CMOとCIOのギャップを埋めてデジタル戦略の勝者に!注目の新ポジションCDOの役割とは?

デジタルマーケティング

CDO(Chief Digital Officer=最高デジタル責任者)が注目されている。つまり、CMO(Chief Marketing Officer=最高マーケティング責任者)やCIO(Chief Information Officer=最高情報責任者)のデジタル版で、新しいビジネスモデルを立案・推進する、社内におけるデジタル全般の司令塔である。

今後の企業のデジタル戦略に欠かせない新ポジションとして海外では注目を集めているが、調査会社のガートナーによると日本はもちろん、海外の企業の設置率もまだ少ないのが現状だ。

しかしながら、今後、CDOは確実に増えていくと考えられている。その理由は、CMOとCIOのギャップを埋めるという重要な役割を担える可能性があるからだ。

それでは、そもそもCMOとCIOの間にはどのようなギャップがあるのだろうか?

スピード重視のCMOと保守性重視のCIO

マーケティングの最高責任者であるCMOは、とにかくスピードが求められる立場だ。最新のマーケティング事情に常に目を光らせ、自社の数字を上げるためにさまざまな方法を実験し、検証していく必要がある。それに対してCIOは、最新の技術を駆使しながら自社サービスの最適化や効率化を求められる立場だが、そこにさらに最重要ポイントとして求められるのが「保守性」である。

フロントヤードで競争を求められる「攻め」の立場と、バックヤードで失敗が許されない「守り」の立場では、ギャップが生じるのは無理もない。また、現状ではCMOというポジションに最新のデジタル技術への精通は必須条件ではないため、そのギャップの差は広がるばかりである。

企業成長の鍵を握るCDOの役割

CDOはデジタル戦略の最高責任者として、リスクを冒してでもデジタルの分野を開拓していくことが求められる。最新の技術を駆使して、新しい製品やサービスの開発はもちろん、マーケティングにおいて新しいデジタル手法を試すなど、革新的な施策によって事業を強化し成長させていくポジションなのだ。

CMOよりも最新技術に精通していることで、CIOとのギャップを埋めることを期待されている。また、最新のマーケティング手法の荒波に揉まれながら、大企業の古い体質の中で保守的な動きしかできていなかったCMO。彼らに代わって、革新的な手法を提案していける立場として、デジタル戦略で更なる成長を望む企業には重要なポジションになる可能性を秘めている。

革新は危険を伴う

それでは、企業はCMOやCIOに取って代わる存在として、CDOという役職の設置を快く受け入れるのだろうか。

めまぐるしく発展していくIT技術の重要性を理解しているCEOであれば、将来への投資として、最新のデジタル技術を駆使する提案をできる人間が1人いることが、企業にとって将来どれほど有益なことかわかるだろう。しかしながら、最新の技術を試すということは、従来の技術で保守的に動くことに比べてかなりのリスクを伴う。

小さな失敗が、新しいものを試すための回避不能な結果であったとしても、それを容認できる器をもつ企業は少ないのである。それはガートナーの世界CIO調査結果において、企業の支出額の主な使い道が、「デジタル化のトレンド活用」と「インフラやERP(Enterprise Resource Planning=統合基幹業務システム)の刷新」という回答が半々だったことからもわかる。もちろん、日本のトップの支出額はERPだ。

CDOというポジションは普及するのか?

もはやデジタル技術を無視して現状維持をしているようでは、企業の飛躍的な成長は見込めないことは明らかである。CDOはその事実を踏まえた上で、企業に必須のポジションとなっていくだろう。

しかしながら、革新=危険と考え、新興企業や中小企業を買収することでリスクを回避してきた大企業にとって、危険なプロジェクトばかりを推進する人材の出世は、現状では見込めない可能性が高い。

そもそもCDOに着任できるほどの能力ある人材を育成、または新たに雇用できるかという問題も含めた上で、現状では急速な普及は見込めないかもしれない。しかし逆に、早くにCDOの重要性を理解し、設置できる環境にこじつけた企業こそが、飛躍的な発展を遂げられるチャンスをつかむともいえるだろう。

参考元: CDOs are ‘mercenaries’ coming in to fix CMO-CIO gaps — and drag enterprises into the future The Emerging Role of the Chief Digital Officer

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