バーガーキングのプロモーションが止まらない!挑発的で魅力的なキャンペーン事例5選

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ユニークなプロモーションを行う企業として知られている、大手ハンバーガーチェーンのバーガーキング。ほかの企業では真似できないような型破りなものもあるが、見る人が思わず笑ってしまうような、優れた事例が多い。
今回は、その面白すぎる事例をまとめて紹介してみたい。「面白いキャンペーンをやりたい」と考えている人は必見だ。
1. ライバルのあの企業に侵入して、レシピを盗み出せ!
最初に紹介するのは、同社の本拠地であるアメリカで、朝食メニューを訴求するために行われたプロモーションである。
このキャンペーンで取り上げられたハンバーガーは「ブレックファスト・マフィン・サンドイッチ」というもの。しかし、実際にアメリカで食べたことのある人はご存知かもしれないが、ライバル企業であるマクドナルドの「ソーセージ・マフィン」とそっくりの商品なのだ。
確かに、外食産業では競合他社と同じようなメニューを後追いで販売するケースは少なくない。しかし、そのまま一般的なプロモーションを行ったのでは「ああ、あのマクドナルドと同じやつね」と思われてしまい、大した話題にはならないだろう。
そこで、バーガーキングはマスコットキャラクターであるSneaky Kingが、マクドナルドの本社からレシピを盗み出すという、ショッキングな映像を制作した。もちろんフィクションとはいえ、映像にはっきりと映し出されている「McDonald's」の文字とロゴに度肝を抜かれた人もいるのではないだろうか。
ストーリーはもちろん、Sneaky Kingが盗み出したレシピを使って「同じハンバーガーを新発売します」というもの。動画の最後に流れる「It’s not that original, but it’s super affordable(オリジナルではないけど、すごく安価です)」というナレーションの大胆不敵さに、思わず笑ってしまいそうになる事例だ。
Burger King Sneaky king
2. 私たちはみんな一緒! LGBTイベントで販売された「プラウド・ワッパー」
次に、米サンフランシスコで毎年6月に開催される「サンフランシスコ・プライド・パレード」にあわせて、同社が行ったキャンペーンを紹介したい。このパレードはLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)の文化をたたえるイベントで、毎年世界中から多くの人が参加する。参加者は、彼らの象徴である虹色の旗を持ち、平等な権利を訴えて街中をねり歩くのだ。
さて、バーガーキングはこのイベントの開催にあわせて「プラウド・ワッパー」という新メニューを販売した。ワッパーとは、同社の主力メニューである大型ハンバーガーのことである。
この「プラウド・ワッパー」は、イベントにあわせて虹色の包装紙で包まれているものの、中身は普段から提供されている、通常のワッパーと変わりはない。しかし、包装紙の裏には「We are all the same inside(私たちは外見が違っても、中身はみんな同じです)」という言葉が印刷されている。つまり、「外見はちょっと違っていても、私たちはみんな同じ人間です」という同社からのメッセージなのだ。
当日は顧客のほとんどがイベント参加者だったこともあり、このメッセージは大きな反響を呼んだ。以下の動画で参加者が語った、「これはただのハンバーガーだけど、私たちに誇りを与えてくれる」という言葉がなんとも印象的なキャンペーンだ。
Burger King Proud Whopper
なお、このキャンペーンについては、当サイトの記事「企業イメージはたったひとつのスローガンで決まる!「伝えたい」ことを「ワンフレーズで伝える」イメージスローガンの作り方」でも触れているので、そちらも参照してほしい。
3. 残るのは本当のファンだけ!? Facebookファンが30,000人も減少した禁断のキャンペーン
FacebookなどのSNSでは、できるだけ多くのファンを集めたほうがいい。これはマーケティングを行っている人なら当たり前の事実だ。しかし、バーガーキングは、このセオリーをあっさりと裏切る禁断のキャンペーンを行った。
ノルウェーのバーガーキングのFacebookページには、およそ38,000人のファンがいた。しかし、そのほとんどは無料のクーポン券を目当てに「いいね!」をしている顧客で、本当のファンとは言いがたい。そこで同社が行ったのが「WHOPPER SELLOUT(ワッパーに対する裏切り)」と名付けられたキャンペーンである。
キャンペーン内容は「いいね!」をしているユーザーに対し、自分が「本当のファン」か「裏切り者」かのどちらかを選ばせるというもの。「本当のファン」を選択したユーザーは、同社が新しくローンチしたファンサイトに招待されるが、「裏切り者」を選択したユーザーは、ファンサイトから永久に削除されてしまう。しかし、「裏切り者」にはマクドナルドのビッグマックのクーポン券が配られるのだ。
この魅力的な特典を前に、それでも「本当のファン」を選択できるユーザーはそうはいないだろう。実際、このキャンペーンを行ったことで、同社のファンはおよそ8,000人にまで減少した。
しかし、同社にしてみればこれこそが狙っていた結果で、クーポン券目当てではない、本当に大切にするべきファンを絞り込むことができたのだ。一時的にファン数を減らすことにはなったものの、ブランドに対するエンゲージメントを飛躍的に向上させるのに成功したという。
Burger King - Whopper Sellout
4. あなたのために、一つひとつ作っています!
バーガーキングのハンバーガーの特徴は、自分の好みにあわせてカスタマイズできること。例えば、タマネギ増量でベーコンなし、マヨネーズ少なめといった具合だ。そして、それらはひとつずつオーダーを受けてから作られる。この、オーダーにあわせてひとつずつ作られていることを訴求するために、同社がブラジルで行ったキャンペーンがWHOPPER FACEだ。
これはレジカウンターに隠しカメラを仕込んでおき、注文した顧客の顔を撮影し、それをワッパーの包装紙に印刷するというもの。単純なアイデアだが、作り置きのハンバーガーではマネのできない芸当だ。顧客にしてみれば自分のためだけに作られていることを実感し、なによりも、友達同士でバーガーキングに行って、自分の顔写真が印刷されたハンバーガーが出てきたら、思わず楽しく笑ってしまうに違いない。
BURGER KING WHOPPER FACE
5. あなたは5分間、ワッパーを見続けることができるか?
ユーザーのページ滞在時間を伸ばしたいと考えている人に参考にしてみてほしいのが、同社がアメリカで行った「WHOPPERLUST(ワッパーへの欲望)」というキャンペーンだ。
これは、同社がアメリカのテレビ局「DIRECTV」と提携して行い、テレビのチャンネルをあわせると、ワッパーがじわじわとグリルされている様子が流れ続けるというもの。そして、このチャンネルを5分間見続けると、ワッパーが1個無料でもらえるのだ。
5分の間にメッセージが何度か表示され、それにあわせてリモコンでアクションを起こさなければならない。つまり、画面だけあわせて放置しておくという「ズル」はできない仕組みになっている。ちなみに5分経過後、また10分見続ければワッパー2個、さらに15分(合計30分)見続ければワッパー3個がプレゼントされる。
大きな変化のない画面を5分間じっと見続ける。これに見合った価値があるかどうかはさておき、そんなに長い間ハンバーガーを見続けていれば、食べたくなってしまうのは間違いないだろう。視聴者の記憶にワッパーを刻み付け、力ずくで「欲望」を引き出す、なんともユニークなキャンペーンだ。
WHOPPERLUST
楽しそうな演出が、ブランドイメージにつながる
今回ご紹介した5つのキャンペーンを見ていくと、型破りで挑発的に見えながら、楽しそうなイメージを巧みに作り上げている事例が多く、それが同社のブランドを形成していることに気付かされる。さらに「滞在時間を延ばしたい」「競合他社と同じメニューを出したい」など、自社の持っている課題の解決策を織り込んでいる点も見事というほかない。
顧客の目を引く面白いキャンペーンを行いたいと考えている人にとっては、同社のキャンペーンからは目が離せないのではないだろうか。
参考元:
BK Wages Breakfast War on McDonald's With New Sandwich
Burger King sells gay pride Whopper
Burger King launches non-stop WhopperLust channel
Burger King Tests Facebook Fans' Loyalty With a Free Big Mac
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