コンテンツマーケティングにありがちな5つの課題と解決法

コンテンツマーケティング

あなたがマーケティング担当者あるいは責任者であるならば、コンテンツマーケティングに限らずとも、今から挙げる5つの課題のうち、いくつかに心当たりがあるのではないだろうか?

Z Squared Media LLCの創始者であり、コンテンツマーケティングのスペシャリストであるJoe Pulizzi氏が、今日のコンテンツマーケター(以下、担当者)にありがちな5つの課題と解決法を提示している。それらの課題が、担当者たちの持つ能力を押さえつけてしまっている可能性があるという。

あなたの能力が押さえつけられてしまうその前に、ぜひこれらの解決法から実践的なヒントを得ていただければ幸いである。

課題1. ”器用貧乏” 症候群にかかっている

北米のBtoB(企業間)コンテンツマーケターに対して彼らが行った調査によると、北米のコンテンツマーケティング担当者は、平均して16ものチャネルを使っている。

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出典:B2B Enterprise Content Marketing: 2013 Benchmarks, Budgets, and Trends—North America

”担当者がコンテンツを制作しているチャネル(電子メール、オンラインセミナー、ブログ、ソーシャルメディアなどのデジタルコンテンツから、さらに印刷物やイベント、対人チャネルに至るまで)の煩雑さが、彼らを精神的に参らせてしまっている”

解決法:1つのチャネルに重心を置く

“1つのチャネルを選んで、それを育てること。まずは、その選んだチャネル上の顧客のために情報を提供することにエネルギーを注ぐこと。他の複数チャネルを活用しなくてもよいということではなく、中心的なチャネルに担当者の「重心」が存在しなければならないことを、意味する。”と、Pulizzi氏は語る。

企業が中心的なチャネルに「重心」を置いている身近な例として、まさに今、あなたが読んでいるこのTHE CONTENT MARKETINGこそが、イノーバの中心的な情報発信チャネルであると言える。それは企業や業種により、SNSである場合もあれば、メルマガである場合もあるし、動画サイトである場合もある。

課題2. コンテンツのパフォーマンス(効果)に問題がある

“顧客のことを考えていない・平凡でありきたり・顧客にリーチ出来ていない・顧客の助けになっていないコンテンツを提供していながら、そのパフォーマンスを計測しているのであれば、それこそ痛烈な問題である。”

これが問題であることは、マーケターなら知っているべき「キホンのキ」なのだが、いざコンテンツを作り始めるとこの課題に陥りやすい。

解決法:ユーザー視点を徹底する

“製品やサービスについて宣伝することよりも、顧客がそのコンテンツに期待している(得たいと思っている)結果や体験に焦点を当てること。”

さらにPulizzi氏は、コンテンツ制作の際にチェックしたい3つのポイントを付け加えている。

・ “誰に向けてこのコンテンツを発信しているのか”
・ “このコンテンツに触れた後、顧客は顧客の何をより良くすることができるのか”
・ “このコンテンツに触れた顧客が、それを他人にシェアしたくなるか”

上記のポイントを確認するための下準備として、まず、企業あるいは担当者に課せられたミッションを書き出すところからスタートして欲しい。ミッションから外れたコンテンツを作って効果測定をしても意味がない。

課題3. コンテンツはたくさんあるのに、オーディエンスがいない

これも私たちの多くが抱えている問題だ。 Pulizzi氏が率いる Content Marketing Institute のコンテンツ戦略フレームワークによれば、オーディエンスを持ち、考慮に入れることは、プランニングの直後に来なければならない。

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出典:Build a Successful Content Marketing Strategy in 7 Steps

Pulizzi氏は、”もし、すでにコンテンツ制作を開始していても、まだオーディエンスがいないのであれば、コンテンツ制作を止めるべきである” (意訳) とまで言っている。

解決法:オーディエンス増加に注力する

・ “本質的なオーディエンス(購読者・ファン)を増やすことに注力する”
・ “影響力のあるオーディエンスのリストを作り、活用する”
・ “コンテンツにゲストの投稿や寄稿を起用する”

“経験上、通りすがりのオーディエンスと、購読者(あるいはファン)とでは全く異なった行動をする。購読者に向けて提供するひとつのコンテンツから更に別のコンテンツへの導線を作ることで、彼らは我々により大きな収益をもたらした。

特に、影響力のある購読者やファンのリストやデータを活用することは、新規購読者(あるいは顧客)の開拓に役立つ。また、ゲストの投稿や寄稿もあなたのコンテンツの購読者を増やすための戦略となりうる。“

というPulizzi氏の言葉からも、影響力のある購読者やファンを集め、惹き付けておくことは初期の段階から非常に重要なことだと言える。

課題4. 法律やコンプライアンスチェックのプロセスに縛られすぎている

“担当者は、組織の承認プロセスや法的に問題がないことを確かめる手続きを踏まなければ、コンテンツを公表できないことがほとんどだ。そのプロセスに縛られすぎている、という問題が恒常化していないだろうか?”

特に、数分、数秒を争うリアルタイム・コンテンツの世界でマーケティングを成功させるためには、コンテンツの生産・公開に、より迅速に対応する必要がある。

解決法:規則を定める

“事前に、コンテンツ制作チームおよびメンバー間で、法律およびコンプライアンス部門が同意した「規則」を共有しておくこと。コンテンツから生じる場合がある様々な問題に対処するために、法律・コンプライアンス部門が対応しなければならないことは常に心に留めておくべきである。”

5. 大きなプランはあるが、リソースが足りない

“「コンテンツマーケティングを正しい方法で実施したいけど、リソースが足りない」といったコメント(言い訳)を常に耳にする。企業は自分たちのコンテンツは自分たちの持っている素材やリソースで作るものだと考えがちだが、これは、大きな誤解である。”

解決法:コラボレーション・マーケティングを実践する

Co-creation つまり、企業間コラボレーションがこの問題を救う。”あなたの業種に最も相乗効果の高そうな組合せを見つけることでより結果が出る。

また、この戦略のボーナス・メリットとして、双方が相手の持つデータベースから新たな顧客を取り込めること、相手の顧客にも自社のコンテンツを配布し、影響を与えることができる点で一石二鳥の解決法と言える” (意訳) とPulizzi氏は提言している。

コラボレーション相手の選び方、自社のミッションを達成する方法などについては、『コラボレーション・マーケティングを成功に導く3つの方法』 をご参考にしていただきたい。

まとめ

以下にもう一度、5つの課題と解決法をまとめておく。

1. チャネルが多すぎる“器用貧乏”症候群 → 特定チャネルに「重心」を
2. コンテンツのパフォーマンスが悪い → 顧客が期待している結果や体験に焦点を
3. コンテンツはあるがオーディエンスがいない → まずは購読者やファン獲得を
4. 法律・コンプライアンスによる縛り → チームで法務部が認めた「規則」の共有を
5. リソース不足 → 他社とのコラボレーション・マーケティングを

日々の業務に追われると、基本的なことこそ見落としがちである。というのは、筆者にも経験がある。お読みいただいた方に心当たりのある課題があれば、ぜひこれらの解決法を実践してみてほしい。

参考元:B2B Enterprise Content Marketing: 2013 Benchmarks, Budgets, and Trends—North America
Photo: Some rights reserved by Chris Potter, flickr