中国EC(Eコマース)、利益なき市場拡大が続く

EC(Eコマース)
日本の経済が伸び悩む中で、多くの企業が中国に熱い視線を送っている。その中でもECは急成長している分野である。
今回、Internet Ratailerに中国のEC関連の統計が出ていたので、ご紹介したい。
中国EC、利益なき市場拡大が続く
中国EC関連の統計数字
1 BtoCのEコマース
- BtoCのEコマースの売上は、9.8兆円(7826億元)で、前年比で54%の伸び。
- EC化率は4.3%となり、米国の4.6%に匹敵するレベルに。
- 現在、中国は5億1300万人のネットユーザーを抱え、うち1億9400万人がオンラインで買い物をする。
- 2015年までに、ネットユーザーが7億人になりその47%、3億2900万人がオンラインで買い物をする。(BCG予測)
- 特に伸びているジャンルは、食品、アパレル、宝飾品
2 リアル+EC
- リアルとECを合わせた小売全体の市場規模は、226.5兆円(18兆1200億元)で、前年より約17.1%の伸び。
3 EC全体
- BtoBを含むEC全体の売上は、73.5兆円(5兆8800億元)で29.2% の伸び。
- 中国のGDPの12.5%にあたる。
EC企業は物流などに多額の投資を実施
- 中国のEC事業者の多くは、配送センターとインフラ整備に多大な投資を実施し赤字を計上。
調査会社のiResearchは以下のようなコメントを出している。 「ほとんどのネット通販業者の利益はとても低い。なぜなら多くのお金をインフラにつぎ込み、マーケットシェアを拡大しようとしているからだ」 「今は儲けより販売量に注力すべきだ。 そして、サプライ・マネジメントや販売チャネルのマネジメントといったようなオペレーション能力を高めるべきだ。将来の発展を支えるための投資なのである」(iResearh)
- Tencentは、EC・プラットフォームの更新や、物流センター、配送サービスの整備に10億ドルをつぎ込んだ。
- 蘇寧(スーニン)電器も、ECのオペレーションに10億ドルを使った
- ネット通販業第2位のの360Buyは、売上は前年の3倍以上なったが、1億7.000万ドルを失った。
- 第1位の天猫(Tモール)が利益を上げた一方で、3位と4位のアマゾン・チャイナとスーニンは赤字。
まとめ
中国のECは前年比54%増という想像を絶するスピードで成長を続けている。一方で、多くの企業がマーケットシェアを確保すべく、利益を犠牲にして投資を急いでいる。英語でLand Grabbing(土地の奪い合い)という言葉があるけれど、まさにそういう状況なのだろう。中国のECは要注目である。
写真クレジット:filmmaker in Japan
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