概念や重要性を理解してもらい、「ようやく実践できる…!」と思っていたら、「でも今年はもう予算組めないから、また来年ね」の一言で奈落の底に突き落とされたマーケターも少なくないだろう。

今日は、そんな強敵?である上司にコンテンツマーケティングの費用対効果の高さをうまく説明する方法を紹介していきたい。想定される「上司からの質問」別に見ていくことにしよう。

「なんだそれ?ウチはすでに他のキャンペーンをやっているから、必要ないだろ」

こんな風に「コンテンツマーケティング」を初めて知った上司に対しては、これが「失われることのない資産」であることを強調しよう。

1週間だけのセールスキャンペーンなどは、派手に行えば企業の認知度も一気にアップする場合があるが、その期間が過ぎたら「おしまい」である。莫大な費用がかかることもあるが、永続的ではない。紙媒体への折り込みチラシやテレビCMなども同じだ。「目立つ」が、消える。

それに対して、コンテンツは半永久的にオウンドメディアに公開しておくことができる。短期的な効果とともに長期的なマーケティング効果も狙えるのだ。

1つ具体例を見てみよう。先日ECサイトこそコンテンツマーケティングを始めるべき理由でホームセンターのコメリを紹介させていただいた。同社のサイトでは10年前くらいから内容の濃いコンテンツを連載していて、それが始まった頃よくそのサイトに見に行っていた。*そのサイトはこちら→?みんなもガーデンデザイナー

これはイギリスのガーデンデザイナーらがガーデンデザインのコツを紹介するコンテンツなのだが、その日付に注目してほしい。連載期間が2004年のコンテンツもいまだに公開されているのだ。このように、優れたコンテンツは「永久資産」として価値を発揮し続け、アクセス数・PV数をロングテールで稼ぎ出してくれるのだ。

良質なコンテンツの重要性は、このようにして上司に分かってもらえるかもしれないが、次にその上司のこんな反応が予想されるだろう。

「え?こんなにいい情報をコンテンツにしたら、ライバル企業にも知られちゃうじゃないか!もったいない!」

こんな風に言われたら、「逆に、こんなにいい情報を持っているのに、企業内だけにとどめておくのはもったいないですよね?」とすかさず切り替えしてみよう。

昨今のネットユーザーは情報化社会にもまれ、目が肥えている。他社が持っていないような情報を公開するのはもったいないという気持ちも分かるが、そのような情報こそ彼らが求めているものなのだ。公開してもかまわないものを厳選すればいいだけだ。

また、「いい情報」をコンテンツにすると、SEOでも効果があることを強調しよう。先月、Google のアルゴリズムがHummigbirdに変更されて以来、何にも増して「良質なコンテンツ」がSEO上重要な地位を占めてきているのだ。

さて、それでもまだ上司からのこんなツッコミが予想されるだろう。

「でも、そんな新しいマーケティング手法、まだ効果が実証されてないんじゃないの?」

「やっぱりそう来たか」と言いたくなるツッコミであるが、すでに行われている調査の結果などを用いて、コンテンツマーケティングの効果を示そう。

例えば下記のようなものだ。

・Kapost and Eloqaの調査によると、1件のリードを獲得するのにかかる費用はペイド・サーチで111.11ドルだったのに対し、コンテンツマーケティングでは32.25ドルとなっている。3分の1以上のコスト削減に成功しているのだ。 ・Hubspotの調査によると、アウトバウンドマーケティングのリードのクローズ率が1.7%だったのに対し、オーガニック検索のリードのクローズ率は14.6%だった。コンバージョン率も約8倍アップさせることができるのだ。

さて、ここまで来たら、あとは決済のみ!のはずなのだが…提案する時期によっては、こんなことを言われてしまう可能性もある。

「けど、今年はもう予算組めないから、また来年提案してね」

こんなお言葉を最後の最後に頂戴したら、「ここまで説得したのにウソだろ!勘弁してくれ!」と言いたくなるだろうが、それをグッとこらえて「いえ、来年まで待てません」と冷静に切り返そう。

そして、その理由として、次のようなことを挙げよう。

1. コンテンツマーケティングのように新しいマーケティング手法は、ライバル他社に先がけて取り入れることによって、注目が集まる。もたもたしていると他社に先を越されてしまう。

2. デジタルネイティブ世代が主な消費者層になる時代がすぐそこに来ている。彼らは幼少期から情報化社会の中で生きてきて、自ら情報を探すことに慣れている。従来型の広告を受けつけない者もいる。このような顧客層を早いうちから掴んでおく必要がある。何カ月も待っている余裕はない。

まとめ

いかがだっただろう?

マーケティングの決裁者である上司を説得できる気がしてきただろうか?

それでもまだコンテンツマーケティングを激しく移り変わるIT環境の中で現れた「一過性のブーム」と捉える上司もいるだろう。

しかし、そのような上司に対しては、「プラットフォームなど小手先の手法は次々変わっても、コンテンツの重要性そのものは変わらないのです。変わるのはコンテンツの使い方だけです。」という決定打で立ち向かおう。健闘を祈る。 Photo: Some rights are reserved by?Tara Tiger Brown, flickr

人気記事