BtoB / 形状測定器の製造・販売

株式会社光コム

光コム 取締役COO 野田直孝氏
野村総合研究所にて経営コンサルティング・事業再生に従事。その後、上場Webベンチャーなどを経て光コムに参画した。測定器事業を通じて日本発のインダストリー4.0の実現を支援する。専門は、事業経営・マーケティング、業務革新・システム開発。趣味は自動車、および自動車生産ラインの見学。

SEO効果でブランド認知に成功、Web経由で案件化・受注も

「光コム」技術を用いた形状測定器などの製造・販売を手がける株式会社光コム。同社は、自動車メーカーや部品・金型メーカーなどの製造業へのさらなるブランド認知を目指し、BtoB向けのコンテンツマーケティング基盤として「Cloud CMO」を採用、展示会とWebを連動した自社集客モデルを構築した。

同社 取締役 COO 上席システムコンサルタントの野田直孝氏に、マーケティグの取り組みや成果、Cloud CMOを活用したコンテンツ拡充の取り組みについてお話を伺った。

導入前の課題:ブランド認知のための施策が手つかずの状態に

イノーバのCloud CMOを使うことで、「手軽に、スピーディに記事を更新でき、本来のマーケティング業務に注力できるようになりました」(野田氏)。

「光コム」とは、光の成分が周波数軸上で「櫛」(くし=comb:コム)のように規則正しく並ぶ、特殊な光源である。高い安定性や可干渉性の特性が様々な精密計測に応用されている。

同社は東京工業大学発の技術ベンチャーとして2002年に創業した。主な製品は、78m先を5ミクロンの誤差で計測できる「光コム距離計」や、自動車をはじめとする様々な対象物の振動をリアルタイムに測定できる「多点振動計」、そして「3次元形状測定器」だ。

野田氏は、3次元形状測定器について「工場で製造するあらゆる製品の高速・高精度な3次元測定が可能です。製品の形状を10ミクロン以下の誤差で測定、データ化できるため、品質管理の自動化、スマートファクトリーといったIoTやインダストリー4.0の領域で活用していただけます」と語る。

同社は製品やブランドの認知度向上がほとんど手つかずというマーケティングの課題があった。「展示会に年1、2回出展する程度で、Webを使った製品告知についてはほぼ何もできていませんでした」と野田氏は説明する。

そこで、2015年に製品紹介サイトを立ち上げ、Webを活用したマーケティングに着手。サイトを管理するコンテンツマネジメントシステム(CMS)には、クラウド型マーケティングオートメーション・ツールであり、コンテンツ配信のプラットフォームやSEO効果測定ツール、メールマーケティング・ツール、レポーティング・ツールなどが統合された「Cloud CMO」を採用した。

採用の決め手として、野田氏は「シンプルな機能と使い勝手で、Web技術に詳しくない非エンジニアのマーケティング担当者でもすぐ簡単に使える点と、クラウド型ゆえに、出張の多い担当者でも場所を選ばずに作業ができる点にひかれました」と述べる。

2016年に入ってからは、キーワード検索によるサイト流入増を目的にSEOを意識したコンテンツ拡充と、サイト告知のためのWeb広告に取り組んでいる。野田氏は「併せて展示会を年10回程度に増やし、Webで興味を持ってもらい展示会に足を運んでもらうという集客モデルを構築しました」と説明する。

現在の取り組みと導入効果:PVは導入前の6倍に。Web経由での案件化、直販での受注に至るケースも

光コムの製品は、何らかの調整を伴う機材が多く、各分野のプロフェッショナルが日夜調整に携わっている。工学博士や大手機械メーカーでの勤務経験のあるメンバーであり、そうした人材も光コムの重要な資産としてコンテンツマーケティングで訴求していく。

現在、コンテンツとしては、製品の特長や優位性を紹介する「動画コンテンツ」とSEOを目的とした「記事コンテンツ」を制作している。動画は不定期に、記事コンテンツはCloud CMOのブログ作成機能を使って週に1本程度、専門分野の情報を記事化している。

コンテンツの告知は、Web広告のほか、クラウドのCRMツールと連動し、見込客にメールで通知している。野田氏は「サイト経由でお問い合せのあった見込客は、CRMツールに自動登録されます。その見込客に対して、動画コンテンツをアップしたタイミングでお知らせのメールを配信しています」と説明する。配信ペースは「相手にうるさいと感じられないよう、月1本程度に抑えている」そうだ。

記事コンテンツの更新は、野田氏が1人で行っている。同氏はさらに展示会の運営と告知、集客も担っており、営業活動とマーケティング活動を1人で両立するそのスピード感に、Cloud CMOの使い勝手がうまくフィットしているようだ。

野田氏は、「手軽に、スピーディに記事を更新できるおかげで、本来のマーケティング業務に注力できるようになりました。また、マーケティング予算を動画制作などに振り分ける最適化も可能になりました」とサイト更新にかかる運用負荷の低減を効果として挙げる。

スマホから記事が更新できるので「展示会の様子など、現地でスタッフが撮ったライブ感ある写真をリアルタイムにアップすることも可能になった」という。

SEOの観点からは、コンテンツの内容やキーワードを意識しながら定期的にコンテンツを更新していくことで、サイトへの集客を実現できた上に、そこから展示会への送客という効果も得られた。「『形状計測』『形状測定』『形状測定器』など、重要キーワードを意識しながら記事を作成。ニッチな分野ながらも、重要な検索ワードについて1位を取得。SEO効果がありました」と野田氏は説明する。

また、定量的な効果では、サイトの月間PVが約6倍に上昇。見込客がWebから展示会に来場し、その後、直販での受注に至るプロセスが確立されているとのことで、野田氏は「BtoB領域は施策の効果が出るのに長期間かかるのが一般的な中で、数カ月で効果が出ました。導入・本格運用から約3カ月での成果としては、非常に満足しています」と評価している。

成功のポイントと今後の展望:Webを通じた購入検討の「本気度」に応えるコンテンツの拡充を

成功のポイントとして野田氏は「スピード感」を挙げる。「Cloud CMOの利便性も相まって、マーケティング施策の企画から実施、改善まで1週間以内で行うサイクルが確立できた」と手応えを語る。

イノーバは、動画制作パートナーや英語サイトの制作を行うプロフェッショナルの紹介、Cloud CMOの導入、利用に関するトレーニングなど初期の導入サポート、ページテンプレートのカスタマイズなど、導入、運用を幅広くサポート。「1人でマーケティングをスピーディに切り盛りしていくために必要なリソース」を野田氏のパートナーとして提供している。

一方、次の課題は、Webを通じて「サンプル測定」を申し込むコンバージョン率のさらなる向上だ。「PVに占めるコンバージョン数の割合は約0.3~0.5%です。BtoB分野は購買前の情報収集や検討をWebで行う傾向が強いため、今後はこれを1~2%くらいまで引き上げたいです」と野田氏は語る。

同氏によれば、光コムのお客様の中には「Web検索結果の1ページ目は、あえてスキップする」という方もいるそうだ。これは、「ニッチな市場ゆえに、各社の実力や性能もだいたいわかっている」状況で、購入側の情報収集や検討の本気度を示すエピソードとして興味深い。野田氏は、「その本気に応えられるような記事を作る」ことを今後の課題に挙げた。具体的には「お客様の業種ごとにコンテンツを用意することを検討したい」とのことだ。

今後は、上述したコンバージョン率の向上に加え、コンテンツの拡充により、さらなるPV数の増加、検索順位の向上に取り組んでいく。また、英語や中国語圏の海外向けのWebマーケティングにも注力する予定だ。これには、運用体制を含め、コーポレートブランド戦略をどうするかという中長期的な戦略が必要になってくる。

野田氏は「イノーバには、ツールの提供だけでなく、コーポレートブランド戦略を一緒に考えてくれるブレーンとしての役割も担ってもらいたい」と今後の期待を述べた。

光コムの今後の取り組みに、Cloud CMOやイノーバが果たす役割はますます大きくなっていくに違いない。

(2016年7月取材)

企業プロフィール

企業名:株式会社光コム
資本金:3億5,250万円
事業内容:光コム発生器とその応用および関連機器の開発・販売
Webサイト:http://www.optocomb.com/
Cloud CMOの用途:製品サイトの管理(CMS)とマーケティングオートメーション・ツールとして

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