CMSとしてのWordPressの実力は?

コンテンツマーケティング

現在、多くの企業サイトで活用されているWordPress。ライセンス費用は無償で利用できることもあり、業種にかかわらずさまざまな企業がWordPressでWebサイト運営を行っています。元々はブログ用のCMSであったWordPressですが、現在は世界中でプラグインが開発され、ブランドサイト、ECサイトなどあらゆる形態のサイト構築が可能となっています。

そこで今回はWordPressのCMSとしての実力は?ほかのCMSとの比較や企業サイトとして活用するのであれば知っておきたいプラグインなど、WordPressの活用方法についてご紹介します。

ブログ用CMSとして世界で活用されているWordPress

Contents Management System(コンテンツマネジメントシステム)の略であるCMS。Webブラウザからページの更新や編集管理ができることで、ゼロからWebサイトを構築するのに比べ、大幅に手間を削減することが可能です。またCMSにもよりますが、プラグインやデザインテーマが豊富に用意されていて、自由に組み合わせ見栄えの良いWebサイトが構築できるため、今では世界中で多くの企業サイトとしても活用されています。

一口にCMSといっても、さまざまな種類のCMSがあります。ここではその中でもWordPressをはじめ、代表的なものをいくつかご紹介します。

WordPress

W3techsの調査によると、2017年12月現在、全世界の29.2%のWebサイトがWordPressで制作されていて、CMSだけで見ると実に59.9%のシェアを持っています。実質、世界で最も活用されているCMSです。その人気の秘密はライセンス費用がかからず、サーバとドメインさえあればすぐにWebサイトの構築、公開が可能なこと、世界中でプラグインやデザインテーマが数多く公開されているため、思い通りのWebサイトが構築できることなどが挙げられます。

WordPressの人気は日本でも世界と同様に高く、ほとんどのレンタルサーバでインストールが可能なこと、ほかのCMSに比べ、日本語のチュートリアルやプラグインが多いことで、それほどHTMLなどの知識がなくともWebサイトの運営管理が難しくない点が人気の理由です。もちろん外部に制作を依頼する場合であっても、WordPress制作に対応していない制作会社はまずありませんので、予算ややりたいことに応じて自由に選択することができるのもWordPressの大きなメリットといえます。デメリットとしてはシェア率が高いため、ハッキング攻撃に合いやすいことが挙げられます。

MovableType

ブログ構築用CMSとしては老舗のCMSで、2001年より提供されています。日本では2004年から日本語版の提供が開始され、一時はCMSとして大きなシェアを持っていましたが、現在の世界でのシェア率はW3techsの調査で0.1%と、後発のWordPressに大きく水を開けられてしまっています。

開発当初は無償で利用できましたが、現在は企業が商用で利用する場合はライセンス料がかかること(個人利用は現在も無償)、シェア率が落ちてしまったこともあり、日本語のチュートリアルやプラグインの数もWordPressに比べ圧倒的に少ないことがMovableTypeのデメリットです。

Drupal

日本ではあまりなじみのないCMSかもしれませんが、W3techsの調査では4.6%でMovableTypeよりも高いシェア率を誇るCMSです。基本的にはWordPressやMovableTypeと同様にブログ構築用CMSですが、どちらかといえばWordPressに近いタイプのCMSで、ライセンス費用もかかりません。

海外に比べ日本でそれほど普及していない大きな理由は、日本語によるチュートリアルが圧倒的に少ないことですが、初期設定もWordPressに比べ若干、難しいところも特に初心者のかたにとってはとっつきづらく、普及を困難にしています。

XOOPS

これまでご紹介してきたCMSとの大きな違いは、XOOPSはコミュニティサイトや会員制サイトの構築に特化したCMSだということです。もちろんブログとしての利用も可能ですが、企業で活用する場合は、特定の商品のファンサイトや掲示板サイトとしての利用が多いようです。

日本語のチュートリアルも少なくはありませんが、バージョンが進んでいくごとに減少をしていること、近年では新たな拡張機能や機能改善の数も減っていることに加え、WordPressやMovableTypeに比べ専門知識がないと構築が困難な点などがデメリットといえます。

EC-CUBE

名前が示す通り、ECサイトの運営に特化したCMSです。独自店舗の構築、運営をする際にコストや手間をかけずにできること、日本の企業が開発、提供を行っているため日本語でのチュートリアルが多いことでECサイト用として人気のCMSです。ほかにECサイト構築に特化したCMSとしては「CS-Cart」、「osCommerce」、「Zen Cart」などがあります。

商品・顧客管理、受注・発送管理はもちろん、メルマガ配信や物流会社との連携などECサイトを運営するうえで必要なものはすべてそろっているCMSです。ただしこれはEC-CUBEに限ったことではありませんが、ECサイトという特性上、常に稼働させておかなければいけないこと、万全のセキュリティ体制を敷かなければいけないことなど、通常の企業サイト以上に気をつけなければいけないことが多く、そのためには専門の知識を持ったスタッフが必須となることはEC用のCMSを運用する際の注意点といえます。

OSClass

企業や自治体などで、求人サイトやBtoB、BtoCでのマッチングサイトを構築したいといった需要がある場合があります。このマッチングサイトに特化したCMSで代表的なものがOSClassです。会員登録が標準で付いていること、都道府県別など地域別のカテゴリ分け、検索システムが容易につくれること、登録したユーザーが簡単に情報の掲載、開示ができることなどマッチングサイトの構築に便利な機能が豊富なCMSです。

デメリットとしては、英語圏向けのサービスのため、フォーラムやガイドが基本すべて英語で日本語のチュートリアルはほぼないこと、プラグインの数が少なく、有料のものが多いことなどが挙げられます。

日本語でのチュートリアル、プラグインが豊富なことがWordPress最大のメリット

こうしていくつかのCMSを見てみると、なぜWordPressが世界ではもちろん、日本での人気が突出しているのかがおわかりいただけると思います。そもそも専門の知識を持っていないかたであっても扱いやすく、機能が豊富であるなどCMSとしての実力が高いことは当然ですが、それに加え日本語でのチュートリアル、プラグインがほかのCMSに比べて圧倒的に多く、できることの範囲が広いことがWordPressの最大のメリットであり、ほかのCMSにはない魅力となっています。

CMSの構築

それでは具体的にWordPressをCMSとして利用する際の構築方法についてご紹介していきます。WordPressでCMSを構築するうえで必要なものは、先述したように基本的にはサーバとドメインです。

現在、日本でレンタルできるサーバのほとんどがWordPressに対応しています。中には面倒な作業を必要とせず、必要事項を入力するだけで簡単にインストールできるサーバもありますので、そうしたサーバを選択すれば手間はさらに軽減することができます。

サーバ、ドメインを用意し、WordPressのインストールが終了すれば、いざWordPressの開設が可能になります。CMSの構築でもっとも重要なことは、サイトの概要、構成を決めることです。企業としてCMSを構築、運営していく理由は主に次のようなものが挙げられます。

  • 商品やサービスの問い合わせ・資料請求を増やしたい
  • 企業やブランドの認知を広めたい
  • Webサイトを使ってマーケティングを行いたい

この中で何を主目的とするかで、Webサイトの方向性は変わってきます。まずは主目的を決め、それに合わせた概要、構成を決めないと中途半端なWebサイトができ上がってしまいます。

主目的を決め、概要、構成を決めたら次は自分たちでどこまで運営管理を行うかを明確にします。いかに運営管理の手間が少ないといっても、自動ですべてができるわけではありません。主目的を達成させるには、つくったWebサイトをどう運営管理していくのか、自分たちでやるのか、外部に依頼するのかは、構築を始める前にしっかりと決めておきましょう。

続いて実際の構築作業です。まずはテーマの選択を行います。WordPressの管理画面からも検索することは可能ですが、GoogleやYahooで「WordPress テーマ ビジネス」などと検索すればビジネス利用に適した多くのテーマを探すことができますので、決定したWebサイト概要に合ったテーマを見つけます。なおテーマを決める際の注意点として、今後、Googleの検索結果の順位を決める要素のひとつとして、レスポンシブデザインであることが必須となりますので、SEOの観点からも必ずレスポンシブデザインのものを選ぶようにしてください。

次にページの作成です。WordPressでは「固定ページ」と「投稿ページ」があります。固定ページはトップページのほか、会社概要、事業内容、お問合せなど基本的に更新を必要としないページの作成に使用します。投稿ページは最新情報、お知らせ、スタッフブログなど常に更新をするページに使用します。どちらのページもブログを書くのと同じ感覚で簡単に作成が可能です。この固定と投稿のページをWebサイト概要に合わせて作成していけば、基本的なWebサイトは完成します。

CMSを運用していくうえでおすすめのプラグイン

Webサイトが完成すれば、次に重要なポイントは運営管理です。CMSはそれ単体でも運営管理の手間は軽減されますが、それだけではできることの範囲はそれほど広くはありません。そこで必要になってくるのがプラグインです。WordPressの豊富なプラグインを活用することで、運営管理の手間が軽減されるうえ、主目的を達成させられる確率も確実に高まります。そこでここではCMSを運用していくうえで代表的なおすすめのプラグインを7つご紹介します。

All in One SEO Pack

WordPressでSEO対策を行ううえで必須のプラグインです。Webサイト内前頁のメタタグ編集やXML Sitemapの自動更新、自動通知、GoogleアナリティクスやGoogleウェブマスターツールのコード設置など特にGoogleアナリティクスを使っている場合は必ず使用することをおすすめします。

W3 Total Cache

サイトの表示速度を早くするプラグインです。表示速度を速めることはユーザー体験として重要です。またSEO対策としても効果があるのでおすすめします。

TinyMCE Advanced

WordPressのページはブログを書く感覚で簡単に作成できますが、このプラグインを入れることで、さらに簡単にページ作成が可能になります。文字の拡大縮小、色付け、リンク、引用、画像の挿入などがボタンひとつで設定できるようになります。

Contact Form 7

HTMLやプログラムの知識がなくても簡単にお問合せフォームが作成できるプラグインです。企業サイトであればお問合せは必須となりますので、これも必ず入れておくべきプラグインです。

WP Social Bookmarking Light

企業サイトにかかわらず、ネットで集客をするうえで重要なポイントは大きくSEO対策とSNS対策の2つです。このプラグインはFacebookやTwitter、LINEといったSNSのシェアボタンや、はてなブックマークへの登録ボタンを簡単にページに設置できます。特に企業サイトでブログを書いている場合は必須のプラグインといえます。

Akismet

コメントスパムを防ぐためのプラグインです。これもブログを掲載してコメント欄をオープンにしている場合は必ず入れておくことをおすすめします。

SiteGuard WP Plugin

官公庁やメガバンクなどでも導入しているといわれているセキュリティソフトのプラグインです。WordPressはシェア率が高いためハッカーなどに狙われやすいので、セキュリティはしっかりと守りましょう。

プラグインは非常に便利で使い方によってはWebサイトの運営に大きな力を発揮しますが、反面、必要のないものを入れ過ぎてしまうとページが重くなる原因のひとつにもなりますので、しっかりと検討したうえで必要なものだけを入れるようにしてください。

近年、注目を集めているマーケティングオートメーションツールもWordPressで構築可能?

企業サイトの構築、運用するうえでWordPressが大きな力を発揮することは、十分ご理解いただけたと思います。企業サイトはもちろん、プラグインを使えば会員制サイト、ECサイトとして活用することも可能です。さらに近年、注目を集めている集客、販売促進、顧客管理などのマーケティングに関する業務を自動化させるマーケティングオートメーションツールとしてもWordPressは効果を発揮します。現在、WordPressではマーケティングオートメーションを行うためのプラグインもいくつか出ていますので、それらを活用すれば、マーケティング担当者の手間を軽減することができます。

WordPressの実力を100%発揮させるためには?

現在、WordPressを始めとしたCMSの普及により企業は今まで以上に簡単に自社のWebサイトを持てるようになりました。しかし簡単で多くの企業がWebサイトを運営するようになったことで、その分競争も激しくなっています。

そこで競合との差別化といった意味も含め、自社の顧客や見込み客との密なコミュニケーションを実現するためのツールとしても、単純にWordPressを使えばよいという時代はすでに終わっています。コストを削減したいから、手間を軽減したいからという理由だけでWordPressを導入してもうまくいく確率は少ないでしょう。

WordPressをCMSとして100%の力を発揮させるには、Webサイトを作成する主目的を明確にすること、自分たちでできる範囲で始めること、構築も含めできないときは必ず外部に依頼すること、プラグインを効果的に活用することなど基本的なことをしっかりと行います。そのうえで予算に応じて少しずつできることを増やしていくことがWordPressの実力を100%発揮させるポイントとなるでしょう。

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