長期的視野で考えよう!Webサイト基盤の選定基準:オープンソースCMS編

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Webサイト構築基盤として、CMSはもはやなくてはならないものとなりつつあるといって良いでしょう。HTMLやCSSなどに関する専門的知識が不十分でも、CMSを利用すれば見栄えがよく、かつ高機能なWebサイトを手軽に作成することが可能となります。
ところで、一口に「CMSを使う」と言っても、導入の方法にはいくつかの選択肢があります。そうした中から、Webサイトの目的や社内の体制にあわせて適切な方法を選ぶのが、CMSをうまく導入するための秘訣でもあります。
この記事ではそんな中から「オープンソースのCMS利用」という手法にターゲットを絞り、この方法のメリットやデメリット、導入に際して注意したい点などをご紹介したいと思います。
目次
オープンソースCMSとは
CMSを導入する際の選択肢の一つとして、「オープンソースCMSを利用する」という手法があります。これは、一言でいうならオープンソースのCMSを入手し、自社で用意したWebサーバにインストールして利用するというやり方です。
「オープンソース」とは本来「ソースコードが公開されている」という意味で、オープンソース形式で提供されているソフトウェアをOSS(オープンソース・ソフトウェア)と呼びます。CMSの世界では、WordPress、MovableType、DrupalやXOOPS CubeなどがOSSとして有名です。
オープンソースCMS
WordPress:https://ja.wordpress.org/
Drupal:https://www.drupal.org/
XOOPS Cube:http://xoopscube.jp/
オープンソースCMSの特徴
オープンソースとして公開されているソフトウェアの特徴は、ソースコードの複製・修正・再配布などが自由に認められていること。つまり、そのソフトウェアをベースとして一部機能を拡張したり、カスタマイズしたりして利用することができるのです。オープンソースのソフトウェアをカスタマイズして自社用として使うこともできますし、カスタマイズしたソフトウェアを新しい製品として販売したりすることも可能です(※1)。
また、無償でソフトウェアを利用できる場合が多いという点も、オープンソースのソフトウェアが持つ大きな特徴だと言えるでしょう。一般にはこちらの特徴の方が、「オープンソースソフトウェアの特徴」として認知されているかもしれませんね。厳密には、オープンソースであることと無料であることとはイコールではありませんが、WordPressやDrupal、XOOPS Cubeといった有名所のCMSは、基本的に無料で利用することが可能です。
※1:オープンソースのソフトウェアにはいくつかのライセンス形態があり、カスタマイズしたソフトウェアを公開する場合も、基本的にはもとのソフトウェアのライセンス形態が適用されます。代表的なものにGPL、BSD、MPLなどがあります。オープンソースのCMSを単に利用するだけであれば、あまり深く考える必要はありませんが、独自にカスタマイズを行って再配布することを考えている場合は、利用するソフトウェアのライセンスについてあらかじめ調べておくことをおすすめします。
オープンソースCMS利用のメリット・デメリット
ところで、オープンソースCMSを利用してWebサイトを構築する方法には、大きく分けて2つのパターンがあります。一つは自社のWebサーバやクラウドなどにオープンソースCMSを独自にインストールして使用する方法、もう一つはオープンソースCMSを利用して他社が運営しているASPなどを利用する方法で、この記事では主に、前者にスポットを当てて解説していきます。
※後者のパターンについては、以下のページで解説しています
【無料レンタルCMS編】長期的視野で考えよう!Webサイト基盤の選定基準
自社で用意したWebサーバにオープンソースCMSをインストールして使う最大のメリットは、柔軟性が高いということでしょう。デザインはもとより、Webサイトに独自の機能や動作などを付け加えるなど、自由にカスタマイズして使うことができるので、細部の作りにまでこだわったWebサイトを構築したい場合に向いています。
Webサイトのカスタマイズにも色々なレベルがありますが、独自の会員制サービスを組み込んだり、外部のソフトウェアやサービスとのデータ連携を行ったりするような大規模なカスタマイズを行いたい場合は、CMS本体のソフトウェアに手を入れざるを得ません。このような場合は、この方法を選ぶことになるでしょう。WordPressは「プラグイン」という追加プログラムをインストールすることで手軽に機能拡張が行えるようになっていますが、外部のASPサービスではプラグインの利用が制限されている場合が少なくありません。
また、Webサイトに何か問題が起きた場合に、迅速に調査・対応が行えるのもこの方法のメリットです。ただし、調査・対応を行える体制が自社にない場合は、このメリットは活かしきれません。
逆にデメリットはというと、導入時の手間やコストがかさむこと、加えてその後の運用にもそれなりのリソースが必要になるということでしょうか。
前述の通り、WordPressのようなオープンソースのCMSは無償で利用することができるため、ソフトウェア費用の面ではコストを抑えることが可能です。一方で、CMSをインストールするためのWebサーバは自社で用意しなくてはならず、これにはそれなりのコストがかかります。また、インストールやカスタマイズにはそれなりに専門知識が求められるため、対応可能な人材を確保する必要もあるでしょう。
更に、Webサイトを構築した後も、Webサーバのメンテナンスやソフトウェアの保守を行うための体制を整えなくてはなりません。こうした体制をきちんと整えるのが難しい場合は、オープンソースのCMSを自社サーバにインストールして使う方法は避け、外部のASPサービスなどを利用するほうが無難です。
メリット | 柔軟性が高い | カスタマイズなどが自由に行える |
環境を自社で管理できる | トラブル発生時の調査・対応を迅速に行える | |
デメリット | 導入時の手間やコストがかさむ | Webサーバなどの準備が必要
インストール作業の手間が必要 |
保守・運用のコストがかさむ | Webサーバやソフトウェアのメンテナンス、運用体制が必要 |
オープンソースCMS利用に際して注意したいポイント
ここまでの話をまとめると、Webサイトに独自の機能を追加し、かつ比較的低コストで運用したい場合は、オープンソースCMSを自社のWebサーバにインストールして使う方法を検討する余地があるといえるでしょう。
ただし、その場合はWebサーバの選定やインストールを行うスキルを持った人材を確保し、その後も長期的な保守・運用の体制が必要となることを念頭に置いておく必要があります。CMSのインストール自体は数万円~10万点程度で外部業者に委託することが可能ですが、インストール後に問題が生じたり、急なトラブルが発生したりする可能性もあるため、有事に際して即応できる体制を作っておくべきです。
特に、WordPressのように定期的にソフトウェアの自動アップデートが行われるシステムの場合、アップデートによってインストール済みのプラグイン等との互換性に問題が生じ、突然ページが表示されなくなるなどの問題が発生することがあります。こうした際に対応に遅れが出ると、自社のビジネスに馬鹿にならない影響が生じてしまうかもしれません。
可能であれば自社内に専門の運用・保守チームを設置するのがベストですが、それが難しいようであれば、有事に際して機敏に動いてくれるパートナーに保守・運用を委託することを検討したいところです。また、そうした外注体制を組む場合であっても、パートナーを統括して的確に作業を指示できる程度の基礎知識を持つ担当者を確保しておくことが望ましいといえるでしょう。
このような体制を整えることが難しい場合は、クラウド/ASP形式でレンタルしているサービスの利用を検討することをおすすめします。
保守・運用体制まで見据えて選択するのがポイント
以上、この記事ではオープンソースCMSを独自に入手し、自社のWebサーバやクラウドにインストールして使う場合のメリットやデメリットについて解説しました。
これから構築しようとしているWebサイトの性質、および自社の体制などを考慮した上で、適切な方法でCMSを選定して頂ければと思います。
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