
月間問い合わせ件数10倍増。CMSとMAでコンテンツマーケティングの効果を実感
国際航業株式会社 様
国際航業株式会社は、航空写真測量のパイオニアとして1947年に創業した。以来、国土開発に不可欠なさまざまな地図づくりや、地図を用いた建設コンサルティング、環境エネルギー分野などへと事業領域を拡大。現在は空間情報の技術をベースとする総合的なコンサルタント企業として、各種サービスや事業を展開している。 とりわけ近年は、安心で安全、そして持続可能なまちづくり「グリーン・コミュニティ」を目指す新規事業の企画・推進に力を入れている。こうした背景を受けて誕生したサービスが、太陽光・蓄電池経済効果診断サービス「エネがえる」であった。
およそ300社、3000プラン以上から最適な電力プランを提示する「エネがえる」のニーズは確実にあると感じていたものの、新たなサービスであるために、いかにして「エネがえる」の認知度を上げ、選んでいただくのかに苦心していたという。
同社はこうした課題をどのように解決したのだろうか。デジタルエネルギーチームの土屋綺香氏と樋口悟氏に話をうかがった。
ニーズに十分な手応えはあるが、認知度を高めるのに苦心
国際航空株式会社では近年、安心で安全なまち「グリーン・コミュニティ」の実現を目指して複数の新規事業チームを立ち上げている。そのなかの一つであるデジタルエネルギーチームは2016年6月、太陽光・蓄電池経済効果診断サービス「エネがえる」をリリースした。
「エネがえる」が誕生したきっかけは、東日本大震災後に仙台市でスマートシティをつくる事業に携わったことにあった。「スマートハウスの住居者から『太陽光や蓄電池がついているのに電気代が高くて困っている』と相談を受けて、当社でHEMS(Home Energy Management System)の電気使用量データを分析しました。その結果、各家庭の電気利用状況にあった料金プランを選べていないことが判明。最適な料金プランを提案したところ、住居者から非常に喜んでもらえたのです」と、樋口氏は当時を振り返る。
この経験に加え、2016年4月の電力自由化が始まったことにより、「エネがえる」のニーズは大きいとの手応えがさらに強くなった。しかし一方で、「エネがえる」のサービスを、いかにして必要とする顧客に認知してもらうかに頭を悩ませていた。「当時は『エネがえる』と競合するサービスが無かったこともあり、市場がまだ十分に温まっていませんでした。だからこそ、太陽光や蓄電池の料金最適化に悩む見込み客を確実に取り組みたいとの思いがありました」(土屋氏)
新規リード獲得と既存顧客に、効果的なアプローチをするために

新たな見込み顧客を取り込むために、問い合わせフォームや資料請求を配置した特設サイトを外注で制作。しかし運用してみると、Wordpressをカスタマイズして作られていたために、新たに発信したいコンテンツがあってもすぐに掲載できない課題が発生。手軽にコンテンツを追加更新できるCMSの導入を検討するようになった。
また同社では、展示会などで得た顧客情報を元に作成した約5000件の見込み客リストに対して、効果的なセールス&マーケティングを実施したいとも考えていた。そのため、メールマーケティングを効率よく実施できるMAツールの導入も、CMSと並行して検討していたという。
これらの課題を解決する方法として、同社はイノーバの「Cloud CMO(スタートパック)」の導入を決めた。ブログページや資料請求ページを簡単な操作で作れるCMS機能と、見込み顧客情報の管理とアプローチを効率よく行えるMA機能を手ごろな価格で利用できることに加え、記事コンテンツが10本セットになっている点が、評価のポイントになった。さらに樋口氏は「イノーバはBtoBのコンテンツマーケティングに強い会社なので、ノウハウも豊富にあることも心強かったです」とも語った。
月間問い合わせ件数は10倍以上にアップ。見込み客の間口が広がった

2018年夏、同社はCloud CMOスタートパックを利用して「エネがえる」特設サイトをリニューアル。およそ5ヶ月間で、イノーバ制作のコンテンツ10本を含めて70本超のブログ記事を制作した。また「エネがえる導入のための稟議書テンプレート」などのダウンロード資料も制作し、新規見込み客の多様なニーズや関心に応えられるサイトに進化した。
その結果、期間限定で有料版と同じ全機能を利用できる無料お試し版の申し込み件数が増加。以前は月1,2件ほどだけだったサイトからの問い合わせ件数は、多い時で週5,6件にまで急増した。Cloud CMOスタートパック導入前後の数値を比較すると、その差は10倍以上にもなる計算だ。
定性的な効果も見逃せない。「コンテンツレポートやSEOレポートからサイト閲覧者の行動履歴が分かるので、改善策をすぐに実行しやすくなりました。それにレポートを見ていると『いろんなコンテンツを見てくれている!』と私たち自身も嬉しくなりますよね」と、土屋氏は語る。
新たに制作したブログ記事のなかには、土屋氏や樋口氏らが「エネがえる」を紹介するコンテンツもある。「お客さま先に訪問すると、先方から『サイトに載っている人だ』と認識していただけるので、商談への入り方もスムーズになったと思います。お客さまとの良好な関係づくりをするうえでも、このコンテンツはとても役立っていると思います」(土屋氏)
コンテンツを強化して、市場の第一人者としての価値を高めたい
直近でのセールス&マーケティングの取り組みについて樋口氏は、「市場自体が盛り上がってきているので、数あるサービスのなかから『エネがえる』を選んでいただけるように、コンテンツはもっと充実させていきたい。使用方法が一目で分かるような動画も載せたいと思っている」と話す。
サイトへの自然流入による新規見込み客を増やすために、コンテンツマーケティングをより戦略的に取り組んでいく考えだ。「制作したコンテンツを活かして、BtoB企業を数社集めた勉強会やイベントを企画するのも面白いのではないかと想像しています」(土屋氏)
将来的には、「太陽光や蓄電池のことを知るなら必読のサイト」として「エネがえる」特設サイトが位置付けられるようにしたいとも考えている。土屋氏は「販売会社の方々だけでなく、エンドユーザーにとってもそう思っていただけるようになりたいですね。エンドユーザーから販売会社の方に当サイトの話をしていただくといった認知の流れもできると、『エネがえる』の価値はさらに高まるはずです」と、今後の「エネがえる」の展開を語った。
終わりに、Cloud CMOに今後どんな期待を寄せているかを質問すると「多言語対応」との答えが返ってきた。「海外のエネルギーコンサルティング会社ともよく情報交換するので。日本語で制作したコンテンツを他の言語に自動翻訳されるような仕組みがCloud CMOで実現できると、さらにビジネスが加速するのではないかと思います」(土屋氏)

(2019年1月取材)
企業PROFILE
企業名 | 国際航業株式会社 |
本社所在地 | 〒102-0085 東京都千代田区六番町2番地 |
電話 | 03-3262-6221(代表) |
事業内容 | 空間情報事業(空間情報技術サービス、建設コンサルタントサービス)、RE(Renewable Energy)関連事業、防災関連事業、環境保全事業、社会インフラ事業、マーケティングおよび位置情報サービス、その他 |
運営企業サイト | http://www.kkc.co.jp/ |